雑誌で「食費月3万円」の家族を見て驚き! わが家は5人家族で「月10万円」はかかります。小学生の子ども3人ですが、高すぎるでしょうか? 見切り品を買って節約しているのですが…
配信日: 2024.12.24
物価高の影響で、家計における食費の割合が大きくなっていませんか? 日々見切り品などを購入していても、かさむ食費にため息が出てしまいますよね。
雑誌などで「1ヶ月の食費が3万円」という家庭が紹介されているのを見て、うまくいかない節約に心が疲弊してしまうことも。しかし、5人家族で月10万円の食費は本当に高すぎるのでしょうか。
本記事では、平均的な食費について解説するとともに、10年前からの食費の推移をもとに、5人家族が目指すべき食費の額について検証します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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5人家族で月10万円の食費は高いのか?
総務省の家計調査報告によると、2024年10月における2人以上の世帯の食料支出は8万9730円(平均世帯人員2.88人)でした。これを踏まえると、5人家族で月10万円の支出は、決して高すぎるわけではないということが分かるでしょう。
2014年の食費の月平均は6万9926円であったことを考えると、この10年間で約28%食費が増加したことになります。これほどまでに増えている背景には、物価が全体的に上がっていることが関係しているといえます。
オリーブオイルや小麦粉など輸入品の値段が上がったり、天候の影響で野菜の価格が高騰していたりと、買い物にかかる費用が増えているのが現状です。体感として、3000円で買える食材の量が、10年前と比べると少なくなっていると感じる人もいるのではないでしょうか。
5人家族の食費の現状
家族が多いと、それだけ食費がかかると考えてもいいでしょう。また、日々節約を意識していたとしても、10年前には食費がほとんどかかっていなかった赤ちゃんが、今では10歳となり、成長期を迎えているのです。育ちざかりなら、食べる量が大人と同量、もしくはそれ以上になることも珍しくありません。
小学生の子どもが3人ともなれば、こうした家族の成長に伴う食費の増加は、とても自然なことです。むしろ成長する子どもたちに必要な栄養をしっかりと与えるための、健全な支出ともいえるでしょう。
子どもたちが家でしっかりと食事をとってくれるこの時期は、人生の中でも限られた貴重な時間ともいえます。食費が高すぎると感じるのであれば、金額だけに目を向けず、家族で食卓を囲むことに価値を見出すのもいいかもしれません。
5人家族が目指すべき食費の額
とはいえ、家計に直結する食費をむやみに増やすわけにはいきません。5人家族となると、家計の中で食費が占める割合は重要なポイントになります。
そこで、食費の目安として活用されるのがエンゲル係数です。エンゲル係数は消費支出に占める食料費の割合で、以下のように求めることができます。
エンゲル係数=食料費÷消費支出×100
2024年10月の調査では、2人以上の世帯のエンゲル係数は29.3%でした。2024年1月~8月は28%で、年平均と比較すると1982年以来の高い水準となっています。
例えば、月の消費支出が35万円の場合、エンゲル係数が2024年10月の平均である27.9%であれば食費の目安は約9万8000円です。このことから分かるように、この世帯ならば月10万円の支出は、ごく平均的といえます。
家計にエンゲル係数を当てはめて計算し、平均よりも多いのであれば家族の健康を優先しつつ、外食を控える、食品ロスを減らす、といった工夫をしてみてはいかがでしょうか。
一方で、エンゲル係数が高く出る理由には、収入に対する食費の割合が大きいことが挙げられます。収入が増えない中で物価が上昇していたり、収入が減少していても食費を減らせていない、などの場合に高く出る傾向があります。
特に5人家族では、前述の通り子どもの成長に伴い、食べる量が増えることも要因の1つになります。そのため、エンゲル係数を参考にしながらも、無理のない範囲で食費を設定することが重要です。
まとめ
月10万円の食費に対して、「高すぎるのでは」と感じることもあるかもしれませんが、決してそうではないということが分かっていただけたでしょうか。物価の上昇や家族構成の変化を考えれば、数年前と比較して増加していくことは当然ともいえるのです。
雑誌の記事と比較して落ち込んでしまうよりも、家族一人ひとりの健康と成長を支えていることを意識し、自信をもって家計管理に取り組んでいくことが大切です。
出典
総務省 家計調査報告-2024年(令和6年)10月分
総務省 家計調査年報(家計収支編)平成26年(2014年)家計の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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