更新日: 2024.10.24 働き方

フルタイムのパートで働いているママ友。正社員になった方が「手取り」は多いですよね?メリットはあるのでしょうか?

フルタイムのパートで働いているママ友。正社員になった方が「手取り」は多いですよね?メリットはあるのでしょうか?
パートとして雇用されながら、フルタイムで勤務する「フルタイムパート」。労働時間が長い分、収入が通常のパートよりも多くなりやすい点などが特徴です。
 
しかし、正社員の収入には及ばない印象を持っている方もいるでしょう。「それなら、正社員になった方がいいのでは?」と感じる方もいるかもしれません。そこで今回は、フルタイムパートと正社員の手取りの差や、フルタイムパートとして働くメリットをご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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フルタイムパートと正社員の手取りの差

フルタイムパートの手取りを計算するにあたって、条件を以下に設定します。

・給与形態:時給制
 
・賃金:1113円/時間(東京都の令和5年度の最低賃金時間額)
 
・労働時間数:167時間/月(厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」より、従業員10名以上の企業に勤める正社員・正職員の平均所定内実労働時間)

この場合のフルタイムパートの年収は、次の式から計算可能です。

・1113円×167時間×12ヶ月=223万452円

ここから税金や社会保険料などが引かれ、手元に残るのは75~85%程度とされます。したがって、フルタイムパートの年間手取りは、167万2839円~189万5884円ほどと予測できるでしょう。
 
一方、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、従業員10名以上の企業に勤める正社員・正職員の平均所定内給与額は、月33万6300円です。なお、所定内給与額とは労働契約などで定められた支給条件・算定方法によって支給された現金給与額から、超過労働給与額を引いた額を指します。
 
したがって、1年間で受け取れる所定内給与額の総額は403万5600円、手取りに換算すると、302万6700円~343万260円となります。
 
以上より、東京都の最低賃金で雇用された場合のフルタイムパートの予測手取り額は、正社員よりも113万816円~175万7421円低いと考えられるでしょう。また、賞与などの手当においても、パートよりも正社員・正職員の方が手厚い企業もあると推測できます。したがって、実際の手取りの差はさらに大きい可能性があります。
 
ただし、ご紹介した各金額は、勤め先の規模や立地、労働者の学歴などによって変動する点にご注意ください。
 

フルタイムパートの2つのメリット

予測年収が正社員よりも低いと聞くと、フルタイムパートが働き損に感じるかもしれません。しかし、フルタイムパートには正社員とは異なる利点もあります。この章では、フルタイムパートのメリットを2点ご紹介します。
 

大きなノルマや責任を課されにくい

正社員は、将来的な管理職への昇進などを期待され、ノルマの重い仕事などを任されることもあるでしょう。一方、フルタイムパートが管理職に昇進する可能性は低いとされるため、責任の範囲も限られる傾向にあるようです。
 
したがって、精神的な負担は正社員よりも軽いと考えられます。
 

ワークライフバランスを取りやすい

正社員に比べ、フルタイムパートは仕事の範囲が限られるため、残業や休日出勤も少ない傾向があります。「通常のパート以上の収入は欲しいが、家族との時間も確保したい」などのニーズを満たしやすいといえるでしょう。
 
また、予定の見通しが立ちやすいことで、内職なども掛け持ちしやすいと考えられます。正社員の副業は禁止されている企業でも、パートなどの非正規社員に限っては認められるケースもあるとされるため、複数の仕事に携わりたい方などの選択肢にもなるでしょう。
 

フルタイムパートは正社員よりも自由度が高い傾向にある

東京都の最低賃金で雇用された場合のフルタイムパートの予測手取りは、年間167万2839円~189万5884円ほどです。正社員・正職員の平均所定内給与額と比較すると、110万円~180万円程度少ないことになります。
 
一方、フルタイムパートのメリットには、正社員に比べて任される仕事や責任の範囲が限られ、時間的制約も緩い傾向にあることなどが挙げられます。したがってフルタイムパートは、通常のパート勤務と、正社員勤務の間を埋めるような勤務形態といえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
政府統計の総合窓口(e-Stat) 厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 雇用形態別 表番号1 雇用形態、学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 正社員・正職員計
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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