日本の「有休取得率」は、世界11地域中で最下位!? 海外勤務の友人に「うちは年に3週間以上休める」と聞いたけど、そんなに多く休めるの? 日本と海外の“有給休暇制度の違い”を解説
配信日: 2025.01.31
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本記事では、日本の有給休暇制度と海外の有給休暇制度の違いを紹介します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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日本の有給休暇制度は?
日本の有給休暇制度の趣旨は「労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図るため、またゆとりある生活の実現にも資するという位置づけから、法定休日のほかに毎年一定数の有給休暇を与える制度」とされています。
有給休暇は、以下の2つを満たした労働者に対して10日分付与されます。
●雇い入れの日から起算して6ヶ月継続勤務している
●全所定労働日の8割以上を出勤
その後は、継続勤務年数が1年増えるごとに付与日数が増えていき、6年6ヶ月以上の継続勤務で毎年20日の付与が法律で定められています。
有給休暇の時効は発生日から起算して2年となっており、取得単位は原則として1日です。しかし、例外として半日単位や時間単位(労使協定の定めが必要)での取得も可能となっています。
海外の有給休暇制度は?
それでは海外の有給休暇制度はどうなっているのでしょうか?
ドイツでは「有給休暇はまとまって与えられ、分割取得する場合でも労働者が12日を超える有給休暇の権利を有している場合は少なくとも12日連続での付与が必要」とされています。
フランスでも「12日を超えない有給休暇は継続して与えなければならない」とされており、「最大で4週間の連続取得が可能」となっています。
ドイツでは労働関係が6ヶ月以上であれば、1年につき24日以上の有給休暇を取得できる権利を得ることができ、フランスでは実労働1ヶ月につき、2.5日の有給休暇権利が発生するそうです。
一方、アメリカでは法令上の規定がなく、国によって有給休暇制度は大きく異なることが分かります。
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日本と海外の有給休暇取得の違いは?
海外は連続12日以上の休暇の付与が法律で定められている国もあり、長期の有給休暇を取得しやすい傾向にあることが、日本と大きく異なる点だといえます。
オンライン旅行サイトであるエクスペディアが実施した、世界11地域の「有給休暇の国際比較調査」によると、2023年の日本の有給休暇の取得率は63%と11地域中の最下位でした。しかし、「休み不足を感じていない」と回答した人は47%となっており、これは最も多い割合となっています。
また、毎月有給休暇を取得している人の割合は日本32%、香港が27%となっていますが、アメリカやEU主要国、オーストラリアなどは2~5%となっています。日本では、休暇目的だけでなく、自身や家族の体調不良などで有給休暇を取得する場合もあり、それが毎月取得している人が多い理由のひとつかもしれません。
また、日本は直近の休暇で「リフレッシュできた」と回答した割合も56%で1位となっており、休暇を活用できていることが分かります。
まとめ
日本は有給休暇の取得率は海外と比べて低く、海外のように長期休暇は取りづらいにもかかわらず、休み不足を感じることなく、リフレッシュできている人が多いようです。
日本の有給休暇制度が、今の制度を維持しつつ、長期休暇も取得しやすくなるような制度となれば、さらに良い有給休暇制度になるのではないでしょうか。
出典
厚生労働省 年次有給休暇制度について
厚生労働省 諸外国の労働時間制度の概要
エクスペディア 世界11地域 有給休暇・国際比較調査2024を発表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー