隣の市の小学校が「朝7時」から登校可能に! わが子の学校も「早朝登校」が可能なら、フルタイムで働けて家計が助かるのですが、「小1の壁」対策になるのでしょうか…?
配信日: 2024.10.30
例えば、早朝保育や預かり制度のある保育園・幼稚園と、小学校の登校時間とではギャップがあり、子どもの朝の居場所がなくなってしまうのです。そこで一部の自治体では、早朝登校や早朝の校門開放が始まっています。
本記事では早朝登校とはどのような制度なのか、メリット・デメリットについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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早朝登校とは
小学校の多くは、登校時間を朝8時以降に設定しています。早朝預かり制度がない学童も多く、朝早く出勤しなければならない保護者にとって、朝の子どもの居場所がないという深刻な問題に直面してしまいます。放課後の居場所問題も含め、子どもが小学校に進学し、子育てと仕事の両立が難しくなることを“小1の壁”などと呼びます。
小1の壁問題に直面した保護者の多くは、仕方なく親が先に家を出て子どもに家の鍵を閉めさせたり、時短勤務にしたりといった工夫をしています。子どもが小学校に進学するタイミングで仕事を辞めざるを得なかったという人もいるでしょう。
この“小1の壁”を解決するため、一部の自治体では朝7時から子どもを学校へ受け入れる早朝登校という取り組みが始まっています。
早朝登校は、警備員や見守り員などの人員を配置し、朝7時から子どもが小学校に登校できる仕組みです。早朝登校を利用した児童は本来の登校時間まで小学校の体育館や学童などの施設で過ごします。
ただ取り組みは一部の自治体・学校のみであり、まだまだ広まっていないのが現状です。希望者が多ければ、取り組みをしようと考える学校もあるかもしれません。
早朝登校のメリットは
早朝登校の最大のメリットは、子どもの朝の居場所が確保され、保護者が安心して仕事を続けられる点といえるでしょう。
短い時間とはいえ子どもを家に1人にするのは心配ですし、時短勤務にすると収入の減少が心配になります。早朝登校は、朝早く家を出なければならない共働き世帯が抱える悩みの解決策であると言えますね。
早朝登校は受け入れ側の人員確保が課題
小学校の早朝登校はメリットだけではありません。もちろんデメリットも存在します。まず挙げられるデメリットは、人員確保です。早朝から小学校を開門するためには、登校してきた児童を見守る大人が必要になります。
仮に朝7時から教員が対応するとなれば、教員自身に大きな負担がかかります。ただでさえ問題視されている教師不足に拍車がかかりかねません。
また、早朝登校は子どもの負担が懸念されます。朝7時に登校するためには、6時台に起床し身支度を整えて家を出る必要があります。放課後に学童保育施設を利用すると考えると、10時間以上学校で過ごす児童もいるでしょう。
保育園とは違い、小学校はお昼寝の時間がありません。子どもへの負担や影響を考えると早朝登校は良い制度とは言い切れないかもしれません。
早朝登校が広まるには課題が多い
小1の壁の解決策の一つである小学校の早朝登校。子どもが小学校に入学しても保護者が働き方を変える必要がなく、家庭の収入を維持できると喜ぶ人がいる一方で、人員の確保や子どもの負担などの問題があり、一部の自治体でしか行われていないのが現状です。
時短勤務からフルタイムになれば収入が上がるため、「小学校の登校時間があと30分早ければ……」と思ってしまう気持ちも分かります。時短勤務ができるのは未就学児がいる場合のみと定められている企業もあり、子育てと仕事の両立に悩む保護者も多いでしょう。
要望が多ければ早朝登校を実施する自治体もあるかもしれません。学校や教育委員会などに声を挙げるのも1つの方法です。しかし全国的に早朝登校が広まるには、まだまだ課題が多いと考えられます。
出典
豊中市(大阪府) 午前7時からの小学校の校門開放
大磯町(神奈川県) 朝の子どもの居場所づくり事業
文部科学省 「教師不足」に関する実態調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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