更新日: 2024.04.08 働き方

有休中、後輩の発注ミスで「呼び出し」が! 自分に関係なくても「会社命令」なら行く必要はある? 給与の取り扱いについても解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

有休中、後輩の発注ミスで「呼び出し」が! 自分に関係なくても「会社命令」なら行く必要はある? 給与の取り扱いについても解説
労働者は一定の条件を満たしていると有給休暇取得が権利として認められるため、理由などに関係なく自分の好きなタイミングで基本的に休暇を取得できます。ただ、有給休暇取得中は会社でほかの社員はいつも通り働いており、後輩が発注ミスなどを起こして会社から呼び出しを受けることがあるかもしれません。
 
本記事では、「有給休暇取得中に会社からの呼び出し」があった場合、出勤する義務があるかどうかを解説するので参考にしてください。
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会社からの呼び出しに応じる必要はない

せっかく休んでいるのに会社からの呼び出しに応じるのが面倒と感じるのは当然ともいえるでしょう。そもそも呼び出しに応じる必要があるか気になる人もいるでしょう。
 
実際には呼び出しに応じる義務はありません。電話で解決できるなら電話対応するのも方法として挙げられます。そもそも会社側は有給休暇取得中の従業員を呼び出す権利は持っておらず、呼び出しに応じるかどうかは従業員の判断次第です。
 
会社が強制的に呼び出して働かせるなどはできませんが、従業員が同意した際には呼び出して働かせることはできます。ただし、このように有給休暇取得中に働いた際には、別日に改めて有給休暇取得を認めるなどの対処が必要です。そもそも本人が関係ない業務の呼び出しには、業務上の責任などもないと考えられます。
 
仮に、会社からの呼び出しに同意して出勤した際には、後から他の日に改めて有休取得したい旨などを会社に伝えておきましょう。会社側も本当に有休中の従業員を呼び出さないと対応できない問題か慎重に判断して、どうしても対応が難しいと判断した際だけ呼び出す配慮が必要です。
 
今回のように後輩が発注ミスをした際には、担当者以外が会社に行く必要性が低いと判断できるため、呼び出しに応じなくても問題ないケースが多いといえるでしょう。
 

有給休暇中に出勤した際の給与取扱について

有給休暇中に出勤した際の給与取扱は普段と変わらないため、基本的な考え方としては有給休暇で休んだ日が通常出勤日になったとして問題ないです。
 
通常出勤日とみなされるので、休日出勤による割増賃金などの対象にはなりませんが、仕事の対応などで時間外まで働いた際には時間外手当は支払われなければなりません。有給休暇からの出勤は特別な出勤扱いとはされず、有休が取り消されただけと考える必要があります。
 

有休中の呼び出しの拒否は難しい?

有休中の呼び出しについて従業員が断るのは法律的には問題ありませんが、上司や会社から直接連絡が来た際に拒否するのはハードルが高いといえるでしょう。
 
上司や会社から「強制ではないけどできれば来てほしい」といわれた場合、仕方なく出勤する人は少なくないでしょう。会社側は人手不足で事業の正常な運営が妨げられる場合でしか呼び出し要請することは認められず、出勤している人数などで明らかに対応できるなら呼び出しは違法に該当する可能性があると考えられます。
 
このような点を理解している会社からの呼び出しであれば、本当に緊急事態だと感じて出勤の判断をする人は多いでしょう。ただし、会社側は強制していないから問題ないと考えるかもしれませんが、何度も呼び出されるようなら法律違反である旨などを伝えたほうがいいでしょう。
 
有給休暇は労働者に認められた権利なので、原則として会社は呼び出しをかけられない点は把握しておきましょう。
 

まとめ

有休中に会社からの呼び出しがあっても原則として対応する必要はなく、自分が居なくても十分に対処できる内容なら拒否しても問題ありません。呼び出しに応じて出勤した際には、ほかの日に有休取得をさせてもらえるように交渉しましょう。
 

出典

厚生労働省 東京労働局 Q2.年休で休んでいる者を会社の都合で呼び出せますか?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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