更新日: 2024.10.10 その他家計
実家はいまだに「白熱電球」です。帰省時に「LED」に交換してあげようと考えていますが、実際、白熱電球とLED電球で“電気代”はどれくらい変わるのでしょうか?
本記事では、白熱電球とLED電球ではどのくらい電気代に差があるのかについて、購入費用も考慮して検証します。
執筆者:古澤綾(ふるさわ あや)
FP2級
LED電球とは?
LED電球(電球型LEDランプ)とは、発光部分にLEDを使用したランプのことです。LED電球は、発光ダイオードという半導体に電気を流すことで発光します。白熱電球に比べて、寿命が長く、消費電力も少ないため省エネで経済的です。
また、スイッチを入れてから点灯するまでの時間が短く、赤外線や紫外線をほとんど含まないなど、白熱電球や蛍光灯と比べて多くのメリットがあります。一方で、白熱電球に比べると製品自体の価格が高額です。
購入費用や電球の寿命を比較
白熱電球とLED電球の平均寿命と購入費用を、次の2つの製品を例に比較してみましょう。
・パナソニック シリカ電球 110V 60W形 E26口金 LW110V54W
・パナソニック パルック LED電球プレミアX 電球60形相当 LDA7LDGSZ6AN
E26の口金の場合、60Wの白熱電球なら、電球型LEDランプ全光束810ルーメン程度が同等の明るさとなります。それぞれの平均寿命と購入費用は図表1の通りです。
図表1
パナソニック公式の製品サイト、Amazonパナソニック(Panasonic)ストアより筆者作成(2024年7月30日時点)
LED電球は白熱電球に比べて寿命が長いですが、電気や電子部品は経年劣化により消耗します。一般的にLED電球の寿命は約4万時間で、使用頻度や使用時間によりますが約10年間といわれています。白熱電球の平均寿命は約1000時間です。こちらも使用頻度や使用時間によりますが、平均寿命は約3~4ヶ月といわれています。
購入費用については、セール価格などが適用されていない2024年7月30日時点のAmazonパナソニック(Panasonic)ストア内の価格で比較しています。例えば、白熱電球とLED電球をそれぞれ10年間使用した場合、製品の購入費用はそれぞれ次のようになります。
・白熱電球:722円×30回(10年間4ヶ月ごとに買い換えた回数)=約2万1700円
・LED電球:2538円×1回(10年間の買い替えはなし)=2538円
製品の購入費用を比較すると、10年間で約1万9000円の差になります。これは電球1個の比較のため、家中の電球で考えると10年間で10万円を超える差になるでしょう。
60Wの照明なら、白熱電球とLED電球の電気代の差はどのくらい?
続いて、白熱電球とLED電球の電気代も比較してみます。先ほどと同じ2種類の電球を比較した結果が図表2です。
図表2
パナソニック公式の製品サイトより筆者作成
白熱電球の消費電力は54W、LED電球の消費電力は7.4Wです。例として、白熱電球とLED電球をそれぞれ1日8時間使った場合の1ヶ月(30日とする)の電気代を計算してみましょう。
電気代は、次の式で算定されます。
・消費電力(kWh)×使用時間(h)×電力料金単価(kWh)
なお、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める、現在の電力料金の目安単価は31円/kWhです。白熱電球とLED電球の1ヶ月の電気代は次のようになります。
・白熱電球:0.054(kWh)×240(h)×31(円)=401.76円
・LED電球:0.0074(kWh)×240(h)×31(円)=55.056円
LED電球の方が白熱電球よりも1ヶ月で約350円電気代が安く済みます。製品の購入費用の際と同様に10年間で考えると、電球1個あたり10年で4万円以上の差です。
これらの結果から、電球1個あたり、LED電球の方が白熱電球よりも購入費用と電気代を合わせて、10年間で約6万円安くなることがわかりました。
まとめ
白熱電球を使い慣れていると、LED電球に交換するのが難しく感じる人もいるでしょう。しかし、LED電球は寿命が長く、省エネで点灯も早いなどメリットが多くあります。
2つを比較すると、電球10年間の電球1個あたりの購入費用と電気代を合わせた金額は、LED電球の方が白熱電球より約6万円も安くなります。電球の取り替えは高所作業となることが多く、交換するのに手間がかかるため、LED電球への交換を検討してみても良いでしょう。
出典
一般社団法人日本照明工業会 電球形LEDランプガイドブック
一般社団法人日本照明工業会 LED照明ナビ 電球形LEDランプ(LED電球)の正しい選び方
Panasonic パルックLED電球 プレミアX
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
執筆者:古澤綾
FP2級