残業で遅くなる夫に「リビングのエアコン消さないで」と言われます。2時間くらいなら「つけっぱなし」でも、電気代はあまりかからないでしょうか?
配信日: 2025.01.13
本記事では、エアコンの暖房を「2時間」つけっぱなしにした場合の電気代と、エアコンの電気代を節約するためのポイントについて解説します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
エアコンを「つけっぱなし」にすると電気代はどうなる?
エアコンは、立ち上がり時に多くの電力を消費します。室温が設定温度に達すると電力消費は抑えられますが、それでも電気代がゼロになるわけではありません。特に冬場は、外気温と設定温度の差が大きいため、消費電力が増えがちです。
例えば、1時間あたりの消費電力量が950ワット(0.95キロワット)のエアコンの場合、1キロワット時あたりの電気料金を31円とすると、2時間の使用で約59円かかる計算になります。
家族の帰宅が遅く、月に20日間、エアコンを2時間長くつけたとしましょう。その場合、電気代は1ヶ月あたり約1180円増えます。
「つけっぱなし」と「こまめに消す」、どちらがお得?
エアコンの暖房を「つけっぱなし」にする場合と「こまめに消す」場合、どちらが電気代の節約になるのかは使用している製品や外気温、使用時間などによって異なります。
外気温が3℃以下で、1~2時間程度の短い時間なら、「つけっぱなし」にするほうが電気代を抑えられるといわれています。東京都の場合、直近10年の1月の平均気温は5~7℃前後なので、基本的には「こまめに消す」ほうが節約になるでしょう。
エアコンの稼働が2時間以上続く場合は、エアコンを消したほうが節約になります。半日以上家に誰もいない場合、エアコンを消すほうが確実に電気代を抑えられます。
今回のケースのように2時間後に家族が帰宅する場合、外気温によって判断すると良いでしょう。外気温が3℃以下のように極端に寒い日であれば、エアコンを「つけっぱなし」にするほうが効率的ですが、原則としてエアコンを消しておいたほうが節約につながるといえます。
部屋が冷え切ってしまうのが心配な場合は、家族が帰宅する少し前にエアコンを再度つけることで、快適な室温を保(たも)てます。最近のエアコンではタイマー機能や遠隔操作が可能なものも多いため、こうした機能を活用すると良いでしょう。
エアコンの電気代を節約するためのポイント
経済産業省資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」によると、外気温が6℃のときエアコンの設定温度を21℃から20℃に下げるだけで、年間約1650円の電気代の節約につながるとされています。また、エアコンのフィルター掃除も重要です。フィルターにホコリがたまると暖房効率が下がってしまうため、2週間に1回を目安に定期的に清掃を行いましょう。
さらに、部屋の断熱対策も有効です。厚手のカーテンや断熱シートを使用することで、熱が無駄に逃げるのを防ぐことができます。サーキュレーターを併用するのも良いでしょう。暖かい空気を部屋全体に循環させるとエアコンの効率が高まり、結果的に電気代の節約につながります。
このような方法を実践することで、快適な室温を保ちながら電気代を抑えることができます。
まとめ
エアコンを2時間つけっぱなしにすると、電気代は約59円かかります。「自分は就寝するが、家族があと2時間後に帰宅する」という場合、よほど外気温が低くない限りは、一度エアコンを消すことをおすすめします。タイマー機能を活用して、再び室内が温まるようにしておくと良いでしょう。
また、エアコンの電気代を節約するには、設定温度を少し下げたりこまめにフィルターを掃除したりすることも大切です。寒い冬でも電気代を抑えつつ快適に過ごせるよう、工夫してみてくださいね。
出典
国土交通省 気象庁 観測開始からの毎月の値
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 無理のない省エネ節約 空調
執筆者:山田麻耶
FP2級