更新日: 2024.04.05 働き方

地方の企業に就職しようと考えています。親から「都内の企業にしなさい。給料が高いんだから」と言われますがそんなに違いがあるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

地方の企業に就職しようと考えています。親から「都内の企業にしなさい。給料が高いんだから」と言われますがそんなに違いがあるのでしょうか?
就職活動を進めるなかで、「できれば地方の企業に就職したい」「地元に帰って働きたい」という人もいるのではないでしょうか。しかし、賃金の高さを求めたら、地方よりも東京都で働いたほうがよいのかもしれないと考える人もいることでしょう。
 
本記事では、新規学卒者の賃金、都道府県別の賃金をはじめ、地方で働くメリットなどを解説します。
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新規学卒者の賃金はどのくらい?

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、新規学卒者の学歴別の賃金は図表1のとおりです。
 
【図表1】

男女計 女性 女性
高校 181万2000円 183万4000円 177万6000円
専門学校 212万6000円 207万円 216万6000円
高専・短大 202万3000円 204万1000円 201万8000円
大学 228万5000円 229万7000円 227万2000円
大学院 267万9000円 271万9000円 256万9000円

※厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より筆者作成
 
学歴によって賃金の差は大きいです。高校卒業と大学院卒業では、賃金に86万7000円もの違いがあります。

 

都道府県別で賃金が最も高いのは東京都

同調査では都道府県別の賃金を伝えており、そのうち令和4年の賃金が最も高いのは東京都、最も低いのは青森県でした。
 

【賃金が高い都道府県】

・東京都:375万5000円
・神奈川県:335万6000円
・大阪県:330万9000円
・愛知県:312万6000円
・兵庫県:312万3000円

 

【賃金が低い都道府県】

・青森県:247万6000円
・宮崎県:249万6000円
・沖縄県:252万円
・岩手県:252万3000円
・山形県:254万6000円

 

最も低い都道府県との賃金差は年間約130万円

最も賃金の高い東京都と最も低い青森県を比べると、差額は1年間で約130万円です。賃金だけ見てみると「東京で働いたほうがよいのではないか」となるかもしれません。
 
しかし、東京都は物価水準が高い傾向で、地方は物価水準が低い傾向です。総務省の「小売物価統計調査(構造編)」でも、東京都の平均消費者物価地域差指数が104.7で最も高いことを伝えています。
 
東京都の賃金が高かったとしても、物価水準の高さが理由で思うようにお金を残せない、貯金ができないといった事態に陥ることも想定できます。

 

地方で働く3つのメリット

地方で働くメリットは、以下の3点です。
 

・家賃や物価の安さ
・満員電車や渋滞のストレス回避が可能
・自然豊かな環境で暮らせる

 
東京に住んで働くメリットはたくさんあります。しかし、上記のメリットは東京都にはない地方ならではのものです。賃金だけでなく、地方で働くことにどんなメリットがあるのかを把握したうえで、納得できる選択をしてください。

 

家賃や物価の安さ

地方は、東京都と比べて家賃や物価が安い傾向です。東京都よりも賃金が低くても、家賃や物価が安ければ、その分だけ以下の支出をおさえられるでしょう。
 

・マンションやアパートの賃料または住宅購入費用
・駐車場料金
・食費(外食を含む)
・日用品

 
その結果、東京都と地方の賃金の差がさほど気にならなくなるケースもあり得ます。

 

満員電車や渋滞のストレス回避が可能

地方で就職すると、通勤時の満員電車や渋滞によるストレスの回避を期待できます。地方では、電車移動よりもマイカー移動が主流だからです。マイカー移動なら、満員電車でたくさんの人に押される、ぶつかるといった心配はありません。

 

自然豊かな環境で暮らせる

地方は、都会と比べて自然豊かな環境で暮らせます。人混みを避けられる、心にゆとりをもちながら暮らすことが期待できるでしょう。また、子どもが生まれたらのびのびと育てられ、保育園も待機児童が少なく預けられる可能性が高いので、夫婦共働きがしやすいです。

 

都内と地方の特徴を理解して自分に合った場所で働こう

東京都内と地方のどちらで働くにしても、それぞれにメリット・デメリットがあります。東京都は賃金が高く、公共交通機関の選択肢も多い、買い物に便利などのメリットがある半面、物価が高く、満員電車で通勤しなければならない可能性も高いです。
 
地方は、物価が安い、自然豊かな環境で暮らせる、東京都に比べて人混みや混雑が少ないといったメリットがあります。東京都内と地方の特徴を理解し、自分に合った場所で働くことを検討してみてください。

 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況
総務省 消費者物価地域差指数 小売物価統計調査(構造編)- 2022年(令和4年)結果-
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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