冷蔵庫とは別に「冷凍庫」を買いたいので探していますが、なぜ冷凍庫は「上開き」タイプが多いのでしょうか? 電気代が安いのですか?
配信日: 2024.12.03
本記事では、上開き型冷凍庫が主流である理由を具体的なコストの観点から解説します。また、縦型との比較や、それぞれの購入価格・電気代の相場についても詳しく説明します。冷凍庫選びで後悔しないためのポイントを把握して、家計に優しい選択をしましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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なぜ冷凍庫は「上開き型」が主流なのか?
冷凍庫が「上開き型」を中心に展開されている理由には、コスト面や効率性が関係しています。
まず、購入価格についてですが、上開き型冷凍庫は縦型(前開き)冷凍庫に比べて構造がシンプルなため、製造コストが抑えられやすいのが特徴です。その結果、販売価格もリーズナブルになる傾向があります。
容量100リットル程度の冷凍庫を比較すると、上開き型は3万円前後で購入できる一方、縦型(前開き)冷凍庫は5万円程度になる場合が多いです。価格差があり、比較的手軽に購入できる点が上開き型の魅力といえるでしょう。
また、上開き型が主流となっている理由には、冷気が逃げにくいという構造的な特性も挙げられます。冷気は重いため、上開き型冷凍庫ではふたを開けても冷気が下部にとどまりやすく、庫内温度の上昇を防ぎます。
これにより、冷凍効率が高まり、結果として省エネ性能が向上します。一方で、縦型(前開き)の冷凍庫はドアを開けると冷気が外に流れ出やすい傾向にありますが、収納ケースを引き出しにすることで冷気の漏れを抑えた商品もあります。
こうした冷却効率の違いに加え、上開き型は収納スペースを有効活用できる点も評価されています。同じ容量でも、縦型(前開き)の冷凍庫に比べて底面まで使える設計が多いため、食品を大量に保存したい場合には特に便利といえるでしょう。
電気代はどれくらいかかる?
冷凍庫を使用する際の電気代は、機種の省エネ性能や冷却効率によって異なります。また、上開き型か縦型(前開き)かで電気代が変わるのではなく、消費電力によって電気代が変わります。
経済産業省資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2023年版」によると、冷凍庫の平均年間消費電力量は図表1のとおりです。また、電気料金を公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている、31円/kWhで計算すると、年間の電気代を求められます。
図表1
容量 | 消費電力 | 年間の電気代 |
---|---|---|
100L以下 | 183kWh/年 | 5673円 |
101~150L | 328kWh/年 | 1万168円 |
151~200L | 308kWh/年 | 9548円 |
201~250L | 301kWh/年 | 9331円 |
301L以上 | 506kWh/年 | 1万5686円 |
出典:経済産業省資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2023年版」をもとに筆者作成
コストを抑えた冷凍庫選びのポイント
冷凍庫を選ぶ際には、初期費用とランニングコストのどちらも考慮する必要があります。以下のポイントを参考に選びましょう。
1.購入価格を確認する
家計を意識する場合、初期投資を抑えることも重要です。上開き型冷凍庫は縦型(前開き)に比べて一般的に安価な傾向がありますが、具体的な価格差は機種や容量によって異なります。
2.ランニングコストを計算する
長期間使用する家電だからこそ、電気代の積み重ねが大きな影響を与えます。
冷凍庫の電気代は容量や機種によって大きく異なり、図表1によると100L以下の小型冷凍庫では年間約5673円、301L以上の大型冷凍庫では年間約1万5686円になります。購入前に年間消費電力量を確認し、自身の電気料金単価で計算してみましょう。
3.自分のライフスタイルに合うものを選ぶ
冷凍食品を頻繁に出し入れする場合、縦型(前開き)の利便性が大きなメリットになります。一方で、大量保存をメインに考える場合は、上開き型のほうが効率的です。ただし、冷却方式(ファン式や直冷式)によっても特性が異なるため、それぞれの特徴を把握して選ぶことが重要です。
まとめ
上開き型冷凍庫は、購入価格が3万円前後と手頃です。一方、縦型(前開き)冷凍庫は価格が高めですが、整理しやすく日常使いに適しています。冷凍庫を選ぶ際には、コスト面だけでなく用途や設置スペースも考慮し、自分のライフスタイルに合った最適なタイプを選びましょう。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ2023年版
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー