更新日: 2024.10.10 働き方

仮の話ですが、勤めていた会社が突然倒産した場合、未払いの給料はどうなるのでしょうか。

仮の話ですが、勤めていた会社が突然倒産した場合、未払いの給料はどうなるのでしょうか。
会社が突然倒産した場合に未払い給料がどうなってしまうのかは、誰もが一度は不安に感じることでしょう。本記事では、倒産によって未払いの給料がどのように扱われるのか、労働者として知っておくべきポイントを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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未払いの給料は優先的に支払われる

会社が倒産した場合でも、労働者の給料は「労働債権」として特別な位置にあります。なぜ労働債権が特別なのかといえば、会社の資産から優先的に支払われることが法律で定められており、労働者が生活を維持するために最低限の保護を確保することを目的としているためです。
 
具体的には、会社が倒産して清算手続きが始まると、まず会社の資産が売却され、その売却代金が債権者に分配されます。このとき、労働債権は一定の範囲内で「優先的に」支払われます。
 

会社の資産が不足している場合:未払い賃金立替払制度

未払い賃金立替払制度とは、労働者が未払いの給料を確実に受け取れるようにするために必要な重要な制度です。
 
会社が倒産し、資産が不足していて全ての労働債権を回収できない場合でも、この制度により国が一部を立て替えてくれます。
 
具体的には、労働者が未払い賃金の請求を行って認められると、国が労働者に未払い賃金の一部を立て替えて支払います。その後、国が会社の資産から立て替えた分を回収するのです。
 

2023年の倒産件数は8497件

帝国データバンクによると、2023年の倒産件数は8497件に上り、前年の6376件から2000件以上増加、増加率は33.3%となりました。これは2年連続で前年を上回り、2015年の8517件に迫る件数となりました。この増加率は、バブル崩壊後で最も高い水準です。
 
倒産の内訳を見ると「破産」が7986件と最も多く、前年から35.1%増加しました。これは2015年以来8年ぶりの高水準であり、誰もが当事者になりえることが分かります。
 

未払い給料を受け取るための手続き

未払いの給与を受け取るための手続きは以下の通りです。
 

・証明書の入手

まず、会社が倒産したことや給与等が未払いであること、その金額等に関する証明書を入手します。
 
倒産手続きの申立てがされている場合は、裁判所や管財人に申請して証明書を発行してもらい、申立てがされていない場合は、各地域の労働基準監督署に請求して、「会社が事実上倒産している」という認定通知書を発行してもらいます。
 

・確認通知書の入手

次に、労働基準監督署に申請して、給与等が未払いであることやその金額等について確認する通知書を発行してもらいます。
 

・立替払いの請求

上記の2つの書類が揃ったら、労働者保健福祉機構に未払い給与等の立替払いを請求し、審査を受けて審査を通過できれば、立替払いを受けられます。
 

・口座振込みで支払いを受ける

立替払いは口座振込みで行われます。
 

会社が倒産によって給与未払い問題が生じたら弁護士へ相談を

会社の倒産と未払い給料の問題は、弁護士や労働問題に詳しい専門家に相談することをおすすめします。弁護士は、個々の状況を詳細にヒアリングして最適な解決策を提案し、裁判所の手続きや交渉、書類の作成などのサポートもしています。
 
また、多くの弁護士は初回の相談を無料で行っていて、クライアントが自分の問題を理解し、弁護士がどのように助けられるかを評価する機会を提供しています。
 
もっとも、弁護士からのアドバイスをより具体的なものにするためには、相談前に自分の状況を明確に理解して具体的な質問を準備しておくことが重要です。
 

会社が倒産し会社の資産が不足している場合でも、労働者は未払い給料の一部を確実に受け取れる

万が一、会社が倒産した場合でも、労働者の未払い給料は「労働債権」として会社の資産から優先的に支払われます。
 
また、会社の資産が不足して全ての労働債権を満たせない場合でも、国が一部を立て替えてくれる「未払い賃金立替払制度」で労働者は未払い給料の一部を確実に受け取ることが可能です。
 
会社の倒産と未払い給料の問題は、法律的な観点から見ると非常に複雑であり、専門的な知識と経験が必要なため、もしもの際は弁護士や労働問題に詳しい専門家に相談することをおすすめします。
 

出典

帝国データバンク 全国企業倒産集計2023年報
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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