「暖房器具」と「暖房費」は時代とともにどう変化した?昭和→平成→令和の順番で比較してみた
配信日: 2025.01.23
本記事では、昭和から平成、令和へと時代が進むなかで、暖房器具にどのような変化があったのか、光熱費の内訳と費用の違いについてご紹介します。ぜひ、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
昭和の暖房器具とかかっていた費用の割合
昭和時代に用いられていた暖房は、石油ストーブが一般的で、エアコンや電気ストーブは高価な器具でした。昭和時代は60年以上にわたるため、初期と後期では、使用されていた暖房器具が異なります。
総務省統計局の家計調査を基に、昭和38年と昭和58年の光熱費支出金額の内訳を見てみましょう。
表1
光熱費の種類 | 昭和38年の支出金額の割合 | 昭和58年の支出金額の割合 |
---|---|---|
電気 | 41.5% | 47.1% |
ガス | 26.1% | 37.2% |
灯油 | 5.1% | 14.5% |
石炭・木炭など | 27.3% | 1.2% |
※総務省統計局 「光熱費及び暖房器具への支出」を基に筆者作成
さまざまな電化製品が開発され、著しい進化がみられた昭和時代ですが、地方では囲炉裏や火鉢で暖をとっている家庭もあったようです。総務省統計局の家計調査によると、昭和38年に27.3%の割合で使用されていた石炭や木炭は、昭和58年には約26%も減少しています。
石炭や木炭への支出割合が減る一方で、電気やガス、灯油は増加していることが分かりました。電気は約5%しか増加していませんが、ガスは約11%、灯油は約9%も増えています。
表1の結果より、昭和時代は、暖房器具の種類と使用の割合に大きな変化があったことが分かります。
平成の暖房器具とかかっていた費用の割合
平成に入ると、電化製品がバージョンアップし、エアコンや電気ストーブをメインに使用する家庭が増えました。また、平成時代には床暖房も誕生しています。
平成時代は、暖房器具の支出割合がどのように変化したのか、総務省統計局の調査結果(2011年:平成23年)を基に見てみましょう。
●電気:56.5%
●ガス:35.9%
●灯油:7.4%
●石炭や木炭など:0.2%
昭和58年の支出と比べると、電気代の支出が約9%増加しているのに対して、ガスが約1%、灯油は約7%減少しています。石炭や木炭も、1%減少していることが分かりました。
調査結果から、平成時代には、ガスや灯油を用いる暖房から電気を使う暖房に乗り換える人が多かったことが分かります。
令和の暖房器具とかかる費用の割合
平成に続き令和でも、電化製品の暖房が多く使用されています。著しいテクノロジーの発達により、さらに効率よく部屋を暖められるようになりました。
例えば、エアコンにAI機能を搭載して、在室人数や人がいる位置を把握し適切に暖めるといった進化が見られます。建物自体も、部屋を暖めやすい作りに進化しています。
暖房費用の支出割合はどのように変化したのか、総務省統計局の調査を基に見てみましょう。2023年(令和5年)の家計調査報告書によると、光熱費の内訳は以下の通りです。
●電気:約50.1%
●ガス:約22.5%
●ほかの光熱:約5.7%
次に、昭和から令和までの間に、支出割合がどのように変化したのかを見てみましょう。今回は割合が大きい「電気」「ガス」で比較してみます。
表2
光熱費の種類 | 昭和38年~令和までの変化の割合 | 昭和58年~令和までの変化の割合 | 平成~令和までの変化の割合 |
---|---|---|---|
電気 | +8.6% | +3% | -6.4% |
ガス | -3.6% | -14.7% | -13.4% |
※総務省統計局「家計調査2023年度 家計収支編」を基に筆者作成
総務省統計局の調べを基に計算したところ、昭和38年~令和までの間に「電気を使用する暖房器具」の割合は8.6%増えています。
また、昭和から令和にかけて「ガス」を使用する暖房の使用割合は減少傾向にありました。
昭和→令和で光熱費の割合は「電気は増加」、「ガスは減少」との結果となっていた
昭和から令和にかけての光熱費の割合では、電気は増加しておりガスは減少している結果となりました。
暖房器具に関しては、昭和時代はエアコンや電気ストーブが高価なものとして扱われていましたが、平成以降は、さらにバージョンアップして幅広く使われるようになったそうです。暖房器具の変化によって電気代、ガス代などの光熱費には変化が見られるといえるでしょう。
出典
総務省統計局 光熱費及び暖房器具への支出
総務省統計局 家計調査2023年度 家計収支編 表番号1<用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー