先日スーパーに買い物に行ったところ、キャベツが1玉「400円」を超えていてびっくり!仕方なく「カット野菜」を購入したのですが、なぜ「カット野菜」の値段は変わらないのでしょうか?
配信日: 2025.03.30 更新日: 2025.04.01

本記事では、キャベツの価格が高騰している背景や、カット野菜の値段が変わらない理由などを解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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キャベツの小売価格は全国平均「400円」
農林水産省の「食品価格動向調査(野菜)」によると、令和7年3月3日〜5日におけるキャベツの小売価格の全国平均は428円/キログラムでした。卸売価格は、2024年5月時点で平年比1.8倍、11月時点で平年比2.3倍というデータもあります。
また、キャベツの高騰は、一般家庭だけでなく飲食店にも影響が出ているようです。仕入価格が3倍以上に高騰したケースもあり、キャベツを使用したメニューの値上げや、提供を一時中止する対応を余儀なくされている飲食店が多くあります。
「キャベツ価格高騰」の背景と「カット野菜」の値段が変わらない理由
続いて、キャベツの価格が高騰している背景と、カット野菜の値段が変わらない理由をみてみましょう。
「キャベツ価格高騰」の背景:夏の高温や冬の降雨不足による育成不良
キャベツの価格高騰の原因には、夏の猛暑や冬の降雨不足による育成不良が挙げられます。
千葉県銚子市の農家では、例年12月から収穫を始めるところ、気象の影響で育成が遅れたため1月から収穫を始めました。例年、キャベツ1玉あたり1.5キログラムまで育てて収穫していますが、今回の収穫では1キログラム未満の小さなキャベツが多くみられたようです。
気象庁によると、銚子市の1ヶ月あたりの降水量は3ミリメートルであり、統計開始以降12月の降水量が過去最少となったようです。
「カット野菜」の値段が変わらない理由:原料高騰の価格転嫁が進んでいない
カット野菜の値段が変わらない理由として、原料高騰の価格転嫁が進んでいないことが挙げられます。店頭では、キャベツ1玉が高値で売られているなか、袋入りのカット野菜は特価で販売されています。その理由は、上昇した原料コストが反映されておらず、価格転嫁が進んでいないためです。
東京都内のスーパーでは、千切りキャベツ(120グラム)が1袋49円で販売されている一方、野菜売り場のキャベツは1玉498円で売られていました。どちらもキャベツに変わりはないですが、加工品と素材の価格差が目立ちます。
カット野菜の売り込みは利益が出づらく、無理に販売するとキャベツの産地に大きな負担がかかってしまうようです。そのため、カット野菜の価格について、消費者の理解を必要としています。
「キャベツ」を「カット野菜」に変えるといくらお得?
キャベツの代わりにカット野菜を購入すると、いくらお得になるのでしょうか。大手ネットスーパー3社を参考に、以下の表1では、キャベツとカット野菜の価格を比較してみました。
表1
キャベツ1玉(税込み) | カット野菜1袋(税込み) | |
---|---|---|
A社 | 486円 | 213円 |
B社 | 430円 | 150円 |
C社 | 321円 | 105円 |
※参考情報を基に筆者作成
※上記は2025年3月13日現在の価格です。
キャベツ1玉と比較して、カット野菜1袋は200円程安い傾向にあります。「キャベツ1玉は使い切れない」「できるだけ安く買いたい」という方は、カット野菜を購入してみるといいかもしれません。
まとめ
カット野菜の値段が変わらないのは、原料高騰の価格転嫁が進んでいないためのようです。
昨年の夏の高温や冬の降雨不足による育成不良が原因で、キャベツの価格高騰が続いていているものの、スーパーではカット野菜が安定した価格で販売されています。キャベツをお得に買いたい場合は、カット野菜の購入を検討してみるといいでしょう。
出典
農林水産省 食品価格動向調査(野菜)の調査結果
気象庁 各種データ・資料 過去の気象データ検索 月ごとの値 調子(千葉県)2024年(月ごとの値)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー