更新日: 2024.10.10 貯金
定年が近い両親から貯蓄が「400万円」しかないと聞きました…退職後の生活は大丈夫なのでしょうか?
もし余裕があれば子どもから仕送りする方法もありますが、仕送りができないときは必要に応じて生活保護の利用をすすめることも検討しておきましょう。
今回は、老後の貯蓄として400万円は多いのかということや、貯蓄の少ない親に対して子どもができることなどについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後に必要なお金はいくらくらい?
総務省統計局が公表している「家計調査報告」によると、65歳以上の夫婦無職世帯の収支は毎月3万7916円のマイナスでした。1年間だと45万4992円不足することになります。
同調査報告において、年金などの社会保障給付も収入に含まれているため、不足分は基本的に貯蓄から補わなければなりません。定年を迎えたときに退職金がない場合、貯蓄400万円では約8年分を賄えることになります。仮に65歳から貯蓄と年金のみで暮らすとすると、73歳までの計算です。
人生100年時代といわれる現代では、80代まで生きる方も少なくありません。貯蓄が400万円の場合は、80代までの生活費は賄えないことから老後の生活費としては少ない可能性があるといえるでしょう。
60代の平均貯蓄額
平均貯蓄額を知っておくと、老後に向けての目標貯蓄額の目安にできます。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、2人以上の世帯かつ60歳代の預貯金残高合計の平均金額は458万円でした。また、金融資産保有額の平均は2026万円なので、平均貯蓄から考えても貯蓄が400万円なのは少ないといえるでしょう。
ただし、退職金制度のある会社の場合は、退職金で老後の生活費を賄える可能性もあります。
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、大学卒業をした方で管理・事務・技術職に就いており、20年以上勤続した45歳以上の方の平均退職金額は、定年退職で1896万円でした。貯蓄の400万円と合わせると2000万円を超えるため、老後の生活費にもゆとりができます。
退職金の有無は、老後の資金計画にも大きくかかわってくるので、両親に確認しておきましょう。
貯金が足りない場合に子どもがサポートできること
まずは、両親へ定年後も働けないのかを確認しましょう。企業によっては70歳までの雇用をサポートしているケースもあり、働くことでたくわえを増やしつつ、老齢厚生年金の金額も増やせます。
家計の収支見直しも重要です。不要な出費をおさえれば、老後の生活費に余裕が出る可能性もあります。
諸事情で定年後は働けず、お金も足りない場合は、仕送りなどの金銭的サポートを検討しましょう。自分や自分の家族の生活に余裕があり、家族からも同意を得ていることと、仕送りの金額は、両者で相談したうえで決めることが大切です。
無理に毎月多額のお金を送っても、自分の生活に影響が出てしまっては意味がありません。
また、自分にも両親にも金銭的余裕がないときは、生活保護といった支援制度の利用も方法のひとつです。
ただ、生活保護を利用することにちゅうちょする方もいるので、生活保護を利用してほしいときはしっかり話し合っておきましょう。なお、生活が苦しいだけでは利用できないケースもあるので、自治体の相談窓口などに条件を確認しておきましょう。
貯金400万円だと約8年分の生活費となる場合がある
もし退職金を考慮せず、400万円の貯蓄と年金のみで生活すると、約8年分の生活費となる場合があります。65歳からだと73歳までなので、老後の生活費として多くはないといえるでしょう。
また、平均預貯金残高から見ても、400万円は少ない傾向です。
もし両親の老後の生活費が不足している場合は、自分の生活に余裕があれば仕送りをしたり、余裕がなければ生活保護などの支援制度を利用してもらったりする方法もあります。どういった方法で支援するのかは、両親とよく話し合って決めましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2023年- (18ページ)
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