小学生の息子の友達が家によく遊びに来ます。両親が「共働き」で18時まで帰らないそうですが、共働きでないうちが珍しいのでしょうか?

配信日: 2024.10.12

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小学生の息子の友達が家によく遊びに来ます。両親が「共働き」で18時まで帰らないそうですが、共働きでないうちが珍しいのでしょうか?
かつての日本では、男性が働きに出て女性は家庭を守るという考え方がありましたが、現代では夫婦共働きのスタイルが増えています。本記事では、共働き世帯と片働き世帯の世帯数の推移を紹介するとともに、それぞれのスタイルにおけるメリット・デメリットを解説します。
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共働き世帯と片働き世帯の世帯数の推移

厚生労働省が公表している「令和5年版 厚生労働白書」によると、共働き世帯と片働き世帯(男性雇用者と無業の妻からなる世帯)の世帯数の推移は表1のとおりです。
 
表1

共働き世帯数 片働き世帯数
2022年 1262万世帯 539万世帯
2021年 1247万世帯 566万世帯
2020年 1240万世帯 571万世帯
2019年 1245万世帯 582万世帯
2018年 1219万世帯 606万世帯
2017年 1188万世帯 641万世帯
2016年 1129万世帯 664万世帯
2015年 1114万世帯 687万世帯
2014年 1077万世帯 720万世帯
2013年 1065万世帯 745万世帯

出典:厚生労働省「令和5年版 厚生労働白書」を基に筆者作成
 
2018年ごろから、共働き世帯は片働き世帯の倍以上いることが分かります。
 

共働きのメリット・デメリット

ここでは、共働きのメリット・デメリットを紹介します。
 

メリット

共働きをする大きなメリットは、収入の増加です。1人で働くよりも2人で働く方が世帯収入が増え、家計にゆとりが生まれます。収入が増えれば生活の質が向上するとともに、住宅ローンの返済や子どもの学費、老後の資金準備などの長期的な目標に向けた資産計画も立てやすくなるでしょう。夫婦のどちらか一方がフルタイムで働きながら収入アップを目指すのもひとつの手段ですが、短期間での収入アップは難しいうえに増加額にも限界があります。
 
一方、夫婦2人で働けば、短期間でまとまった収入アップが望めるため、目標に早く到達できるようになるでしょう。共働きであれば、日々の生活費でゆとりが生まれた分を効率よく貯蓄に回せるケースもあるため、家族の将来に対する安心感が増すことも期待できます。また、収入源が2つあれば、リスクの分散にもつながります。どちらかの収入が減ったり途絶えたりしても、すべての収入がなくなるわけではないため、経済的に困難な状態に陥りにくいと考えられるでしょう。
 

デメリット

収入が増えることが大きなメリットとして挙げられる共働きですが、生活面でデメリットが発生する場合もあります。夫婦どちらもフルタイム勤務している場合、仕事と家庭の両立が難しくなり、家事や育児の分担でトラブルが発生するケースがあるでしょう。どちらか一方に負担が偏ってしまうと疲労やストレスがたまり、仕事に影響をおよぼすリスクもあります。
 
親や親戚が近くに住んでいれば、家事や育児をサポートしてもらえるかもしれません。親族からの支援が望めない場合は、保育施設や家政婦サービスの利用を検討しましょう。
 

片働きのメリット・デメリット

ここでは、夫婦どちらか一方が働く生活スタイルのメリット・デメリットを紹介します。
 

メリット

夫婦どちらか一方が働くスタイルには、配偶者控除の適用により税金が軽減されるメリットがあります。扶養は「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類です。税法上の扶養では、対象となる配偶者が扶養に入ると扶養している側の税金が一定額軽減されます。
 
また、「社会保険上の扶養」では、扶養されている方が個別で健康保険料や年金保険料を支払う必要がないため、生活費の負担が軽くなるでしょう。働いている側が厚生年金に加入していれば、扶養されている側は国民年金の第3号被保険者として扱われ、保険料は第2号被保険者全体で負担します。つまり、働いている側の保険料が増加することもありません。
 

デメリット

どちらか一方が働くスタイルだと、将来受け取る年金額が少なくなる可能性があります。専業主婦(主夫)は、社会保険の第3号被保険者として国民年金に加入するため、老齢基礎年金は受け取れますが、老齢厚生年金の上乗せがない場合、全体の受給額も少なくなってしまいます。共働きで夫婦2人とも厚生年金保険料を納めた場合と比較すると、受け取れる年金額は大幅に減少する可能性があるでしょう。
 

共働き世帯は2018年ごろから片働き世帯の倍以上に増えている

近年、共働き世帯は増加傾向にあり、2018年ごろからは片働き世帯の倍以上にまで増えています。生活費の増加や老後の資産確保などを考え、多くの家庭が共働きを選択していると考えられます。
 
共働きが一般的なスタイルになりつつありますが、それぞれ異なる状況に置かれている家庭が適切に生活を送れるよう、働き方のスタイルを考えることが大切です。
 

出典

厚生労働省 令和5年版厚生労働白書 -つながり・支え合いのある地域共生社会- 第2部 現下の政策課題への対応 第1章 子どもを産み育てやすい環境づくり 図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移(149ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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