外出時は「便座の暖房」をオフにする妻。つけっぱなしでも問題ないと思うのですが、実際「節約」になるのでしょうか?
配信日: 2025.01.17
本記事では、便座の暖房機能は使用時以外オフにしたほうが節約につながるものなのかを確認します。ぜひ参考にしてみてください。
執筆者:小林裕(こばやし ゆう)
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート
便座暖房の電力消費量
便座暖房の電力消費量は製品によって異なるため、今回は経済産業省資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2023」を参照資料とします。同資料によると、瞬間式電気便座の2022年の年間消費電力(節電機能利用)の平均値は91キロワットアワーであるため、当数値を用いて計算します。
また、電力料金は小売電気事業者により異なるため、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が算出する現在の目安単価「31円/キロワットアワー(税込)」を計算に利用します。
年間電気代については以下のように計算されます。
年間電気代=年間消費電力量(キロワットアワー/年)×電気料金単価(円/キロワットアワー)
便座の暖房を24時間つけっぱなしにする場合
前項で記載した数値を用いて算出する便座暖房の年間電気代は以下の通りです。
便座暖房の年間電気代=91(キロワットアワー/年)×31(円/キロワットアワー)
便座暖房の年間電気代=2821円
1ヶ月あたりでは約235円、1日あたりでは約8円という計算結果です。
便座の暖房を14時間だけつける場合
24時間から日中自宅にいない時間を10時間と仮定し、便座暖房の電気代を計算してみます。
便座暖房の年間電気代(14時間/日のみ利用)=91(キロワットアワー/年)×31(円/キロワットアワー)×14時間/24時間=約1646円
1ヶ月あたりでは約137円、1日あたりでは約5円という計算結果です。
便座の暖房をオフにするだけのメリットはあるのか
前項での計算結果のように、たしかに使用時(家族が日中にいる時間)のみ便座の暖房をオンにする方が、年間では約1175円、1日あたりでは約3円の節約になるようです。この価格差をどう捉えるかは各家庭の経済状況や節電意識により異なりますが、便座の暖房をオフにするメリットはさほど大きくないのではないでしょうか。
まず、便座の暖房は効くまでに多少時間がかかります。タイマー機能がない場合、前もって便座の暖房だけオンにして、再度トイレに入ることになるでしょうか。または、日々家に最初に帰ってくる人が便座の暖房をオンにするのでしょうか。
どちらにしても、作業工程が増えるとともに家庭内の無用なトラブルの種になるかもしれません。
節電方法の例
本記事では外出時に便座暖房をオフする場合について触れてきましたが、他にも節電方法はあります。夏場のみ暖房機能を切っておくことで作業工数を極端に少なく節電できますし、便座の設定温度自体を低くする方法もあります。
前述した『省エネ性能カタログ2023』によると、設定温度を「中から弱」に1段階下げると年間で約710円の節約効果があるようです。
まとめ
本記事では、便座の暖房機能は使用時以外オフにすると、どれほど節約につながるのかを確認しました。電気代の節約効果に値するだけのメリットがあるのか、ぜひ検討してみてください。また、便座暖房のオンオフについては家族の意見を尊重して方針を決めるのが大事ですね。
出典
経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2023」
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート