更新日: 2024.12.05 その他家計
単身赴任中だけど、自炊をして食費を「3万円」に抑えたい! 妻に「冷凍野菜のほうがコスパがいい」と言われましたが、栄養が少ないのではないでしょうか…?
しかし一方で、冷凍野菜は生野菜に比べて「コストが高い」「栄養価が少ない」といったイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、コストや栄養価の生野菜との比較や、冷凍野菜を使うメリットについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
野菜の種類によっては冷凍のほうが安いものもある
冷凍野菜と生野菜の価格を比較すると、冷凍野菜のほうが必ずしも高いというわけではなく、野菜によっては冷凍のほうが安い場合もあります。ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃを例に、100グラムあたりの価格をまとめると図表1の通りです。なお、生野菜の価格は廃棄率を加味した価格としています。
図表1
生野菜 | 冷凍野菜 | |||
---|---|---|---|---|
A社 | B社 | C社 | ||
ほうれん草 | 172円 | 76円 | 103円 | 115円 |
ブロッコリー | 133円 | 70円 | 100円 | 100円 |
かぼちゃ | 66円 | 75円 | 82円 | 90円 |
総務省統計局 小売物価統計調査(2024年10月)および各種ネットスーパーの実際の価格(2024年11月19日時点)より筆者作成
かぼちゃは生野菜のほうが安いですが、ほうれん草やブロッコリーは冷凍野菜のほうが安いことが分かります。このように野菜の種類によって安い場合があるので、ここに記載のない野菜も購入するときに値段を比較してみると良いでしょう。
栄養素を比較すると水溶性の栄養素は生野菜に比べて失われている
次に栄養素の面で冷凍野菜と生野菜を比較してみましょう。ほうれん草を例として、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」における、100グラムあたりの栄養素の比較は図表2の通りです。
図表2
生ほうれん草 | 冷凍ほうれん草 | |
---|---|---|
ビタミンA(μg) | 350 | 390 |
ビタミンC(mg) | 35 | 19 |
ビタミンE(mg) | 2.3 | 2.2 |
カリウム(mg) | 690 | 210 |
カルシウム(mg) | 49 | 87 |
葉酸(μg) | 210 | 120 |
食物繊維(g) | 2.8 | 3.3 |
文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023より筆者作成
冷凍のほうが大きく減っている栄養素とそうでない栄養素に分かれます。この違いは栄養素が水溶性かどうかが影響しています。ほとんどの冷凍野菜は、冷凍前に野菜をお湯や蒸気にくぐらせる「ブランチング」と呼ばれる処理が行われます。これにより水溶性の栄養素は水に溶け出してしまうため、生野菜よりも栄養量が減ってしまうのです。
冷凍野菜を使用することのメリット
今回のケースのように、単身赴任で一人暮らしをしている人にとって、冷凍野菜の利用には次のようなメリットがあります。
調理が簡単で時短になる
冷凍野菜は加工の段階で食べられない部分を取り除き、そのまま使える形や大きさにした野菜を冷凍しています。家で調理するときに包丁を使う必要がなく、洗い物も少なくできるので、時短調理につながります。
食品ロスを減らせる
使いたい分だけ取り出して、残りは冷凍庫にしまっておけるので、野菜を腐らせてしまう心配がありません。最後まで使い切ることができ、食品ロスを出すこともなく経済的です。
価格や品質が安定している
冷凍野菜は旬の時期に収穫し、産地近くで加工されるのが一般的です。そのため、価格や品質が年間を通して安定しており、特に生鮮野菜が高騰したときに冷凍野菜は家計の助けになります。
料理に時間がかけられなかったり、生野菜を買ってきても使いきれずに捨ててしまっていたりするのであれば、冷凍野菜を使うメリットがあると言えるでしょう。
冷凍食品のメリット・デメリットを理解して利用を検討しよう
栄養面では、特に水溶性の栄養素について、生野菜のほうが優れていることが分かりました。一方で、コストの面では冷凍のほうが安い野菜もあることに加え、時短調理や必要な分だけ利用できることによる食品ロス削減など、冷凍野菜の利用にはメリットがあります。
単身赴任中は料理の時間をゆっくり取れない場合も多いと思いますので、これらのメリットも考慮して、冷凍野菜の利用を検討してみましょう。
出典
一般社団法人 日本冷凍食品協会 品目別国内生産量・金額
文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
総務省統計局 小売物価統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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