35歳で「年収500万円」です。親に「月5万円」仕送りしていますが、「光熱費が高くなったから」と、1万円の上乗せを求められました。あまり余裕がないのですが、いくらが妥当なのでしょうか?
配信日: 2025.03.13

とはいえ、親への仕送りを増やせば、当然自分の家計に影響があります。本記事では、子から親への仕送り金額の平均値や適切な額について、家計に与える影響をふまえて解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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親への仕送り金額の平均は?
親への仕送りの平均金額はどのくらいなのでしょうか? 総務省の国民生活基礎調査によると、2022年の「親への仕送りありの世帯」の親への平均仕送り金額は月5万6000円程度となっています。
同調査では、30~39歳の親への平均仕送り金額は月5万2000円程度となっており、本記事のように35歳の人が月5万円の仕送りをしているというのは、ほぼ平均金額といえそうです。
なお、この金額はあくまでも「親への仕送りありの世帯」の平均です。実際に仕送りをしている世帯の割合は、親以外へ仕送りをしている世帯も含めて全体の5%程度です。
仕送り金額を増やす前に考えたいこと
光熱費の高騰により親が「仕送りを1万円増やしてほしい」と頼んできた場合、増額する前に考えたいポイントがいくつかあります。
生活のバランス
まず、仕送りの増額があなたの家計にどのような影響を及ぼすかを確認しましょう。その際、月々の支出や現在の貯金額、今後の計画(例えば、老後の準備や急な出費の備え)をふまえることも大切です。もし、仕送り金額を増やすことで自分の生活に支障が出る場合は、増額を見送ることも選択肢の1つです。
今回のように年収500万円であれば、手取り額は月約33万円です。総務省の2024年の家計調査によると、35歳~59歳単身者の支出の平均金額は、住居費約2万7000円、食費約4万8000円、光熱・水道費約1万3000円、交通・通信費約2万8000円などとなっており、そのほか合計すると、支出は月18万5000円ほどです。
プラスして仕送り5万円分を支出し、さらに1万円を増額した場合は24万5000円程度で、手取り額の33万円からすると、増額はそこまで無理な話ではないかもしれません。
しかし、住居費は持ち家を含んでの平均金額ですから、都心で一人暮らしであれば10万円程度することも珍しくなく、その場合は一気に赤字となってしまいます。また、自身の将来の備えなどを考えると、現状でも決して余裕があるとはいえず、仕送りの増額をすぐに快諾できるというわけではないでしょう。
親の収入状況
次に、親の生活状況、収入・支出の状況を確認しましょう。親の年齢や健康状態、収入源(年金やアルバイトなど)を把握しておくことが重要です。
無理のない仕送りを続けるためにできること
仕送りを増額するにせよしないにせよ、今後も無理なく仕送りを続けるためにはどうすればよいのでしょうか?
家計の見直し
まずは、自分の家計を見直しましょう。毎月の支出を詳細に書き出し、どこを削減できるかを考えましょう。光熱費、通信費、サブスク費などの固定費は見直しやすいポイントです。省エネ家電を使用したり、家計簿アプリなどを活用してムダを見つけたりすることなどが節約への第一歩となるでしょう。
節約術を活用する
公共料金の見直し(電力会社の変更やプランの変更)、通信費の見直し(格安スマホへの乗り換えやプラン変更)、不要なサブスクの解約、割引クーポンやポイントの活用、外食回数の削減など、生活費を減らす方法はさまざまあります。自分の支出を減らすことで、仕送りを無理なく続けることができるようになるかもしれません。
代替的なサポート方法
仕送り金額を増やすのが難しい場合、金銭的な支援だけでなく、親の生活をサポートするほかの方法を検討してみましょう。食材や日用品の購入に際して割引日を狙ってまとめ買いし、一部を親に届けることで、実質的に支出を減らせます。
親の自宅を定期的に訪れて掃除や買い物を手伝えば、家事代行サービスなどを利用するよりも費用負担を軽減できます。健康管理や介護に関する情報を提供し、適切な制度やサービスを活用すれば、将来的な医療・介護費用の節約にもつながるでしょう。
親との金銭的な関係を円滑にするためのコツ
この機会に、仕送りについて親と話し合い、お互いの状況や要望を整理することも有効かもしれません。
仕送りを増額することが難しい場合、まずはその理由をしっかりと伝えましょう。「家計が厳しい」「自分の将来のために貯金をしている」など、正直に話すことで親も理解してくれるかもしれません。
また、仕送り金額を決める際、親子間で基準を決めておくとトラブルを防げます。例えば、収入が増えた際に仕送り金額を見直す、将来の計画に応じていずれかのタイミングで金額を調整するなど、事前にルールを決めておくと良いでしょう。
まとめ
親への仕送り金額は、家庭の状況に応じて適切に決めることが望ましいといえます。全国平均の月5万6000円程度を参考にしつつ、自分の生活費や将来の計画を考慮し、無理のない範囲で親をサポートする方法を見つけましょう。
仕送り金額を増やすことが難しい場合は、金銭的な支援だけでなく、ほかの方法で親をサポートすることも1つの手段です。親との関係を円滑に保つためには、率直なコミュニケーションと、お互いの立場を理解することが大切だといえるでしょう。
出典
総務省統計局 国民生活基礎調査 令和4年国民生活基礎調査 世帯 全国編
総務省統計局 家計調査 家計調査 単身世帯 詳細結果表 2024年
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー