更新日: 2024.11.23 その他家計

夫がアルコール度数9%の缶チューハイに「月9000円」も使います。「居酒屋に行くより安い」と主張していますが、健康面も心配です。毎日飲み続けて大丈夫でしょうか…?

夫がアルコール度数9%の缶チューハイに「月9000円」も使います。「居酒屋に行くより安い」と主張していますが、健康面も心配です。毎日飲み続けて大丈夫でしょうか…?
自宅でお酒を楽しむときに、缶チューハイを選ぶ人も多いでしょう。缶チューハイは比較的安く購入できるものですが、家族が毎日のように缶チューハイを飲んでいる姿を見ると、健康面が気になりますよね。アルコール度数が高いとなおさら心配になるでしょう。
 
本記事では、缶チューハイを頻繁に飲むことが、家計と健康にどのような影響を与えるかについて解説します。

缶チューハイと居酒屋にかかるコストを比較

毎日缶チューハイを飲んでいる場合、どれくらいのコストがかかるのでしょうか。毎日2本飲む場合を例にして考えてみましょう。
 
アルコール度数9パーセントの350ミリリットル缶を1本160円とすると、毎日2本飲む場合は1日の出費は320円となります。これを1ヶ月(30日)続けると9600円、1年間(365日)続けると、合計で11万6800円です。
 
一方、居酒屋に行った場合にかかる費用はどれくらいでしょうか。新生銀行グループが2024年に行った調査によると、1ヶ月あたりの外での飲み代の平均は、男性会社員で1万3553円、女性会社員で9791円です。1年間に換算すると、男性は約16万2600円、女性は約11万7400円です。
 
なお、同調査によると、1回あたりの外での飲み代の平均額は男性会社員6219円、女性会社員5007円です。男性会社員は月2.18回程度、女性会社員は月1.96回程度外に飲みに行っている計算になります。
 
こうして比較すると、確かに外で飲むよりも、缶チューハイを家で飲むほうが金銭的には安いといえるでしょう。またお酒が好きな人にとっては、月2回程度の外飲みよりは、「毎日」家で缶チューハイを飲めるほうがうれしい、と思う人もいるかもしれません。
 

缶チューハイに含まれるアルコール量と健康リスク

缶チューハイに含まれるアルコール量について確認してみましょう。純アルコール量(グラム)は、「摂取量(ミリリットル)×アルコール度数(パーセント)×0.8(アルコールの比重)」という計算式で求められます。
 
例えば、アルコール度数9パーセントの350ミリリットル缶チューハイの場合、350ミリリットル×0.09×0.8=25.2グラムの純アルコールが含まれています。毎日2缶飲むと、1日で50.4グラムのアルコールを摂取しているということになります。
 
研究によると、男性が1日に20グラム以上のアルコールを摂取し続けた場合、大腸がんや出血性脳卒中、前立腺がんなどの発症リスクが高まるとされています。家庭内で夫が缶チューハイを毎日2缶飲んでいると、1日のアルコール量は50グラムを超えるため、病気のリスクを高めてしまうことが分かるでしょう。
 
また、毎日大量に飲酒すると、アルコール性肝炎やすい臓病といった深刻な健康問題を引き起こす可能性が高まり、さらにメタボリックシンドローム、うつ、認知症などと関連があることも分かっています。こうした病気のリスクを抑えるためには、飲酒の量と頻度に注意が必要です。
 

飲みながら健康を守るために

健康リスクを抑えるために、まずは飲酒量を見直すことが重要です。厚生労働省は「節度ある飲酒」を呼びかけており、1日あたり20グラム以下のアルコール摂取を目安としています。350ミリリットルの缶チューハイであれば、1日1缶程度に減らすのが理想的です。
 
また、週に2日は「休肝日」を設けることが推奨されています。肝臓を休ませ、体への負担を減らすようにしましょう。
 

健全な飲酒量を目指そう

缶チューハイを毎日飲むことは、確かに外に飲みに行くことよりも安く済むかもしれません。ただ、飲酒する日数や飲酒量が多いほど、また、アルコール度数が高いほど、健康に悪影響を及ぼす可能性が高まります。厚生労働省が示している飲酒量にとどめましょう。
 
アルコール度数9パーセントのお酒であれば、350ミリリットル1缶が目安です。さらに休肝日を設けることで、肝臓が休まり節約にもつながります。少しずつ飲酒量を適量に近づける努力をし、家計にもやさしく健康的な生活を送ってくださいね。
 

出典

新生銀行グループ 「2024 年会社員のお小遣い調査」結果について
厚生労働省 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン
 
執筆者:山田麻耶
FP2級

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