更新日: 2024.11.08 その他家計
引っ越しで家賃の安い物件を見つけましたが、プロパンガスしか使えないようです。「都市ガス」から「プロパンガス」の物件に引っ越すとガス代はどのくらい違うのでしょうか?
都市ガスの物件からプロパンガスの物件に引っ越す際、ガス代の変化を事前に把握することで、家計の見通しや支出増への対策を立てやすくなります。
そこで本記事では、都市ガスとプロパンガスの料金の違いや、ガス代を節約する方法について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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都市ガスとプロパンガスの料金システムの違い
都市ガスとプロパンガスは、料金システムが異なります。
●プロパンガス
プロパンガスは自由料金制が採用されていて、販売店が料金を自由に設定できるため金額には差があります。ただし、過剰に料金を安くすることは少なく、価格競争が避けられ、近隣エリアで一定の相場が形成されることで、高い水準が維持されているといわれています。また、プロパンガスは配送などの供給コストがかさむため、都市ガスよりも料金が高くなる傾向があります。
●都市ガス
都市ガスは従来、規制料金制が採用されていましたが、2017年に撤廃され(ガスの小売全面自由化)、自由料金制に移行しました。そのため、都市ガス会社は料金を自由に設定できるようになりました。しかし、規制料金制の時代から料金を大きく変更する会社は少なく、料金は低めに設定される傾向があります。
都市ガスとプロパンガスのガス代の違い
販売店や契約プランによって異なりますが、基本的に都市ガスやプロパンガスのガス代は「基本料金」と「従量料金」で構成されています。
基本料金はプランに応じて定額で発生する料金で、従量料金はガスの使用量に応じて変動し、「使用量(立方メートル)×従量単価」で計算されます。そのため、ガスの使用量が増えるほど、従量料金も高くなります。
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会によれば、東京都における都市ガスとプロパンガスのガス代の相場は図表1のとおりです。
【図表1】
東京都 | 都市ガス(東京ガス) | プロパンガス(平均価格) |
---|---|---|
基本料金 | 960円 | 1720円 |
従量料金(10立方メートル使用時) | 3122円 | 5754円 |
合計料金 | 4082円 | 7474円 |
※価格は税別
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会「東京都のプロパンガスと都市ガスの料金比較」をもとに筆者が作成
図表1のとおり、プロパンガスは都市ガスに比べて約1.8倍の料金になっています。また、大阪においても、都市ガスは4527円ですが、プロパンガスは7567円で約1.6倍の差があります。
ガス料金を節約する方法
ガス料金の主な節約方法は、以下のとおりです。
・お湯の使用量を減らす
・追いだきの回数を減らす
・設定温度を下げる
・必要なときだけ使用する
・コンロの火力や使用量をおさえる
・ガスファンヒーターなどの温度を低めにする
・シャワーの使用時間を短くする
・ガス会社を変更する
・料金プランを見直す
例えば、経済産業省 資源エネルギー庁の「無理のない省エネ節約」によると、45度のシャワーの使用時間を1分間短くするだけで、年間でガスの使用量を12.78立方メートル削減でき、約2070円節約できると試算されています。
さらに、ガスコンロでお湯を沸かす際、約20度の水1リットルを強火ではなく中火で沸騰させることで、年間約2.38立方メートルのガスを削減でき、約390円の節約になるとされています(1日3回沸かす場合)。
このように、日常生活のちょっとした工夫や意識でガス代を節約可能です。
プロパンガスは都市ガスより割高な傾向があるので節約を心掛けよう!
プロパンガスと都市ガスでは料金に差があり、プロパンガスのほうが割高な傾向があります。
ただし、シャワーの時間を短縮したり、追いだきの回数を減らしたり、必要なときだけ使用したりするなどのちょっとした工夫や意識でガス代を節約することは可能です。節約を心掛けることで、ガス代の差がそれほど大きくならないこともあります。
プロパンガス物件に引っ越す予定がある場合は、ガス代が高くなることを踏まえて、事前に家計のシミュレーションを行っておきましょう。
出典
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会 プロパンガスと都市ガスの料金比較
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 無理のない省エネ節約
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー