更新日: 2024.12.02 働き方

自転車通勤の同僚が、通勤手当「月3000円」の通勤手当を受け取っていると聞き驚き!「電車」や「バス」でなくとも、交通費は受け取れるのでしょうか?

自転車通勤の同僚が、通勤手当「月3000円」の通勤手当を受け取っていると聞き驚き!「電車」や「バス」でなくとも、交通費は受け取れるのでしょうか?
自宅から勤務先までの通勤でかかる費用を、「通勤手当」として会社から支給されている人は多いでしょう。通勤手当は、労働者が通勤にかかる経済的な負担を軽減し、遠方から通勤してくる人でも安心して通勤できる環境を整える目的で支給されています。
 
車通勤の場合は、ガソリン代としてこの通勤費用を充てることになりますが、燃料のかからない自転車の場合でも、通勤手当をもらうことは妥当なのでしょうか。本記事では、通勤手当と自転車通勤の関係について解説していきます。
渡辺あい

執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)

ファイナンシャルプランナー2級

通勤手当は必ずもらえるの?

通勤手当とは、自宅と会社の通勤で発生する費用に対して、会社側が一部あるいは全部を補助する目的で支給している手当金です。
 
この通勤手当は、労働基準法では「賃金」の一部とされています。その理由として、「通勤」は労働時間ではないものの、労働のために必要な時間であるため、通勤に必要な費用は「労働の対償」として支払われるのが妥当と考えられるためです。
 
ただし、意外に思う人もいるかもしれませんが、実は使用者(会社側)は労働者の通勤手当に関して法律上の支払い義務はありません。「賃金」の一部として支払われるものの、あくまでも、通勤手当は使用者から労働者に対する「福利厚生」の1つなのです。そのため、会社によっては通勤手当がなかったり、雇用形態によって支給が異なったりするケースもあります。
 

自転車でも通勤手当は出るが、虚偽の申告はアウト?

自転車での通勤は、通勤手当の対象となるのでしょうか。国税庁では、「通勤手当」の規定上で、通勤手当の支給対象者を「マイカー」と「自転車」の通勤者と表記しています。そのため、自転車も交通費がでる通勤手段の1つであると解釈できるでしょう。
 
ただし、先ほども解説した通り、通勤手当は法律で支払い義務があるわけではなく、あくまでも会社の規定によるものです。会社が独自に「自転車通勤者に交通費は支払わない」と規定している場合は、支給されないこともあります。
 
また電車やバスを利用する場合、通勤手当はその交通費や定期代の全額あるいは一部を支給されていることが多いでしょう。会社によって通勤手当の支給は異なりますが、マイカー利用と公共交通機関利用では、通勤手当の支給額や計算方法が異なることもあります。
 
いずれの場合も会社は社員が申請した通勤手段に対して手当てを支給しています。つまり電車通勤と申請しておきながら、実は自転車や車で通勤していた場合は、悪意を持って電車の定期代を受け取っていたことになるので、「詐欺罪」になる可能性もあります。
 
ただし、「けがをして家族に車で送ってもらった」、「寝坊したから自転車で行った」など1ヶ月のうち数日程度、車や自転車で通勤したとしても、社会通念上は許容されると考えられますが、こちらも会社の規定によるので、イレギュラーなケースが起きたときの対応について、会社とあらかじめ相談しておくと安心でしょう。
 

通勤手当は非課税になる

通勤手当は「賃金の一部」として支給されますが、一定基準の範囲内であれば、所得税は非課税扱いとなります。その理由は、通勤手当は通勤に必要な費用の実費を補填(ほてん)してもらっているもので、労働者の純粋な労働による「所得」とは性質が異なるからです。
 
マイカー・自転車などを使用して通勤している人の非課税となる1ヶ月あたりの限度額は、片道の通勤距離に応じて定められており、1ヶ月あたりの非課税となる限度額を超える場合は、超えた分が給与として課税されます。公共交通機関利用の通勤者も同様に、非課税の上限を超えると、超えた分が課税対象となります。
 

まとめ

自転車通勤は通勤手当の対象として認められることが一般的だと考えられますが、通勤手当そのものが会社の支払い義務でないため、自転車が通勤手当の対象となるかは会社の規定によります。
 
あとから「自転車は通勤手当の対象とならない」などともめないためにも、通勤手当の申請時には会社の規定をよく確認し、はっきりとした記載がない場合は、自転車で通勤することを会社に相談しておくのが無難でしょう。
 

出典

国税庁 No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当
国税庁 No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当
厚生労働省 通勤手当について
 
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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