貯めていたタンス預金が「300万円」になりました。このお金で「家電」を買い替えたら「税務署」から指摘されることはあるのでしょうか?

配信日: 2025.02.25

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貯めていたタンス預金が「300万円」になりました。このお金で「家電」を買い替えたら「税務署」から指摘されることはあるのでしょうか?
タンス預金が貯まってくると、まとまった資金が必要な家電の買い替えを行いたいと考える人は多くいるかもしれません。しかし、まとまった額のタンス預金を使った際に、税務署から指摘を受けるのかどうかが気になることもあるでしょう。
 
本記事では、タンス預金がトラブルになる可能性のあるケースやタンス預金を続けるデメリットについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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タンス預金を自分で使うのは問題ない

タンス預金とは、銀行などに預けず、自宅で保管しているまとまった現金のことを指します。銀行を利用せず自分で管理することで、いつでも自由に使えるメリットがあります。貯めておいた現金を使うことには何ら問題はなく、家電の買い替えなど生活のために使うことも自由です。
 
ただし、金融機関への大きな現金預け入れなどがあれば、税務署が資金の出どころを確認する場合があります。しかし、家に保管していた正当なタンス預金であれば問題はありませんが、保有していた経緯を説明できるようにしておくと安心です。
 

相続税でトラブルが発生する可能性がある

タンス預金は銀行口座にある預貯金と同様に、相続税の対象となる財産です。注意したいのは、相続財産を過少申告して税負担を減らそうとする行為です。節税ではなく「脱税」に該当し、法的なペナルティーを受ける可能性があります。
 
国税庁の「令和5事務年度における相続税の調査等の状況」によると、相続税の税務調査で申告漏れが指摘される財産のうち「現金・預貯金」は全体の約3割を占め、申告漏れの金額は825億円にものぼります。
 
相続税の税務調査は通常、相続税申告から1~2年後に実施されることが多く、申告額が大きい場合は特に調査が入るリスクが高まるとされているのです。タンス預金が相続の際に発覚すればトラブルが生じることもあるため、遺産整理時には正確な申告を行うことが大切です。
 

タンス預金を続けるデメリット

現金を自宅で保管するタンス預金には、手元に現金をすぐ使えるメリットがあります。しかし、リスクやデメリットも少なくありません。現金が安全に保たれなかったり、資産として有効活用できなかったりするため、不利益を被る場合もあります。ここでは、タンス預金の主なデメリットを2つ紹介します。
 

紛失や盗難のリスクがある

タンス預金は、火災や盗難、自然災害といった予期せぬ事態によって失われる可能性があります。特に火事で失われた場合は、火災保険に加入していても現金は補償対象外です。また、盗難補償があったとしても、保険の補償額には上限があるため、すべてをカバーできるわけではありません。
 
さらに、「失くす」または「忘れる」リスクも侮れません。家具の中に現金を隠していたことを忘れ、家具ごと処分してしまうケースや、家族が現金の存在を知らずに捨ててしまうことも考えられます。家族にタンス預金のことを伝えていなければ、認知症になったり死亡したりした場合、長期間見つからないままになることもあり得ます。
 

利子や収益が得られない

現金を銀行に預けることで得られる利子や、株式・投資信託などでの資産運用による収益は、タンス預金では一切得られません。現金は、銀行に預けることで利子がつきます。
 
また、資産を効率的に増やす方法として、株式や投資信託への投資も注目されています。これらの金融商品では、リスクは伴いますが、長期的に数%の利回りが期待できるでしょう。さらに、不動産を購入して賃貸に出すことで、安定した賃料収入を得る選択肢もあります。
 
しかし、タンス預金はただ自宅に保管しているだけであり、運用による利益を 生み出しません。長期的に見れば、利回りのある資産運用を選ぶ場合と比べ、資産価値が大きく目減りしてしまう可能性があります。特に、インフレーションが進行した場合は金利の恩恵が受けられず、タンス預金の実質的な価値は低下してしまいます。
 

家電の買い替えに使用しても指摘を受ける可能性は低い

タンス預金を家電の買い替えに使うことは問題ありません。ただし、まとまった金額を金融機関へ預け入れする場合や、相続時にタンス預金が発覚した場合には注意が必要です。正当なお金であることを説明できるように準備しておくことが大切です。
 
また、タンス預金を続けることで紛失や盗難のリスク、資産運用のチャンスを逃す可能性も考えられます。現金の管理方法を見直し、より効率的に資産を活用できる方法を検討してみましょう。
 

出典

国税庁 令和5事務年度における相続税の調査等の状況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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