更新日: 2024.04.05 働き方

休憩時間とは別の「タバコ休憩」でトータル1時間ほど離席する部下。注意しても聞かない場合は、減給の対象になりますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

休憩時間とは別の「タバコ休憩」でトータル1時間ほど離席する部下。注意しても聞かない場合は、減給の対象になりますか?
休憩時間は、労働基準法によって定められており、それにのっとった形で就業規則に記されています。しかし、なかには違反してしまう従業員もいるでしょう。
 
そこで、本記事では休憩時間とは別の「タバコ休憩」でトータル1時間ほど離席する部下を例に挙げて、注意しても聞かない場合は減給の対象になるかということについて解説します。
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休憩時間のルールとは?

どのぐらいの休憩時間を取るかは労働基準法第34条によって定められています。


「労働時間が6時間以下の場合は休憩時間はなし」
「労働時間が6時間超8時間以下の場合は少なくとも45分間の休憩時間が必要」
「労働時間が8時間超の場合は少なくとも1時間の休憩時間が必要」

会社の就業規則には、労働基準法第34条にのっとった休憩時間が記載されています。そのため、会社の就業規則で「休憩時間は1時間」と記載されている場合、休憩時間以外でトータル1時間のタバコ休憩を取ることは就業規則違反になるのです。
 

減給の対象となる場合とは?

懲戒処分を下す前に、会社側は、就業規則に従わない従業員への事実確認と証拠の保全を行う必要があります。これらを行うのは、懲戒処分の際、部下ともめないためです。一口に懲戒処分といっても、実務上多いものは7種類あって、軽い順から次のようになります。


戒告
けん責
減給
出勤停止
降格
諭旨解雇
懲戒解雇

会社側はこれらの懲戒処分のなかから、理由もなく処分を選ぶことはできません。どうしてその懲戒処分を従業員に下すのか、その理由が必要です。さらに、従業員に懲戒処分を下すときは、就業規則を提示してしっかりと説明するようにしましょう。
 
とはいえ、就業規則に明記されているからといって、違反内容と処分内容とのバランス取れていない場合は不当といえます。労働契約法15条によって、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない」場合の懲戒処分は無効と定められています。
 
例に挙げた部下の場合、上司が注意しても聞き入れることはなかったということです。注意は懲戒処分の中でも一番軽い戒告処分にあたります。注意しても聞いてくれない場合の次の段階は、けん責処分です。けん責処分とは始末書を提出させることをいいます。
 
それでも部下が注意を聞いてくれない場合、減給処分もありえるでしょう。減給とは、その名の通り、給料の一部を差し引くという処分です。ただし、いくらでも給料から賃金を引いてもよいというわけではありません。
 
労働基準法によって、減給できる額は決まっています。減給額は「1回の処分につき、平均賃金の1日分の半分以下」「複回の処分の総額は、一賃金支払期の賃金総額の10分の1以下」と定められているのです。
 

注意しても聞かない場合は減給の対象になりうる

部下が注意しても聞いてくれない場合は、減給処分もありえます。ただし、労働基準法によって減給額は「1回の処分につき、平均賃金の1日分の半分以下」「複回の処分の総額は、一賃金支払期の賃金総額の10分の1以下」と定められています。
 
減給処分を下した際、部下とトラブルにならないように、事実確認と証拠の保全はきちんとしておきましょう。
 

出典

e-Gov 法令検索 労働基準法
厚生労働省 第4章 労働時間、休憩及び休日
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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