更新日: 2024.10.10 働き方
会社で高い買い物をするとき、自分のポイントカードでポイントを貯めています。これってアウトでしょうか…?
本記事では、会社のポイントを私物化する場合の注意点について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
会社のポイントを私物化すると業務上横領の可能性
まず、業務上横領とは「業務上自己の占有する他人の物を横領すること」であり、会社のお金だけではなく、会社の所有物も対象になると考えられます。
つまり、会社の買い物で発生したポイントは、会社で管理をしている場合、会社の所有物となるため、従業員が勝手に私物のポイントカードに貯めると、刑法第二百五十三条の業務上横領に該当し、「十年以下の懲役」を受ける可能性があるので注意しましょう。
一方、会社でポイント管理を行っていない場合は、私物のポイントカードに貯めたからといって必ずしも業務上横領に問われるわけではありません。ただし、この場合でも、会社に無断で私物化することは社内で問題視される可能性があるため、会社のポイントが欲しい場合は、会社に相談することが重要です。
また、会社のポイントに関しては、就業規則に帰属先が記載されている場合もあります。そのため、会社に相談する前に、まずは一度就業規則を確認しておくようにしましょう。
会社のポイントを私物化することで問題視されやすいケース
会社のポイントを私物化する場合、特に問題視されやすいケースが主に3つあります。これらのケースは、会社との信頼関係を損なう可能性が高いので注意が必要です。
法人カードや法人契約で発生したポイントを私物化するケース
会社の買い物を「法人カード」や「法人契約」で購入した場合、ポイントの所有者は「法人」であることが明確なため、従業員個人のポイントとして私物化するのは難しいでしょう。万が一、周囲にバレた場合に、社内で問題となる可能性が高いため、法人カードや法人契約で発生したポイントの私物化はしないほうが賢明です。
本来会社で管理するはずのポイントを私物化するケース
就業規則で会社がポイント管理を行うとしている場合、会社の買い物で発生したポイントは、すべて会社の財産となります。そのため、本来会社で管理するはずのポイントを私物化することは許されません。
また、会社で管理すべきポイントを私物化していたことが露呈すれば、社内での信用を失い、最悪の場合は懲戒解雇される恐れもあります。このように、会社のポイントを私物化することは大きなリスクが伴うため、安易な気持ちで手を出すと後悔する可能性があります。
大量のポイントを私物化するケース
高額商品を購入した際に発生する大量のポイントは、従業員1人が独占すると公平性が損なわれるという問題が生じます。そのため、会社がポイント管理をしていない場合でも、高額なポイントが発生するときは勝手に私物化せず、必ず会社に相談しましょう。
ポイントを私物化することで考えられるデメリット
会社のポイントを私物化すると、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
・懲戒解雇
・不当利得返還請求
・社内からの不満
会社が本来管理するはずのポイントを私物化したり、大量のポイントを長期的に私物化したりした場合、「懲戒解雇」や「不当利得返還請求」を受ける可能性があります。不当利得返還請求とは、これまで会社のポイントを私物化してきたことで得た利益分を会社に返還するように求められることです。
また、会社のポイントを私物化することは、他の社員からの不満を招く可能性もあります。そのため、会社のポイントの取り扱いが社内で特に決まっていない場合、あらかじめ社内で運用方法について決めておくことも重要になるでしょう。
会社のポイントは無断使用せず相談することが重要
会社のポイントを無断で私物化すると、懲戒解雇や不当利益返還請求のほか、最悪の場合は業務上横領に問われる可能性があるので、私物化する前に会社に相談しておくことが重要です。
特に、就業規則にポイントが会社に帰属することが明記されていたり、法人カードや法人契約で購入したポイントを私物化したりすると、社内で問題視される可能性があるため、トラブルになりたくない場合は、会社のポイントを個人使用するのは避けましょう。
出典
e-Gov法令検索 明治四十年法律第四十五号 刑法 第二百五十三条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー