更新日: 2024.05.10 貯金

就職して8年で貯金額が100万円になりました。これは平均と比べると少ないでしょうか?

就職して8年で貯金額が100万円になりました。これは平均と比べると少ないでしょうか?
私たちはどうしても周りの人と自分を比べてしまいます。
 
学生時代であれば成績、卒業すれば就職先、そして就職すれば職場同僚のお財布の中身。平均値を知ることは、ポジティブに目標設定になる場合もありますが、あまり意味のないことが多いかもしれません。
 
今回は30代の平均貯金額に注目してみましょう。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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30代貯金額の平均値は494万円、中央値は75万円!(令和4年調査)

「就職して、最初は親元から通っていたけれど、ひとり暮らしにあこがれてアパート暮らしを始めた。自分だけの時間を満喫できる自由は手に入れたが、家賃や光熱費など、今まで意識してこなかった固定費負担は想像以上に重く、貯金がまったく増えなくなってしまった」というご相談を受けることがあります。
 
そういう方の多くは「30歳ぐらいだと、どのくらいの貯金額があればいいのか?」と聞かれます。確かに、「自分は平均と比べてどのくらい少ないのか?」ということが気になるのでしょうが、「家計のやりくりは100人いれば100通りですから、知ったところでまったく意味がないです」とお答えします。
 
そうはいっても、一応の目安として、金融広報中央委員会が公表している、令和4年の30代の貯金額によれば、平均値が494万円、中央値が75万円となっています。
 
多額の預貯金をすでに保有している人が大きく平均を押し上げているので500万円となりますが、アンケートに答えた人の真ん中にあるのが75万円なので、これだけ大きな差が出ています。
 
この数値だけを見て、「30歳で100万円ならば安心!」と思うでしょうか? そう思わないから、筆者のようなFP(ファイナンシャルプランナー)のもとに相談に来られる方が多いのだと感じます。
 
前述のご相談者さまは、相談に来られた時点ですでに「預貯金額が少ないので心配。だから増やしたい」というのが悩みですから、統計数値だけで一喜一憂するのはあまり意味がないように思います。
 

貯金額は、月々の収支と運用で変わる!

独身単身ならば、多くの方が資産=貯金額ということですから、月々の収支と運用の組み合わせで、貯金額はプラスにもマイナスにもなります。
 
ただ、月々の収支には住居費や光熱費などなかなか柔軟に調整できないものが大きな割合を占めているので、ここを一気に改善することはできないと考えたほうがいいですね。
 
スマホのキャリアをお得プランに変更したり、無意識のうちに払い続けているサブスクを見直したりといった節約をしても、大きな金額にならないケースもありますので、実感を得られない可能性があります。
 
収入は2024年の春闘で5%超のアップが認められたと報道されていますが、これは主に大企業の話です。また節約項目を1つずつ洗い出し、今まで使っていたプランの見直しなど手間がかかる分、ストレスもたまって思ったほどスムーズにはいかないこともあります。
 

貯金額を増やすには「自分天引き」で運用枠を作る

幸いなことに、手軽に運用ができる仕組みが日々充実しています。かつてなら、自宅から手続きはできたけど、準備が整ったと金融機関から分厚い郵便物が届いたときには、「やるぞ!」気分は数日前の最高潮から大きくダウンしていた、ということも多々ありました。
 
今は、資産運用はスマホからの簡単な手続きで、すぐに始められます。また、説明動画で分かりやすく紹介している金融機関も増えているので、自宅に戻ってからの時間や土日を使って始めることもできるようになっています。
 
「難しいことはわからないから」と先送りにする理由をつけて翌日にまわせば、それがまた翌々日とどんどんスタートが遅れていきます。

職場の同僚ですでにスマホでの運用を始めている人がいれば、思い切って聞いてみるのもいいでしょう。まずは「カンタン」「気軽にできる」「キャラクターが説明してくれる」など、自分と相性がよさそうなもの、長続きしそうなものを選んで「自分天引き」で月々に自由になるお金の枠を強制的に作ってしまいましょう。
 
無理のないレベルで、今から始めて今年のクリスマス頃に「始めてよかった」を実感できれば、そこから少しずつ金額を増やしていくことも抵抗がなくなると思います。比較するのは、周りの人ではなく「過去の自分」「貯金を後回しにした昔の自分」です。
 

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査2022年(単身世帯調査)
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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