更新日: 2024.07.02 働き方

ある程度の役職になると「残業代」が発生しないって本当? どんな役職だと残業代がでないの?

ある程度の役職になると「残業代」が発生しないって本当? どんな役職だと残業代がでないの?
長く働いていると、その働きぶりを認められ、管理職に昇格することもあるでしょう。しかし「管理職になると残業代が出ない」という話を聞き、昇進をためらう方もいるかもしれません。
 
今回は残業代が発生しないと言われる「管理監督者」や、課題である名ばかり管理職について解説します。役職や働き方が適正か見極めて働きましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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残業代が発生しないのは「管理監督者」

一般的に「管理職になったら残業代が発生しない」といわれますが、労働基準法における具体的な定義としては「管理監督者」があります。管理監督者に当てはまる方は、他の従業員のように労働基準法で定められた労働時間や休憩時間休日などの制限がありません。
 

規制を超えて活動する必要がある仕事の人

管理監督者は一般的な従業員よりも経営者と近しい立場にあり、労働時間の枠を超えて業務に携わらなければいけないといった定義があります。
 
いわゆる管理職と呼ばれる人たちにその役割に責任と権限がある場合は、管理監督者とみなされ残業代が発生しないこともあるでしょう。
 
具体的には、従業員の人事考課や労務管理などに対する裁量権があるパターンです。また、部下に対して指示を出せるだけでなく、企業の経営に関する話題で責任を負ったり意見を伝えたりできるかも重要なポイントです。
 

名ばかり管理職にご注意

法律上では管理監督者に当てはまる場合、残業代をはじめとした一般的な労働条件は適用されません。しかし、名ばかり管理職の場合は注意が必要です。
 
名ばかり管理職は、肩書きがついているものの、管理職としての権限が一切ない、待遇が不十分といった特徴を持ちます。なお、名ばかり管理者として当てはまる例は下記のようなものがあります。

●企業では管理監督者として扱われているものの、権限がなく賃金も他の従業員と同等
●肩書きは部長や課長だが業務内容は一般従業員と同様である
●会議で発言権や決定権がない

名ばかり管理職の場合、法律上での管理監督者と認められないことから、残業代や休日出勤の賃金を請求できる可能性があります。
 

管理職(管理監督者)にも認められる権利

残業代が発生しない管理監督者ですが、認められている権利もあります。管理監督者に対して認められる権利は下記の通りです。

●年次有給休暇の取得
●深夜残業の割増賃
●給与賞与などの適切な待遇

管理職という立場を理由に、有給休暇を取らせてもらえない、また深夜の割増賃金がついていない場合は注意が必要です。なお厚生労働省によると、深夜の割増賃金は「22時から翌日5時まで」の勤労が該当します。
 

名ばかり管理職かもと思った場合の対処法

自分が名ばかり管理職で残業代が発生せず「損をしている」と考えた場合、下記の方法で対応を行いましょう。

●企業側と交渉を行う
●労働基準監督署に相談する
●場合によっては弁護士に相談する
●要望はかなわない場合は退職も検討する

自分の働き方と待遇が見合っていないと感じたら、まず客観的事実を基に会社側と交渉を行います。企業によっては労働基準法による管理監督者の定義を理解していない可能性もあります。そのため、管理監督者の概要を伝えた上で、自身の業務内容と照らし合わせて伝えましょう。あくまで客観的な説明を行うことが大切です。
 
交渉を行っても認めてもらえない場合は、管轄の労働基準監督署に相談しましょう。
 
しかし、それでも万が一残業代が支払われなかったり、明らかにネガティブな対応が見られたりする場合は弁護士に相談することを検討しましょう。
 

管理職は定義に注意

会社の経営に関する決定権や口を出せる状況にないにもかかわらず管理職に当てはまるのであれば、残業代がもらえる可能性もあります。役職者として肩書きをつけてもらえるのはありがたいことではあるものの、適切な待遇がなされていない場合、企業と話し合い、働き方に見合った待遇を得られるようにしていきましょう。
 

出典

厚生労働省 労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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