「タンス預金のメリット」って何? 災害や盗難の「リスク」を考えたら、「手数料」がかかっても銀行に移すべき?

配信日: 2025.03.10 更新日: 2025.03.11

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「タンス預金のメリット」って何? 災害や盗難の「リスク」を考えたら、「手数料」がかかっても銀行に移すべき?
タンス預金のメリットは、現金を手元に置いておくことで、必要な時にすぐに使えること、銀行手数料の発生や取引制限を避けられることなどが考えられるでしょう。しかし、その一方で災害や盗難といった予期せぬリスクが伴う可能性もあります。
 
そこで本記事では、タンス預金のメリットとデメリットについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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タンス預金とは

日本では、かつて現金をタンスに保管していた習慣がありました。その名残から、自宅で現金を保管することを「タンス預金」と呼ぶようになったと考えられているようです。実際にはタンスに限らず、金庫や仏壇、机の引き出し、冷蔵庫、屋根裏など、さまざまな保管場所があるとされています。
 

タンス預金の実態調査:8割が100万円未満、半数は30万円未満

「脱・税理士スガワラくん 調べ」によると、タンス預金の金額の割合は以下の表1の通りです。
 
表1

タンス預金額 割合
10万円未満 27.2%
10万円~30万円未満 25.6%
30万円~50万円未満 12.0%
50万円~100万円未満 16.8%
100万円~300万円未満 8.0%
300万円~500万円未満 6.4%
500万円~1000万円未満 0.8%
1000万円~1億円未満 1.6%
1億円以上 1.6%

※株式会社スガワラくん「タンス預金と新紙幣についてのアンケート調査」を基に筆者作成
 
この結果から、タンス預金をしている人の約8割は100万円未満、さらに約半数は30万円未満と、比較的少額であることが分かります。
 

タンス預金のメリットとデメリット

タンス預金は、手元に現金を置いておくことですぐに使用できる利便性がある一方、さまざまなリスクが伴う可能性もあります。タンス預金の特徴を、メリットとデメリットの両面から見ていきましょう。
 

タンス預金のメリット

タンス預金のメリットとして考えられるのは、以下の2つです。

●自由な引き出しが可能
●銀行破綻のリスク回避

タンス預金には、自由に現金を引き出せる利便性があるため、銀行の営業時間やATM手数料を気にする必要がなくなる可能性があります。また、銀行破綻のリスクを回避でき、預金の保証額(1金融機関あたり1000万円)を超える資産を守る手段になることもあるでしょう。
 

タンス預金のデメリット

タンス預金のデメリットとして考えられるのは、以下の4つです。

●利息がつかない
●災害や盗難のリスク
●保管場所を忘れる
●相続トラブルの原因

タンス預金には、銀行預金のように利息がつかないため、資産が増えないというデメリットがあります。また、火災や盗難に遭うリスクがあるため、安全性の面で不安が残るでしょう。
 
さらに、保管場所を忘れる可能性があったり、家族と共有していなければ現金を失ったりする恐れがあります。なお、遺産分割後に発見されると相続トラブルの原因になることもあり、注意が必要です。
 

銀行での現金預け入れにかかる手数料の注意点

銀行窓口やATMで現金を預ける際、通常は手数料がかかりません。ただし、時間外や休日に預け入れる場合は手数料が発生する銀行もあります。
 

物価上昇と資産形成について

物価が1年で2%上昇する場合、今までは1万円で購入できたものが、1万200円必要になります。一方で、タンス預金には利息がつかなたいため、1万円のタンス預金は1万円のままです。昨年は買えた商品が、今年は買えなくなるといった事態に陥る可能性があります。
 
物価が上昇し続けると、同じ金額で買えるものが減り、タンス預金の実質的な価値は目減りしてしまうのです。生活費を毎月の収入でまかなえる前提で、不測の際にタンス預金や銀行預金として残しておくべきお金は、生活費の3~6ヶ月分が目安とされています。
 
もしそれ以上のタンス預金があるのならば、物価上昇に対応するためにも、投資信託を活用した積み立て投資を検討するのもよいでしょう。
 
老後生活には2000万円の自助努力が必要になることが話題になりましたが、65歳や70歳までに2000万円を準備するためには、若いうちから計画的に資産形成を始めることが大切です。
 

タンス預金の最大のメリットは必要な時にすぐ現金を使えること/基本的には銀行に預けるほうが安全

タンス預金の最大のメリットは、自由に引き出せることだと考えられます。また、銀行破綻のリスクを回避できる可能性がある点もメリットとして挙げられます。
 
基本的に、現金は銀行に預けるほうが安全であると考えられます。生活費を毎月の収入でまかなえる前提で、不測の際にタンス預金や銀行預金として残しておくべきお金は、生活費の3~6ヶ月分が目安とされています。もしそれ以上のタンス預金があるのならば、物価上昇に対応するためにも、投資信託を活用した積み立て投資を検討するのもよいでしょう。
 

出典

株式会社スガワラくん タンス預金と新紙幣についてのアンケート調査(PR TIMES)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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