更新日: 2024.10.13 家計の見直し

家計管理をしっかりと行いたいけど、毎月家計簿をつけるのは続かず挫折してしまいます。面倒くさがりな私でも家計管理を行える方法はありますか?

家計管理をしっかりと行いたいけど、毎月家計簿をつけるのは続かず挫折してしまいます。面倒くさがりな私でも家計管理を行える方法はありますか?
家計の見直しをしたいと考えていても、家計簿をつける時間がなく面倒なので無理だ、とあきらめている人もいることでしょう。実際筆者のもとに相談に来る人のなかでも、「家計簿をつけないと家計管理はできない」と考えている人は多いです。そこで今回は、家計簿をつけずにできる家計管理方法を解説します。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

家計管理の基本は年間で考えることです

毎月家計簿をつけている人が相談に来ると、「先々月は黒字だったのですが、先月は赤字でした。」といったような報告をされます。確かに家計簿をつけていると毎月が赤字か黒字かは気になります。しかし、実は、家計管理に毎月の赤字黒字の判断は不要です。
 
家計管理は月単位ではなく年単位で把握するのが基本です。これは、家計管理を大きくとらえ、基本となる「年単位」での把握をすることで、数年先の家計管理も把握する方法です。
 
例えば、小さなお子さんをお持ちの人にとっては、家計管理は数年先までの管理が必要です。お子さんの成長とともに教育費がかかるためです。
 
幼稚園(保育園)入園、小学校入学、中学、高校、大学……といったイベントにともなう将来の家計の把握のために、基本となる今の年単位での家計を把握し、数年後にどのようにその支出が変化していくのかを考えるヒントにするのです。
 

家計簿が月単位の理由と月単位の把握では足りない理由

家計簿が月単位なのは、家計管理において1ヶ月が1番小さな単位で収支の把握がしやすいからです。
 
サラリーマンを例に挙げると、毎月1回給料が入ります。その給料をもとに1ヶ月間、生活をしていくわけです。大きな出費(旅行や電化製品等の購入、入院など)がない限り、日々の生活は大きく変わりません。そのため、月単位で家計の把握できるのであれば、年間の予測がつくわけです。
 
しかし、「月単位の把握×12ヶ月=年単位の把握」というように、単純にはならないことが多いです。その理由は、
 

●賞与がある
●長期休暇がある
●家具家電の買い換えがある
●旅行に行く

 
などです。
 
このように少し考えただけでも、非日常とまではいかないものの、1年のうちには、臨時の収入や支出があるものです。そのため、1ヶ月ごとの家計の把握だけでは足りない部分があるといえます。
 
こういった臨時の収入や支出を把握したうえで、年間にどれだけお金を残せたか・増やせたかを把握することが、家計管理の基本なのです。
 

年間にどれだけお金を残せたか・増やせたかの管理方法

家計管理は「年間にどれだけお金を残せたか・増やせたか」の把握をすれば良いのです。家計簿にあるような「食費」「水道光熱費」「日用品費」「塾代」など、内容は必要ありません。入ってきた金額と使った金額をまとめて把握できれば大丈夫です。
 
やり方は次の通りです。
 
(1)月末に自分名義(配偶者名義や子名義も管理しているのであれば配偶者名義や子名義も含む)の通帳すべてについて、記帳を終わらせます。
 
(2)すべての通帳について、月末の残高をノート等に記入します。パソコンの表計算ソフトで管理するのも良いのですが、とっさにパソコンを立ち上げなくても今の残高を手軽に確認することができるので、手書きで管理する方が便利です。また、高齢になればなるほど、手書きで書いておくと、家族に今の残高を伝えやすく、終活にもつながります。
 
(3)上記(2)を翌月以降も行います。それにより、前月と当月の差額が「お金を残せたか増やせたか」の把握となります。これを続けていくことで、月ごとに「お金を残せたか増やせたか」の傾向が見えてきます。
 
また、
 

●8月は毎年長期休暇で実家に帰るため、これぐらいしかお金が残せない
●6月と12月はボーナスのある月だから、こんなに多くお金が残せている

 
というような臨時の収入・支出についても把握できるでしょう。
 
このように、月末の通帳の残高を把握するだけで、「年間にどれだけお金を残せたか・増やせたか」は簡単に把握できます。
 

まとめ

毎月末の残高をノートに記入する、それだけを1年続けていくことでその年の収支が分かり、さらに続けていけば年ごとの収支が把握しやすくなります。「家計簿をつけていないから家計管理ができない」と思っている人は、ぜひ、やってみてください。
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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