1人暮らしで毎日「シャワー」のみです。友人に「毎日お湯につかったほうがいい」と言われたのですが、水道代を考えるとそう大きな“メリット”にはならないですよね…?
配信日: 2024.12.07
しかし、水道代やガス代を考えると、浴槽にお湯をためることが本当に得策なのか疑問に思う人もいるかもしれません。本記事では、シャワーだけの場合と浴槽にお湯をためる場合のコストや健康効果を比較し、それぞれのメリットとデメリットを考えてみます。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
毎日シャワーにすることでいくら節約できる?
シャワーだけで済ませる場合と、浴槽にお湯をためる場合でどれくらい水道代やガス代が違ってくるのでしょうか? それぞれ計算してみましょう。
シャワーと浴槽にお湯をためる場合の水道代の違い
東京都水道局によると、シャワー1分間に使う水(お湯)の量は約12リットルです。つまり、シャワーを5分使う人なら60リットル、10分なら120リットル、15分なら180リットル使うことになります。
一方、一般的な浴槽にためられるお湯の量は180リットルです。シャワーの場合、15分以内であれば浴槽より水を節約できることが分かります。
東京都23区の上水道料金は1立方メートル(1000リットル)あたり128円(メータ口径20ミリメートル、11~20立方メートルの従量料金)、下水道料金は同じく110円(9~20立方メートルの従量料金)です。この数字を基に計算すると、1リットルあたり0.238円のコストがかかります。
シャワーを使う場合と浴槽を使用した場合の水道代は以下の通りです(1ヶ月を30日とした場合)。
・シャワー5分:約14.3円(1ヶ月約428円)
・シャワー10分:約28.6円(1ヶ月約857円)
・シャワー15分:約42.8円(1ヶ月約1285円)
・浴槽にためた場合:約42.8円(1ヶ月約1285円)
浴槽に水をためずにシャワー10分で済ませれば、月に約428円水道代を節約できます。
シャワーと浴槽にお湯をためる場合のガス代の違い
次にお湯にするためのガス代を計算します。今回は20度から40度に水温を上げるケースを考えますが、ガス代は以下の計算式で求められます。
上昇温度×水の量÷(発熱量×発熱効率)×ガス代単価
今回はガス単価を1立方メートル(1000リットル)あたり153.96円(東京ガス「ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)料金」表B表11月検針分)、発熱量を1立方メートルあたり1万750キロカロリー、発熱効率を80%とすると、それぞれのガス代は以下の通りです。
・シャワー5分:約21.5円(1ヶ月約644円)
・シャワー10分:約43.0円(1ヶ月約1289円)
・シャワー15分:約64.4円(1ヶ月約1933円)
・浴槽:約64.4円(1ヶ月約1933円)
シャワー10分で済ませられれば、浴槽にお湯をためたときと比較してガス代だけで1ヶ月間で約644円、水道代と合わせると約1072円節約できます。1年間では約1万2864円となり、節約効果としては十分な金額といえるでしょう。
入浴とシャワー、身体への効果の違い
入浴の効果は、いろいろ言われるところですが主に以下の3つが期待できるとされています。
・温熱作用により血流が良くなり、疲労回復や肩こりの軽減が期待できる
・浮力作用によって身体が軽く感じられ、筋肉の緊張がほぐれる
・副交感神経が優位な状態となりリラックス効果を得られる
ほかにも、就寝の1~2時間前くらいの入浴は快眠の効果がある、浴槽入浴の頻度が高いほど要介護認定のリスクが少ないといったデータ(千葉大学大学院の研究より)があることなど入浴のメリットは多いことが分かっています。
毎日シャワーばかりで疲れが取れない人は、たまには入浴を取り入れてみるのも良いかもしれません。
節約と健康効果、どちらを選ぶ?
お湯をためずにシャワーで済ませることの節約効果は決して小さくありませんが、健康面では入浴のメリットが大きいのも事実です。毎日お湯につかることは難しくても、疲れがたまっているときには入浴するなど、体の調子に合わせると良いでしょう。
節約と健康のバランスを考え、自分の生活スタイルや優先したいポイントに合ったほうを選んではいかがでしょうか。
出典
東京都水道局 節水にご協力を
東京都水道局 水道料金・下水道料金の計算方法(23区)
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士