更新日: 2024.10.10 貯金
子どもを2人大学まで出し、気付けば貯蓄は「100万円」しかない…。50歳夫婦ですが”定年までに”毎月いくらずつ貯めればいいでしょうか?
しかし年金収入のみでは生活費が足りなくなるケースもあるようです。その場合は貯蓄を取り崩しながら生計を立てる必要が出てくるかもしれません。今回のケースのように、そのことを見据えて今のうちに貯蓄しておこうと思う世帯もあるでしょう。
本記事では、老後の生活に必要とされる費用をご紹介します。また定年前に毎月いくらずつ貯蓄すると助けになるかについても解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
老後に必要な生活費は夫婦世帯で「月25万」ほど
総務省統計局が公表した「家計調査報告【家計収支編】2023年(令和5年)平均結果の概要」は、高齢者のいる世帯における1ヶ月間の収入と支出を調査しました。
同調査において「65歳以上の夫婦一組の世帯(無職世帯)」の消費支出を見ると、表1の通りです。
表1
項目 | 金額 |
---|---|
実収入 (税込み収入) |
24万4580円 |
消費支出 (賞品やサービス購入などにあてる支出) |
25万959円 |
非消費支出 (税金・社会保険料など自由にならない支出) |
3万1538円 |
実収入-実支出 | マイナス3万7917円 |
出典:総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2023年(令和5年)平均結果の概要 」を基に筆者作成
いわゆる「生活費」にあたる「消費支出」は「月25万959円」でした。単純に年ベースで考えると、301万1508円です。65歳以上の夫婦2人で生活する場合、平均的にはこの金額を負担する必要があります。
定年前に貯蓄すべき金額はいくら?
前述の同資料によると、実収入から実支出を差し引いた金額は「マイナス3万7917円」です。つまり毎月この金額の不足が発生することになります。年換算だと45万5004円のマイナスです。
仮に65歳から90歳まで2人が生きている場合、25年間で1137万5100円のマイナスが発生します。
今回のケースでは50歳から定年の65歳までに貯蓄を増やす計画であるため、15年間で1137万5100円のマイナスをカバーできる貯蓄が必要です。この場合、毎年「75万8340円」、毎月6万3195円を貯めていく必要があるでしょう。
退職金や医療費など考慮すべき要素はほかにもある
上記のシミュレーションは、単純に年金や一般的な支出を計算したものに過ぎません。実際には別の収入源があったり、突発的な出費があったりするため、総合的に老後の生活設計を立てる必要があります。
例えば退職金が1000万円もらえる場合、毎月貯蓄すべき額はもう少し低くなるかもしれません。
また大きな病気や事故、老化などによる多大な医療・介護費が発生することで、毎月のマイナス額がより大きくなる可能性もあります。
そもそも前述の家計調査報告の平均収入・支出のバランスと、自身の家計のバランスとが大きく懸け離れているケースもあるでしょう。そのため家庭の現状を一度洗い出し、退職金や将来の大きな支出を見越した、余裕のある生活設計を立てることが重要といえます。
老後生活には50歳から毎月約6万3000円の貯蓄が必要
平均収支バランスを計算すると、おおよそ毎月3万7917円の不足が発生する可能性があります。そのため50歳から不足分を貯蓄する場合、65歳まで毎月約6万3000円貯める必要があるでしょう。
ただし各世帯において収支状況は異なるほか、将来受け取るかもしれない退職金や、急に発生するかもしれない支出の存在もあります。
そのため貯蓄額に上限を設けず、可能な範囲で多めに貯蓄していくことを意識すると無難かもしれません。
出典
総務省統計局 家計調査報告【家計収支編】2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー