更新日: 2024.10.10 貯金

40代貯金「ゼロ」で世帯年収700万円の夫婦です。子どもを「私立中」へ通わせるか「貯金」をするかどちらがいいですか?

40代貯金「ゼロ」で世帯年収700万円の夫婦です。子どもを「私立中」へ通わせるか「貯金」をするかどちらがいいですか?
子どもが進学する時期にあまり貯金がないと、貯金を優先するべきか子どもの学費を優先するべきか悩む方もいるでしょう。可能であれば、貯金をしながら学費を払えると、子どもの進路の幅も広がります。
 
ただし、両立させるためには口座を分けるといった工夫が必要です。今回は、子どもを私立中学校へ通わせたときの学費や老後の生活費などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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私立中学校に3年間通う場合の学費

今回は、東京都の私立中学校に3年間通わせるとして計算をしましょう。東京都「令和5年度 都内私立中学校の学費の状況」によると、令和5年度の私立中学校にかかった平均費用は以下の通りです。

●入学金:26万3020円
●施設費(入学時に一括納付):3万4137円
●授業料(1年間):49万2209円
●その他:19万9759円

これらの金額を合計すると、中学1年生のときに支払う初年度納付金は98万9125円です。さらに、授業料とその他の費用などは毎年発生します。平均額を基に計算すると、中学2年生と3年生のときの費用は69万1968円ずつかかるため、3年間の合計費用は平均237万3061円です。
 

老後に必要な生活費

老後に必要な金額は、総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」で平均額が公表されています。令和5年度の調査結果によると、65歳以上の夫婦で2人とも無職の場合、平均支出は28万2497円でした。平均収入は年金などの社会保障によるお金やそのほかの収入を合わせて24万4580円のため、収入だけでは3万7917円足りないことが分かります。
 
不足分は貯金から賄うことになるでしょう。夫婦がともに90歳まで生きると仮定すると、65歳からの25年間では、不足分の合計額が1137万5100円です。
 
もし45歳の時点で貯蓄がなければ、65歳までの20年間で同額を貯金しておく必要があります。20年で1137万5100円を貯めるためには、1年で56万8752円、1ヶ月4万7396円が必要です。夫婦2人で約半額ずつ出すとすると、一人2万3698円を貯金に回す必要があります。
 

私立に行かずに貯金に回した場合はどうなる?

もし私立中学校へ通わないことになると、単純計算で3年間の学費237万3061円を貯金に回せます。老後に必要なお金が先の条件と同じとすると、不足分1137万5100円から237万3061円を引いた900万2039円が私立中学校へ行かなかった場合における老後で必要な金額です。
 
ただし、実際には私立中学校へ行かず公立中学校へ行ったとしても、修学旅行代など諸費用はかかる可能性があります。
 

世帯年収700万円の場合に実際に受け取れる金額

手取り額が分かると、貯金や子どもの進学費用にお金を回せるのかが分かりやすくなります。今回は以下の条件で手取り額を求めましょう。

●夫の年収は400万円で妻の年収が300万円
●夫婦ともに45歳
●東京都在住
●賞与は考慮しない

 

夫の手取り額

まず、夫の社会保険料は健康保険と介護保険が合計で年間23万6232円、厚生年金保険料が年間37万3320円、雇用保険料が2万4000円です。給与所得控除は124万円なので、社会保険料と合計した187万3552円を引いた残額212万6448円を所得税と住民税の計算に使います。
 
条件を基にすると、夫の所得税は8万2300円、住民税は約17万4645円です。そのため、手取りは1年間で310万9503円を受け取れます。
 

妻の手取り額

妻の社会保険料は健康保険と介護保険が合計で年間18万648円、厚生年金保険料が28万5480円、雇用保険料が1万8000円です。給与所得控除は98万円のため、社会保険料との合計146万4128円を引いた残額153万5872円を所得税と住民税の計算に使います。
 
条件を基にすると、妻の所得税は5万2750円、住民税は約11万5587円です。そのため、1年間で234万7535円を手取りとして受け取れます。
 
夫と妻の手取り額を合計すると545万7038円です。子どもの進学を考えつつ貯金もしたい場合は、2人で合計して月に約5万円を貯金用に分ける必要があります。つまり、貯金もすれば残額は合計485万7038円です。
 
子どもを私立中学校へ通わせる場合は初年度に98万9125円必要なので、もし子どもを私立中学校へ入学させると1年目は初年度納付金も引いた386万7913円が生活費として残ります。世帯年収から考えると、貯金と子どもの私立中学校への進学の両立は不可能ではありません。
 
ただし、生活にさらに余裕を持たせたいなら、制度を活用するなどして費用負担をおさえることも必要です。また、学費用と貯金用のお金が混ざらないように、管理する口座は分けましょう。
 

子どもを進学させたいなら貯金と学費を分けて考える必要がある

子どもを私立中学校へ通わせると、東京都の場合は3年間で平均237万3061円かかります。
世帯年収が700万円で40代の場合、2人で合計5万円ずつ貯金をしながら子どもの学費を支払うことも可能でしょう。もしどちらも両立させる場合は、費用が混ざらないように学費用と貯金用の口座を分けることをおすすめします。
 

出典

東京都 令和5年度 都内私立中学校の学費の状況
総務省統計局 家計調査報報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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