3日に2回は「風呂キャンセル」しています…「節約になる」と思っていますが、実際どうなのでしょうか?
配信日: 2025.03.01 更新日: 2025.03.04

今回のケースのように3日に1回しかお風呂に入らない方がいるようですが、中には面倒という理由のほかに、節約を意識してそうしているケースがあるかもしれません。
本記事では、風呂キャンセルをするとどのくらいの節約になるのか、また風呂キャンセルすることの注意点について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
風呂キャンセルするとどのくらい節約できる?
風呂キャンセルすると、どれくらいの節約になるのか見ていきましょう。今回は、水道代とガス代を対象に計算します。
お風呂1回当たりに使う水の量は200リットルとし、料金単価を大阪市の「1リットル当たり約0.1円」とすると、水道料金は約20円です。
ガス代については、「水の上昇温度×水量÷(熱効率×発熱量)×1立方メートル当たりの都市ガス基準単位料金」で求められます。
仮に以下の条件でガス代を計算するとします。
●20度の水200リットルを40度まで温める
●熱効率は80%
●発熱量は1万750キロカロリー/立方メートル
●都市ガス基準単位料金を144.52円(大阪ガス株式会社の料金単価を使用)
この場合、入浴1回当たりのガス代はおおむね67円です。
なお水道料金は住んでいる地域によって変わるほか、ガス代は都市ガスなのかプロパンガスなのか、水の温度は何度かなどの要素で変わります。
毎日お風呂に入る場合
毎日お風呂に入る場合、1日当たりの水道光熱費はおおむね以下の通りです。
●水道料金:20円
●ガス代:67円
●合計87円
毎日新しい水で浴槽にお湯をはるとなると、1ヶ月(30日)当たりの水道光熱費は2610円です。湯船に入る前後にシャワーを浴びると、さらに料金はかかるでしょう。
仮にシャワー1回当たりに10分かけるとします。1分間に出るお湯の量は6.5~10リットルほどとした場合、1回に使う水の量は65~100リットルになります。先ほどの条件だと、1回のシャワーで6.5~10円ほどの水道代、2.2~3.4円ほどのガス代がかかる計算です。1ヶ月にかかるシャワー代は261~402円ほどとなります。
3日に1回入る場合
3日に1回お風呂に入る場合、1ヶ月に10日ほどの入浴となります。よって1ヶ月当たりの金額は870円です。また、シャワーを浴びるのも3日に1回だと、87~134円のシャワー代となります。
毎日入る場合と比べて、浴槽にお湯をはる水道光熱費を1760円、シャワーにかかる水道光熱費を174~268円節約できます。
風呂キャンセルは衛生的に問題ない?
風呂キャンセルは節約になるとはいえ、病気になってしまうリスクもあるようです。
例えば、暑い時期は特にですが、汗をかいているのに風呂に入らずにいると、雑菌の餌場になってしまうかもしれません。皮脂が多い場所では「マラセチア」と呼ばれるカビ菌が増えて、結果的に「脂漏性皮膚炎」につながるおそれもあります。この病気になると、湿疹や赤みが発症することがあるようです。
また年齢がある程度進んだ人が風呂キャンセルを長く続けると、アカツキ病などの感染症につながる可能性もあります。ほかにも入浴やシャワーを使わないことで、蒸れやすい場所に湿疹ができたり、水虫になったりするなど、さまざまなリスクが考えられます。
そもそも不快な臭いの原因になることもあるでしょう。
入浴で節約をする方法
程度にもよりますが、節約を重んじるあまり風呂キャンセルを頻繁にかつ長く行うことは賢明とはいえません。体を清潔に保ちつつ節約を考えるといいでしょう。例えば以下のような工夫ができます。
●浴槽にはるお湯の量を少なくする
●2日連続で入る場合は水を換えない
●給湯温度を低めに設定する
●風呂が沸いたらすぐに入る
●浴槽に水をはる代わりにシャワーを使う(浴槽に入るよりも少ない水量で済む場合)
このような工夫をすることで、バランスを保てるかもしれません。
風呂キャンセルは節約になるがやりすぎには注意
風呂キャンセルをすると、水道代やガス代の節約になる可能性が高いです。しかし衛生面でのリスクが危惧されるため、手放しで勧められるものではありません。
健康維持と節約をバランスよく両立させることが大事です。ご紹介したような、水道代やガス代を節約する工夫を試してみてはいかがでしょうか。
出典
大阪市水道局 大阪市の水道料金水準について
大阪ガス株式会社 一般料金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー