60代が老後安心して暮らすためには「貯金3000万円」は必要ですよね? 実際に貯めている人はどのくらいいるのでしょうか?
配信日: 2025.02.06

今回は、高齢者の平均貯蓄額について調べてみました。実際に老後資金3000万円は必要なのか、老後資金を準備する際のポイントもご紹介しますので、参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
高齢者の平均貯蓄額は? 3000万円を貯めている人はどれくらいいる?
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯で「貯蓄がある」と回答したのは80.7%で、1世帯あたりの平均貯蓄額は1603万9000円であるとのことです。貯蓄額別の割合をまとめると以下の通りです。
●100万円未満:6.4%
●100万~500万円未満:18.8%
●500万~1000万円未満:13.7%
●1000万~2000万円未満:14.5%
●2000万~3000万円未満:8.7%
●3000万円以上:14.0%
老後資金として3000万円は必要であると考える人もいるようですが、実際に3000万円以上の貯蓄がある高齢者世帯は14.0%です。貯蓄額別の割合をみると、貯蓄ができている人からできていない人までほぼ均等に分かれていて、貯蓄額は各家庭によって大きく異なると見受けられます。
実際に老後資金3000万円は必要?
実際に老後の生活で3000万円も必要なのかと考える人もいるでしょう。老後資金の準備が必要だといわれている理由として、老後の家計収支は赤字になると予想される点が挙げられます。
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上夫婦のみの無職世帯の家計収支では、毎月3万7916円の不足分が生じているとのことです。
この不足分を年数別にまとめると以下の通りです。
●1年:45万4992円
●10年:454万9920円
●20年:909万9840円
●30年:1364万9760円
老後に働かない場合、上記の不足分を貯蓄で賄うことになり、3000万円とはいわなくても、ある程度の金額が必要になると考えられます。なお、同調査における65歳以上夫婦のみ無職世帯の実収入額のうち、主に年金であると考えられる「社会保障給付」は21万8441円となっています。しかし将来受け取れる年金額には個人差がある点にも注意が必要です。
日本年金機構によると、令和6年4月分からの年金額は以下の通りです。
●国民年金(老齢基礎年金(満額)):月額6万8000円
●厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):23万483円
国民年金のみを受け取る世帯や、現役時代の働き方によって受け取る年金額が標準より少ない世帯もあるでしょう。受け取る年金額が少ない世帯の場合は、上記で紹介した家計収支の赤字が大きくなるため、老後資金も3000万円またはそれ以上が必要になる可能性も考えられます。
老後資金を準備する際のポイント
老後資金は、自身が将来受け取る年金額や、生活に必要な費用をシミュレーションしたうえで、目標金額を設定することが大切です。目標金額を決めたら、以下のポイントをおさえて貯蓄に取り組むとよいでしょう。
●生活スタイルの見直し
●なるべく長く働く
●先取り貯金
●余剰資金を投資にまわす
「老後資金3000万円」と聞くと圧倒されるかもしれません。しかし生活スタイルを見直して固定費の削減や節約を心がけたり、定年後も長く働くことを検討したりすると、老後資金の目標金額をおさえられ、無理のない貯蓄計画が立てられるでしょう。
毎月余った分を貯金する方法では、なかなかお金が貯まらないことが考えられます。貯金にまわす金額を給料からあらかじめ差し引く「先取り貯金」をするなら、毎月一定額を着実に貯めていけます。
貯蓄に余裕が出てきたら、余剰資金を投資にまわして、資産を増やす仕組みを活用できるかもしれません。高いリターンが得られれば、早く目標金額を達成できる可能性があります。ただし元本割れのリスクも考慮して、無理をしないことも大切です。
3000万円以上を貯めている高齢者世帯は14.0%! 実際に必要な老後資金は各家庭によって異なる
厚生労働省の調査より、高齢者世帯で貯蓄があると回答したのは80.7%で、1世帯あたりの平均貯蓄額は1603万9000円であることが分かりました。このうち貯蓄額が3000万円を超える高齢者世帯は14.0%です。実際に老後資金3000万円が必要か否かは、将来受け取る年金額や老後の生活スタイルなどにもよるため、各家庭で異なります。
老後資金を準備するポイントには、生活スタイルの見直しやなるべく長く働くことを検討し、現実的な目標金額を設定することが挙げられます。貯金にまわすお金を給料からあらかじめ差し引く先取り貯金で、着実にお金が貯まるようにすることも大切です。余剰資金を投資にまわして、リターンを得られれば、貯蓄を早く増やせるかもしれません。
出典
厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 II 各種世帯の所得等の状況 5 貯蓄、借入金の状況(12ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2023年-(18ページ)
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー