更新日: 2024.10.10 その他家計
小学生の息子が目を離している隙にゲームで「10万円」の課金…!支払いの取り消しは可能ですか?
自分の収入や生活を考えて、いくらまで課金可能かを把握している方は安心ですが、ゲームにのめり込みすぎた結果、生活に支障をきたしてしまうと大変です。
特に、わが子が親に黙って多額の課金をしてしまった場合には、思わぬトラブルになりかねません。
そこで今回は、未成年の子どもがオンラインゲームに多額の課金をしてしまった場合、支払いの取り消しができるか否かについて、詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
子どもによる多額課金の状況と実例
まずは、実際に子どもによるオンラインゲームへの多額課金の実情を見てみましょう。
独立行政法人国民生活センターの調べによると、2022年度では契約当事者が小中高生のオンラインゲームに関する相談件数は4024件であり、契約購入金額の平均は約33万円とのことです。
中でも、小学生・中学生によるスマホやタブレット端末での無断課金に関する相談が多いようです。次に、実際にあった相談例をご紹介します。以下は、同資料より実際に相談があった事例です。
・母親がログインした状態でスマホを小学生の娘に貸したところ、娘がアカウントのパスワードを勝手に変更し、スマホに紐(ひも)づいていたクレジットカードを使ってゲームに課金してしまった
・母親名義で契約したスマホを中学生の息子に使わせていたところ、5ヶ月間にわたりキャリア決済で約5万円の課金をしてしまった
・中学生の息子が、母親のクレジットカード番号(数年前に別の用途で、母親が息子のスマホにクレジットカード情報を入力したことがあった)で総額約55万円をゲームに課金していた
いずれも保護者のちょっとしたミスや管理不足で発生しているようです。子どもにスマホやタブレット端末を使わせるときには、親が十分な注意を払っていれば避けられるケースもあるでしょう。
子どもにスマホを使わせる場合には、親のアカウントは必ずログオフして渡し、決済時のパスワードは子どもが分からないものに設定するなどの対策が必要です。
また、子どもとゲームに関するルールや向き合い方を確認しておきましょう。
子どもが課金した金額の支払いの取り消しは可能なのか?
民法第5条では、未成年者が法定代理人(保護者)の同意なく契約した行為は、取り消せると規定されています。そのため、状況によっては支払いを取り消せる可能性はあるようです。
ただし、子どもが保護者のアカウントでログインしたスマホを使って課金した場合や、課金が継続されている場合などには、保護者が決済を容認・追認したとみなされてしまうおそれがあります。
子どもが勝手に課金してしまった場合の支払い取り消しは、状況によって認められるかどうかが変わると覚えておきましょう。
実際に課金の取り消しを求める際にすべきこと
消費者庁によると、オンラインゲームへの課金の取り消しを求める際には、以下のポイントが重要となります。
・法定代理人の同意を得ていない課金であるか(民法第5条第1項)
・未成年者に処分を許された財産による課金であるか(民法第5条第3項)
・未成年者が課金の申込みにおいて詐術を用いていないか(民法第21条)
※出典:消費者庁「オンラインゲームに関する消費生活相談対応マニュアル」
子どもがオンラインゲームで課金した金額の支払いを取り消すためには、法的な知識が必要となります。そのため、実際に支払いを取り消すにあたっては、最寄りの消費生活センターなどへ相談することをおすすめします。
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センターなどの連絡先が分からない場合には、消費者ホットライン「188(いやや!)」番に連絡しましょう。管轄の消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してくれます。
未成年の子どもが勝手に課金した際の支払いは取り消せることもある|まずは消費生活センターなどで相談しよう
未成年の子どもが勝手にオンラインゲームに課金してしまった場合、状況によっては支払いを取り消せることがあります。しかし、保護者の不注意があった場合には取り消しが難しい場合もあるようです。
まずは消費生活センターなどで相談してみましょう。そして、日頃からゲームとの向き合い方を子どもと確認して、ゲーム時間や課金などについてのルールを決めておくことが大切です。
出典
独立行政法人国民生活センター 子どものオンラインゲーム 無断課金につながるあぶない場面に注意!!
消費者庁 オンラインゲームに関する 消費生活相談対応マニュアル (10~14ページ)
e-Govポータル 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第一編 総則 第二章 人 第三節 行為能力 第五条(未成年者の法律行為)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー