アルバイトを始めようとしたら「パート扱いになります」と言われた50代です。アルバイトとパートは違う意味なのでしょうか?
配信日: 2024.12.14
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
アルバイトとパートの法的な定義は?
「アルバイト」と「パート」は法律上での定義は同じです。「アルバイト」や「パートタイマー」など名称や呼び方が違う場合でも、「1週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用されている正社員と比べて短い労働者」はすべて「パートタイム労働者」として扱われます。
アルバイトは、学生が授業料や生活費を稼ぐために仕事をすることを「アルバイト」と呼んでいたのが始まりのようです。一方、パートはフルタイムの対義語であり、空いた時間に働くことを指した「part-time(短時間労働)」が使われるようになりました。
アルバイトとパートは法的には同義ですが、企業が独自で使い分けをしていることもあります。
アルバイト・パートと正社員の違い
アルバイト・パートは同じ意味ですが、正社員と大きく違うのが労働時間です。正社員はフルタイム(労働基準法により1日8時間・週40時間など)ですが、アルバイト・パートはシフト勤務など正社員より労働時間が短い場合がほとんどです。
また、正社員は無期雇用ですが、アルバイト・パートは有期雇用のケースもあります。このような違いはありますが「同一労働同一賃金」の導入により、正社員とアルバイト・パートの間で不合理な待遇差の解消が目指されるなど、給料や待遇面での不平等が是正されてきました。
ただし、アルバイト・パートで働くメリットもあります。アルバイト・パートで働くメリットの一つが「時間の融通が利く」という点です。働く曜日や時間の調整ができるため、家庭の事情など都合に合わせて働くことができます。
また、未経験やブランクがある場合でも、採用される可能性が正社員採用よりは高く、働き始めるハードルも低いことから、都合のいい曜日や時間に働きたい方はあえてアルバイトやパートで働く選択肢もあります。
50代から働き始める際の注意点
パートタイム労働者と正社員では賃金に大きな差があります。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、50~54歳の正社員・正職員の平均賃金は39万4300円となっていますが、正社員・正職員以外の平均賃金は22万2200円という結果でした。働き始める際には、社員とパートでは給料に大きな差がある点に注意が必要です。
定年年齢である60歳からは老後の生活がスタートします。金融広報中央委員による「(参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」では、金融資産保有世帯における50代の金融資産保有額は平均が1773万円、中央値が700万円です。
子どもが独立してお金を貯めやすくなる年代でもあるため、金融資産が少ない場合には老後に向けた準備の一環として、働き方も意識する必要があります。
50代からの働き方のポイント
アルバイト・パートで働き始める前に知っておきたいポイントをご紹介します。株式会社マイナビが発表した「2024年9月度 アルバイト・パート平均時給レポート」によると、全国平均時給は1266円となっており、25ヶ月連続で増加し、2ヶ月連続で最高金額を更新しています。
職種では「エンジニア・サポート・保守」が1653円と最も高く、「医療・介護・保育」が1546円、「イベント・キャンペーン」が1405円と続きます。
一方、「配送・引っ越し・ドライバー」の求人件数の増加率が前年9月と比較して1.76倍となり、時給も1331円と最高額を今年に入って4回も更新しています。
しばらく仕事から離れていてブランクが気になる方や、なかなかパート・アルバイトが決まらない方は、「配送・引っ越し・ドライバー」のように求人件数が増加している分野を選んでみてはいかがでしょうか。
50代からの働き方は慎重に
「アルバイト」「パート」の働き方や法的には同じ意味ですが、企業によっては使い分けをしているケースもあります。また、50代から働き始める前に老後のプランなどを検討し、生活に合わせた働き方を検討してみましょう。
出典
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況(12ページ)
金融広報中央委員会 知るぽると(参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー