70歳の父が「ジム通い」を開始!「運動不足だと医者代が高くなる」とのことですが、長い目で見れば運動ってコスパは良いのでしょうか?

配信日: 2024.10.13 更新日: 2024.10.15

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70歳の父が「ジム通い」を開始!「運動不足だと医者代が高くなる」とのことですが、長い目で見れば運動ってコスパは良いのでしょうか?
親が高齢になると健康が心配になりますが、ジム通いは本当にコスパが良いのでしょうか?
 
本記事では、高齢者の健康維持における運動の重要性と、ジムにかかる費用と医療費を比較検証し、効率的に健康を維持する方法を解説します。

高齢者の健康維持には運動が鍵

年齢を重ねると筋力や体力が衰え、けがや病気のリスクが高まります。また、外出や運動の機会も減ってしまいがちです。運動不足になると、生活習慣病などの発症リスクが増大したり、心筋梗塞や脳卒中などの命の危険のある疾患にもかかりやすくなったりします。
 
厚生労働省の資料によると、定期的な運動習慣を持つ高齢者は、運動をしない高齢者に比べて死亡のリスクが3割程度低下するとされています。つまり、高齢者にとって運動習慣を持つことは、健康維持に欠かせないといえるでしょう。
 

ジムの費用と医療費の比較

では、運動することで本当に医療費を節約できるのでしょうか? 一般的なジムの月会費は、ジムの規模により異なりますがおよそ5000円~1万円前後でしょう。近年全国的に増えているコンビニ感覚で使用できるジムなら3000円前後、公営のジムであればもっと安く利用できることもあります。
 
一方、70代以上の平均医療費は、厚生労働省が公表している「令和3(2021)年度 国民医療費の概況」によると、年間82万4500円、75歳以上は92万3400円となっています。
 
このうち自己負担額を計算すると図表1のようになります。
 
図表1

年間自己負担医療費 月額自己負担医療費
70歳以上(2割計算) 16万4900円 1万3741円
75歳以上(1割計算) 9万2340円 7695円

令和3(2021)年度 国民医療費の概況 より筆者作成
 
図表1のとおり、70歳以上の自己負担分の医療費の平均は1万3741円、75歳以上は7695円となります。ただし、これはあくまで平均であり、実際に脳卒中などの大きな病気にかかってしまうと、それ以上の治療費や入院費などがかかってきます。
 
ジムの料金を比較すると、運動を習慣化することで将来の医療費を抑える可能性が十分にあると感じます。
 
さらに、運動は医療費の削減だけでなく、生活の質を向上させる効果も期待できます。筋力がつくことで転倒リスクが減り、結果的に介護やリハビリ費用も抑えられるかもしれません。
 

ジム以外の運動でも健康維持はできる

健康維持や病気のリスクを避けるために、運動は欠かせませんが、ジムに通わなくても運動習慣は作ることができます。
 
厚生労働省が推奨している、死亡リスクの低下が期待できる運動量は「3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上」とされており、わかりやすく言うと「毎日40分以上の身体活動」「毎日 6000歩以上」です。
 
これは、毎日のウォーキングや、椅子を使ったスクワット、手軽なダンベル運動など、特別な設備がなくても気軽に取り組むことができます。
 
さらに、最近ではYouTubeで見られる軽いトレーニング動画も充実しています。無理をせず、少しずつ体を動かす習慣を身に付けることが、長期的な健康維持につながります。
 
ジムや自宅、近所の公園など、自分に合った方法で楽しく運動を続けることが、将来の医療費削減と健康維持に大いに役立つでしょう。
 

出典

厚生労働省 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 高齢者版
厚生労働省 令和3(2021)年度 国民医療費の概況
 
執筆者:渡邉志帆
FP2級

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