エアコンの「冷房」と「ドライ」で電気代に差はありますか?「1ヶ月つけっぱなし」の場合はどちらがお得なのでしょうか?
配信日: 2024.09.05 更新日: 2024.10.10
この記事では、エアコンの「冷房」と「ドライ」を1ヶ月間つけっぱなしにした場合の電気代を比較しています。さらに、両方の仕組みや使い分けについても解説しているため、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
エアコンの「冷房」と「ドライ」の違い
まず「冷房」と「ドライ」の違いを見ていきましょう。両者の目的は温度を下げることですが、温度を下げる仕組みが異なっています。
「冷房」は冷風を吹き出し、部屋の熱を排出して温度を下げる仕組みです。「ドライ」は一般的に、弱冷房方式と再熱除湿方式の2種類があります。弱冷房方式の場合は、弱い冷房運転で空気を冷やして室内の空気の湿度を下げます。再熱除湿方式の場合は、温度を下げて湿度を下げた空気を暖めなおして吹き出す仕組みです。
弱冷房方式は弱く冷房を付けている状態なので、「冷房」と比較すると消費電力が少ない傾向があるようです。再熱除湿方式は、弱い冷房で空気の湿度を下げた後に空気をあたためているので、「冷房」と比較すると消費電力が高くなるといわれています。
「ドライ」にはほかにも、ハイブリッド方式とリニアハイブリッド方式があります。温度を下げて湿度を下げた空気に、部屋の空気を混ぜて吹き出す仕組みです。
エアコンの「冷房」と「ドライ」を1ヶ月間つけっぱなしにした場合にかかる電気代
実際に、エアコンの「冷房」と「ドライ」を1ヶ月間つけっぱなしにした場合にかかる電気代を計算していきます。1日24時間1ヶ月間つけっぱなしとし、電気代単価は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している31円/キロワットアワーと仮定します。
電気代を求めるときは、以下の式を使用します。
・消費電力量(ワット)÷1000×使用時間×電気単価(円/キロワットアワー)
始めに、「冷房」を1ヶ月間つけっぱなしにした場合の電気代です。今回は、580ワットのエアコンの「冷房」を使用したとします。
次に、「ドライ」を1ヶ月間つけっぱなしにした場合の電気代です。今回は、600ワットのエアコンの「ドライ(再熱除湿方式)」を使用したとします。
計算結果を、表1にまとめました。
表1
1日あたり | 1ヶ月あたり | |
---|---|---|
冷房 | 約432円 | 約1万2960円 |
ドライ | 約446円 | 約1万3380円 |
差額 | 約14円 | 約420円 |
※筆者作成
表1から、電気代は「ドライ」の方が高くなる可能性があることが分かります。
ただし今回は「ドライ」の中でも再熱除湿方式を使用したと仮定していますので、電気代が高くなったと考えられます。
エアコンは設定温度やモードにより消費電力が大きく異なります。そのため、一概に「ドライ」の方が「冷房」よりも電気代が高くなるとはいえないでしょう。エアコンは製造会社や商品によっても消費電力が変わりますので、参考程度にしてください。
エアコンの「冷房」と「ドライ」の使い分け方
「冷房」と「ドライ」は、以下を目安に使い分けるとよいでしょう。
●真夏の時期などの室温が高いとき
●帰宅後すぐで室内が暑いとき
●梅雨時期など、空気中の湿度が高く不快感があるとき
●冷え性の方で室内の温度を一定の温度で保ちたいとき
●気温が低いとき
おもに夏の時期には「冷房」を使用して、梅雨時期や気温が低いときは「ドライ」を使用すると、快適に過ごせる可能性があるでしょう。
エアコンの「冷房」と「ドライ」を1ヶ月間つけっぱなしにしてもそれほど電気代に差はない
エアコンの「冷房」と「ドライ」を1ヶ月間つけっぱなしにした場合にかかる電気代は、「冷房」で約1万2960円、「ドライ」で約1万3380円かかる可能性があることが分かりました。感じ方は個人により異なりますが、差額420円程度なので電気代にそれほど大きな差はないと考えられます。
しかし、消費電力の少ない「ドライ」の弱冷房方式であれば、「冷房」よりも節約効果が大きくなる可能性もあるため、「ドライ」が一概に電気代が高いとはいえないでしょう。
また、「冷房」は気温が高いときに使用し、「ドライ」は梅雨時期など湿度が高いときに使用すると快適に過ごせる可能性があります。エアコンを使用するときにどちらを使用するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
出典
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー