孫への出費は一線を引いて客観視することが大切

配信日: 2024.05.21 更新日: 2024.10.10

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孫への出費は一線を引いて客観視することが大切
「孫はかわいいもの」と誰もが思うことでしょう。孫から「おもちゃ買って」「お菓子買って」と言われたら、おじいちゃん・おばあちゃんは買ってしまいがちです。しかし、孫の年齢がすすむと、その「買ってほしいもの」の値段が高くなっていくものです。
 
そこで、孫のおねだりや子のお願いから、おじいちゃん・おばあちゃんのお金を守る方法をお話しします。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

おじいちゃん・おばあちゃんの孫への思い

おじいちゃん・おばあちゃんにとって孫は、「目に入れても痛くない、かわいいもの」です。わが子はもちろんかわいいものの、育て上げなければいけないという責任とプレッシャーもあります。
 
一方、孫の場合は育て上げる責任は子にあり、おじいちゃん・おばあちゃんはかわいがるだけで良いことが多く、孫に気に入られたいおじいちゃん・おばあちゃんの感情が、「お金の出費」というかたちで、表面化しがちです。
 

おじいちゃん・おばあちゃんの収入は、基本は年金のみです

おじいちゃん・おばあちゃん世代にとっての収入源は、基本は老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)となります。もちろん、まだ働いている人や事業をしている人、投資で収入を得ている人もいるでしょうが、老齢年金のみという人も少なくないでしょう。
 
そのような生活の中で孫への出費は、大きな割合を占めることもあります。孫が小さいうちは、孫が欲しがる「おもちゃ」「お菓子」と言っても、そこまで大きな金額になることは少ないです。しかし、今の時代は、昔と比べると価格も上昇傾向にあり、孫が小さいからというだけで、出費が抑えられる時代ではないように感じます。
 
さらに、孫の年齢がすすむにつれて、おねだりされる物の値段は上昇していきます。おじいちゃん・おばあちゃんの心の奥に眠る「孫に嫌われたくない」という思いが、それに応えようとしてしまうかもしれません。
 
しかし、老後の収入の基本は老齢年金のみであること、まずは心にとどめておいてください。
 

家計のバランスを見極めること

孫にいろいろな物を買ってあげることは悪いことではありません。買ってあげられる生活ができるのであれば、買ってあげて問題はないでしょう。問題になるのは、自分の生活が苦しいのに孫にいろいろな物を買ってあげることです。
 
老後の生活は、基本的に収入より支出が多くなります。そのため、「老後の生活が始まる前に、老後資金を貯めておきましょう」ということにつながります。最終的に【「貯めた老後資金」+「年金収入」-「生活費等」>0】となれば、お金に困らない生活が送れた、ということになるのです。
 
 【「貯めたお金」と「年金収入」】は、老後生活が始まる前に予測ができます。だからこそ、しっかり予測しくことが大切です。例えば、「65歳までに○○○万円貯まる」や「年金の収入額を調べておく」といったことで、老後のための準備ができるでしょう。
 
一方、【「生活費等」】の予測は難しいものです。「生活費」は今の生活費と比べることである程度の予測はできるかもしれませんが、「生活費等」の「等」が問題となります。この中には、「家のリフォーム」「旅行」「趣味」といった費用もあれば、「子や孫に対する費用」も含まれます。つまり、この「等」をいかに予算に組み込めるかが、老後生活の安心につながります。
 

家計の予算に「孫代」を入れるように心がけて

おじいちゃん・おばあちゃんにとって、孫にお金が使えるということはうれしいことですし、楽しいことです。孫の笑顔が生きがいにつながることもあるでしょう。
 
しかし、自分の生活を壊してまで孫にお金を使うのは間違いです。子に「○○(孫の名)がおじいちゃん・おばあちゃんに△△を買ってほしいって言っている」と言われても、「この前□□を買ったから今年はもうない」と言えるようになりましょう。そのためには孫への出費額についてあらかじめ予算を立てることがおすすめです。そうすることで、孫との付き合いが円滑になり、お金に困らない老後生活を送れるようになるでしょう。
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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