更新日: 2024.05.08 働き方

パワハラで逃げるようにして辞めた職場…未払い給与が2ヶ月分あるけど、3年前だと諦めるしかない?

パワハラで逃げるようにして辞めた職場…未払い給与が2ヶ月分あるけど、3年前だと諦めるしかない?
退職した職場で未払い給与がある場合に、どうすればいいか迷うことがあるでしょう。
 
「できれば給与をきちんと払ってほしい」と思いつつも、辞めてから時間がたっていると、「時効で請求できなくなるのでは?」と不安になるかもしれません。
 
パワハラやセクハラなどが原因で急きょ退職した職場であれば、なおさら請求しにくいと感じることがあるでしょう。
 
本記事では、未払い給与をいつまで請求できるかについて、ヒントになる情報をご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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未払い給与は3年間さかのぼって請求できる

結論からいうと、未払い給与は「退職後3年間」の請求が認められています。
 
労働基準法第115条によると、賃金の請求権は行使できるタイミングから5年間有効とされています。以前は2年間でしたが、適用期間が延長されました。時効の延長措置は、2020年4月1日以降に支払われる給与に適用されます。
 
ただし、厚生労働省によると、当面は「3年間」を適用することとされており、さかのぼって請求できる給与は3年前までのようです。
 
今回のケースは3年前の未払い給与であり時効が成立する可能性があるため、早めに請求したほうがいいでしょう。
 

未払賃金が請求できる人は?

3年間(当面)にわたる賃金請求権の時効は、「すべての労働者」が対象です。
 
労働基準法9条によると、労働者とは「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」を指します。
 
そのため正社員であれアルバイトであれ、給与に関する労働契約を交わしている労働者であれば、未払い給与をさかのぼって請求できるでしょう。
 

職場へ未払賃金を請求する際に必要な資料と手順

時効が過ぎていない場合は、請求の準備を行います。未払い給与があることを証明するためには、以下のような書類・データが証拠になるようです。

●賃金規定が記載された就業規則
●雇用契約書
●給与明細
●タイムカードの記録やシフト表など該当月の勤務状況を示すデータ
●給与振込先口座のコピー
●業務日報

ほかにも、客観的証拠になる資料などがあれば用意しておきます。
 
資料が準備できたら、会社に連絡して未払い給与があることを伝えます。直接交渉で会社が未払いを認め、支払うことに同意すれば未払賃金を請求できるでしょう。
 
同意してもらえない場合や対応に困った場合には、管轄の労働基準監督署などに相談するのも方法の一つです。場合によっては、裁判になるケースもゼロではありません。万が一裁判が必要となった場合には手続きが複雑になりますので、弁護士など専門家へ相談するほうがいいでしょう。
 

退職後も3年間は未払い給与の請求が可能

2020年4月1日以降に支払われる給与については、3年間さかのぼっての請求が可能です。
 
未払い給与の発生から時間がたっている場合、時効成立が近づいているかもしれないため、できるだけ早く請求をかける必要があります。
 
必要に応じて専門家の助けも借りつつ、正当な労働対価を受け取れるよう準備をすることをおすすめします。
 

出典

デジタル庁e-Gov法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九条、第百十五条
厚生労働省 未払賃金が請求できる期間などが延長されています
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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