更新日: 2024.10.21 働き方

扶養内で働くママ友は「月2万円」も家族手当をもらっているようです。わが家はもらえていないのですが、企業の平均支給額はどのくらいなのでしょうか?

扶養内で働くママ友は「月2万円」も家族手当をもらっているようです。わが家はもらえていないのですが、企業の平均支給額はどのくらいなのでしょうか?
通勤手当や扶養手当などの「手当」を支給する企業もありますが、中には法的に規制されていないものもあります。その中には、家族がいれば支給される「家族手当」というものがあります。
 
今回は、家族手当について説明していきます。
吉野裕一

執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

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家族手当は企業の判断で支給

家族手当とは、配偶者や子どもなど扶養されている家族がいる場合に、支給される手当です。法的に定められているものではないので、導入は企業の判断によります。
 
したがって、仮に知人が働いている企業では支給されていても、別の企業では支給されないというケースも、多々あるでしょう。また、支給要件も企業によってさまざまなので、個別に企業の就業規則などで手当の有無や支給額を確認する必要もあります。
 
一般的には、配偶者や子どもがいる場合に支給されるケースが多いようですが、同居している両親がいれば支給対象になるケースもあるようです。配偶者に収入がある場合には、年収の額などの支給要件を設けている企業もあるようです。
 
人事院が令和5年に発表した「民間給与の実態」では、家族手当を支給している企業は調査対象企業の75.5%となっています。さらに配偶者にも家族手当を支給している企業のうち、配偶者の収入による制限がある企業は、87.4%となっています。
 

家族手当は収入に合算される

今回は記事タイトルにて「扶養の範囲内で働いているママ友」のケースを取り上げましたが、家族手当は、収入と合算することになります。扶養の要件の範囲内である収入を上回る場合には、扶養から外れることになります。
 
例えば、所得税の扶養の基準は年収103万円以下(月額約8万5800円)なので、2万円の家族手当を受けている方の場合は、収入は多くて月額約6万5800円ではないかと思われます。
 
社会保険の扶養の場合は、企業の規模によっても、所得要件が変わってきます。その際はほかの要件もありますが、従業員の人数が51人以上であれば、年収が106万円(月額8万8000円以上)ある場合は社会保険の扶養から外れて、本人が社会保険に加入することになります。
 
また、企業の従業員数が50人以下であれば、年収が130万円(月額10万8000円)以上ある場合に社会保険の扶養から外れることとなります。
 

家族手当の平均支給額

続いては、家族手当が実際にどれくらい支給されているのか調べてみました。支給額は企業によってまちまちですが、厚生労働省が発表している令和2年度の「就労条件総合調査」によると、平均額は1万7600円となっています。
 
企業の規模が大きくなるほど、支給額も多くなる傾向があるようで、従業員数が1000人以上の企業では2万2200円、300~999人では1万6000円、100~299人では1万5300円となっています。
 
今回のケースは、比較的規模の大きい企業のものではないかと考えられます。また前項でも説明したように、配偶者の収入を要件としている企業は多いものの、今回の「扶養の範囲内で働いているママ友」というケースにおいては、収入の制限もないのではないでしょうか。
 

家族手当は縮小や廃止傾向に

最近では働き方の多様化により、共働きや単身世帯も増えていることで、家族手当の見直しが進んでいるようです。
 
また2024年10月からは、社会保険の加入要件の拡大も始まり、配偶者が扶養の範囲で働くために就業を制限することも考えられます。その結果、家族手当の廃止や縮小をしてその分を基本給に入れることで、就業時間の制限をせず働ける環境を作っていく流れもあるようです。
 

まとめ

家族手当は企業の判断で制度化されていることもあり、企業によっては家族手当がないことや「扶養手当」「子ども手当」など別の名称となっていることもあります。支給額も企業によってまちまちなので、ママ友が受給しているからといって、自分の企業でも受け取れるとはかぎりません。
 
また最近では、働き方の多様化や社会保険の加入要件の拡大などにより、縮小や廃止を検討している企業も多いようです。
 

出典

人事院 民間給与の実態(令和5年職種別民間給与実態調査の結果)
国税庁 家族と税
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
厚生労働省 令和2年就労条件総合調査 結果の概況
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー

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