更新日: 2024.10.28 その他家計
30代で年収600万円、パート勤務の妻と3歳の子がいます。お小遣いは月3万円で飲み会代も込みなので、正直厳しいです。みんなこれくらいですか?
毎月のお小遣いが月3万円で、飲み会などの外食代は自分で払っているそうで、「もう少しあるといいな」と思っています。お小遣いは、平均でいくらくらいなのでしょうか?
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
気になる「みんなの懐事情」
デフレの頃は“ワンコイン弁当”などで昼食を済ませることもできましたが、最近の値上げラッシュは会社員にも大きな打撃を与えています。世間は賃上げに向かっていますが、街の意見は「まだ実感がない」「物価高に追いついていない」といったところでしょうか。
株式会社 SBI 新生銀行が行った「2024年 会社員のお小遣い調査」(調査時期:2024年4月、調査対象者:会社員(正社員・契約社員・派遣社員)、パート・アルバイト2718名)によると、男性会社員で20代が4万373円、30代が3万6196円、40代が3万6086円という結果で、いずれも昨年の金額を下回っているそうです。
年代別に見ると、30代になって家族ができたので家計の割り振りが変化したこと、さらに40代になると子どもが成長して教育費などの負担が増えたことによって、お小遣いが減少していることが想像できます。
Aさんも、「後輩のほうが飲み会の回数が多くぜいたくをしているのでは?」と感じているかもしれません。独身であれば、すべてを自分のお小遣いにして使うことも、将来のために貯めることも自由自在です。
ここは月3万円のお小遣いでは厳しい現状を奥さまに伝えるとともに、夫婦で家計のやりくりを考える機会にしてはいかがでしょうか。
お小遣いをアップするためには、家計全体を俯瞰することが必要です。ご自分のお小遣いをアップしたことで、家計が赤字になったり、将来のための準備ができなくなったりしては困ります。
そこで気になるのは、「一般的な家計はどのような割合で使っているのか」ということでしょう。総務省統計局が5年ごとに公表している、「全国家計構造調査」をもとに作成したのが図表1です。
(図表1)
もちろん各家庭により、お金の使い方はさまざまです。“食材にこだわりたい”“教育費は削らない”などのポリシーがあるでしょう。
ですが、「わが家は外食の割合が多いので、少し回数を減らそう」というように、家計を見直すときの参考になります。食費の節約には賛否両論ありますが、例えば“水筒を持ち歩く”などは実践しやすいかもしれません。
実際は「たいした節約にはならない」かもしれませんが、生活習慣が少し変化することに期待したいです。
夫婦でライフプランのことを話している?
共働き家庭が一般的になりました。そこで耳にするのが、「配偶者のお給料や貯蓄額を知らない」という話です。
B子さんは銀行に、彼女の夫は証券会社に勤めています。ともに30代で、子どもはいません。お互い相手の資産などは知らないし、いわゆる“お金の話”をすることもないそうです。
お金に関心があるはずの、金融リテラシーの高そうな2人なのに「大丈夫か?」と心配になります。それぞれに家計の分担があり問題なく生活しているのでしょうが、やはり情報の共有は必須と話しましたが、ハードルは高そうでした。
Aさんも、毎月の家計の見直しだけでなく、将来のライフプランについても夫婦で話し合ってほしいです。
「子どもの将来は?」「2人目の子どもは?」「妻の働き方は?」など、夫婦間でも考え方や希望は違っているでしょう。日頃は仕事や子育てで話す機会がないかもしれませんが、放置していると乖離の可能性もあります。
無理に一方に合わせる必要はありませんが、それぞれの描くライフプランを持ち寄ってみませんか。お小遣いの値上げ交渉を皮切りに、お互いの言い分や思いを知っておくことは大切だと考えます。
出典
株式会社SBI新生銀行 2024年 会社員のお小遣い調査
総務省統計局 2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果(2021年(令和3年)2月26日)
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士