妻と2人の娘がいる40歳の会社員。「手取り30万円」ですが、住宅ローンの返済などで消えていき、貯金がまったくできていません。40歳で「貯蓄ゼロ」の家庭はめずらしいでしょうか…?
配信日: 2024.11.09
本記事では、世帯主が40歳代である家庭における貯蓄額の状況や、40歳から老後に備えて貯蓄を始めた場合に、どの程度の資産を用意できるのかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
世帯主が40歳代である家庭の26.8%が「貯蓄0円」
金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査」の2023年の結果によると、世帯主が40歳代の家庭における貯蓄額の状況は図表1の通りです。貯蓄0円の家庭は26.8%と、約4世帯に1世帯の割合で、決して珍しいことではありません。
図表1
区分 | 割合 |
---|---|
0円(金融資産非保有) | 26.8% |
0~100万円未満 | 9.6% |
100~200万円未満 | 8.9% |
200~300万円未満 | 4.9% |
300~400万円未満 | 5.7% |
400~500万円未満 | 3.8% |
500~700万円未満 | 7.4% |
700~1000万円未満 | 5.6% |
1000~1500万円未満 | 7.4% |
1500~2000万円未満 | 3.5% |
2000~3000万円未満 | 5.3% |
3000万円以上 | 6.5% |
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年) を基に筆者作成
手取り30万円では毎月の支出の後、貯蓄まで行うことは難しい
世帯主が40歳代の家庭は、手取り30万円で貯蓄できるのでしょうか。総務省統計局が実施した家計調査の2024年8月の結果によると、40~44歳の住居費を除く1ヶ月あたりの平均的な支出額は図表2の通りです。家庭環境や生活水準にもよりますが、これに加えて住宅ローンまで支払うと、月々の手取り額の範囲で貯蓄することは難しいと考えられます。
図表2
費目 | 月額 |
---|---|
食料 | 9万9853円 |
光熱・水道 | 1万9802円 |
家具・家事用品 | 1万2540円 |
被服及び履物 | 1万1468円 |
保健医療 | 1万2223円 |
交通・通信 | 3万9843円 |
教育 | 1万5124円 |
教養娯楽 | 4万6272円 |
その他の消費支出 | 4万4365円 |
合計 | 30万1490円 |
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年8月を基に筆者作成
40歳から貯蓄を始めれば65歳までに2000万円以上になる可能性も
月々の貯蓄が難しいものの、このまま貯蓄0円では老後の生活が不安に感じられるでしょう。ボーナスや児童手当などを貯蓄に回す、副業や、配偶者が仕事を始めるなどして収入を増やす、節約して支出を抑えるなどによって、まずは貯蓄できる収支バランスを整えましょう。
そこでなんとか余剰のお金(2~4万円)を生み出し、それを元本として、40歳から65歳まで25年間運用した場合、運用利回りを年率5%で計算した結果は次の通りです。
●月2万円の場合:元本600万円+運用益591万円=1191万円
●月3万円の場合:元本900万円+運用益887万円=1787万円
●月4万円の場合:元本1200万円+運用益1182万円=2382万円
40歳からでも2000万円以上の資産を作れる可能性があります。
家計を見直し、少しずつでも貯蓄を始めて将来に備えよう
世帯主が40歳代の家庭において貯蓄0円という家庭は、約4世帯に1世帯の割合で存在し、珍しいことではありません。また、手取り30万円で、かつ住宅ローンの返済まで行っている家庭の場合、月々の貯蓄はかなり難しいと考えられます。
月々だけではなく年間で貯蓄できる収支バランスを整え、捻出したお金を運用するなどして、少しずつでも将来に備えてお金の準備を始めましょう。
出典
知るぽると 金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年8月
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー