母が一日に何度も「やかん」でお湯を沸かしてお茶を飲みます。ポットにお湯をためておいた方が節約になりませんか?
配信日: 2024.12.14
例えば、お茶を飲むたびにやかんでお湯を沸かしている場合だと「ポットでお湯を沸かしてためておいた方が楽だし節約になるのでは?」と思うこともあるかもしれません。
本記事では、やかんとポットそれぞれでお湯を沸かす場合のコストを算出するとともに、それぞれのメリットとデメリットもご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
ポットでお湯を沸かしてためておく場合のコスト
まず、電気ポットを使ってお湯を沸かす場合の電気代を確認してみましょう。電気ポットの電気代を計算するには、以下の式を使用します。
消費電力(キロワット)×使用時間×電気料金単価(円/キロワットアワー)
例えば、湯沸かし時の消費電力が700ワット(0.7キロワット)で、容量2.2リットルの電気ポットを使用した場合の電気代を計算してみましょう。沸騰までの時間は約25分、電気料金単価は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が目安としている31円/キロワットアワーを使用します。
0.7キロワット×約0.417時間×31円/キロワットアワー=約9円
上記の電気ポットだと、水からお湯に沸騰させるのに約9円かかりますが、ポットにお湯をためておく場合は、さらに、保温にかかる電気代の計算も必要です。電気ポットの保温にかかる消費電力は、公開していないメーカーが多いため、目安として「35ワット」を使用しましょう。例えば、12時間保温した場合は約13円となります。
沸騰時の電気代と保温時の電気代を合計すると約22円ですが、ポットの場合は、時間がたつと再沸騰が必要になる場合があるため、その場合はもう少し電気代がかかることになるでしょう。
やかんでお湯を沸かす場合のコスト
次に、やかんをガスコンロにかけてお湯を沸かす場合のガス代を計算してみましょう。ガスコンロのガス代は以下の式を使って計算できます。
出力(キロワット)×3.6メガジュール/アワー×時間÷ガスの発熱量(メガジュール/立方メートル)×ガス料金(円/立方メートル)
今回は、都市ガスの発熱量45メガジュール/立方メートル、ガス料金は東京ガス株式会社ガス料金表一般契約料金B表より130.46円/立方メートルを使用して計算していきます。例えば、強火4.20キロワットのガスコンロを使って、お茶1杯分(200ミリリットル)のお湯を沸かすのに約1分かかるとして計算すると、以下の通りです。
4.20キロワット×3.6メガジュール/アワー×約0.0167時間÷45メガジュール/立方メートル×130.46円/立方メートル=約0.73円
仮に、1日のうちに上記の電気ポットと同じ量である2.2リットルのお湯を沸かすとした場合、200ミリリットルのお湯を11回沸かすことになるため、約8円のガス代がかかります。ポットでお湯を沸かしてためておくより、やかんでその都度お湯を沸かした方が14円ほど安くなる可能性があります。
やかんとポットそれぞれのメリット・デメリットは?
やかんとポットどちらを使ってお湯を沸かした方がお得なのかは、1日にお茶を飲む回数にもよるでしょう。また、それぞれのメリット・デメリットを確認したうえで選ぶことをおすすめします。
まず、やかんは少しのお湯を沸かしたいときも、たくさんの量のお湯を沸かしたいときも対応しやすいでしょう。ただし、保温ができないのでお湯が必要になるたびに沸かす必要があります。ガスコンロを使用する際に、空焚きや火の消し忘れが発生するおそれもあるため、特に高齢者には心配な部分もあるかもしれません。
一方、電気ポットは保温機能が備わっていて、保温温度の設定が可能なものもあるため、好きなタイミングで好みの温度のお湯を使えるというメリットがあります。やかんで沸かすより光熱費が高くなる可能性がある点はデメリットですが、お湯を使う頻度が多い場合はポットの方が楽に使用できるでしょう。
保温にも電気代がかかるのでやかんよりポットの方がコストがかかる可能性がある
1日に何度もお茶を飲むのであれば「その都度やかんでお湯を沸かすよりも電気ポットで沸かして保温状態にしておく方が安く済むのでは?」と思うこともあるかもしれません。
しかし、ポットは保温にも電気代がかかるため、やかんで沸かすよりもコストがかかる可能性があります。
やかんとポット、それぞれのメリットとデメリットを比較したうえで、どちらが合っているかよく考えてみるとよいでしょう。
出典
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A Q カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
東京ガス株式会社 ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通) 東京地区等 一般契約料金 B表 基準単位料金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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