30代2人暮らしの生活費はどのくらいかかる? 統計データから平均値や中央値を解説
配信日: 2025.03.31 更新日: 2025.04.01

この記事では総務省統計局の「2019年全国家計構造調査家計収支に関する結果」と「2023(令和5年)家計の概要」の統計データをもとに、30代2人暮らし世帯の生活費について解説します。平均値と中央値の違いや、共働きかどうかによる差も紹介するため、家計管理の参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
30代2人暮らしの生活費の平均値
30代夫婦のみの世帯で働いている人は1.81人で、半数以上の家庭が共働き世帯です。2019年全国家計構造調査家計収支に関する結果によると、30代2人暮らし世帯の生活費(消費支出)の平均値は約26万7000円です。平均値はデータの総合計をデータ数で割って求めます。表1に主な費目の平均値をまとめました。
表1
住居費(家賃) | 約3万8000円 |
水道光熱費 | 約1万3000円 |
交通費・通信費 | 約3万8000円 |
娯楽費 | 約3万円 |
「2019年全国家計構造調査家計収支に関する結果」より筆者作成
住居費は地域によって家賃が異なりますが、交通費・通信費と並び、生活費の中では高額になっています。また、娯楽費は生活費の中で必ず必要な費用ではないものの、生活を充実させるために重要な出費と考えられます。平均値を参考にすれば、家計を見直す材料になるでしょう。
交通費・通信費や水道光熱費も生活スタイルによって幅はあると考えられますが、平均値からの見直しが有効です。
30代2人暮らしの生活費の中央値
平均値が約26万7000円である一方で、総務省統計局家計調査結果から推定される30代2人暮らしの生活費の中央値は約27万円です。中央値とは、データを小さい順に並べたときにちょうど中央にくる値を指します。
今回は平均値と中央値がほぼ一致しており、これらの値は、30代2人暮らしの世帯の家庭状況を把握するのに適しているといえます。収入が高く、家賃15万円以上の物件に住む世帯や、娯楽費に月10万円以上使う世帯がデータに含まれると、平均値が高くなりがちです。
一方、地方在住で家賃が安く、節約を心がける世帯は、20万円程度で生活している場合もあります。中央値を参考にすることで、このようなデータのばらつきを補正でき、生活費が「平均的な範囲」に入っているかどうかがわかりやすくなることがメリットです。
30代2人暮らしの生活データからわかること
30代2人暮らしの消費支出を他の世帯類型と比較をしてみると、住居費への支出割合が他よりも高い傾向にあります。同世代で子どもが1人いる家庭よりも、住居への支出割合が約5%高くなっています。平均的な生活データと自分たちの生活を比較して、家計を見直す際には、生活費が中央値に近いかどうかを確認することが現実的な方法です。
例えば、毎月の支出が約28万円の場合、平均値に近いと安心するかもしれませんが、支出を約27万円に抑えれば年間で約12万円も節約できます。このお金を将来のための貯金や投資に回せば、財産を築くことも可能です。中央値は、全体を100として50番目に位置する値となります。順位がすべてではありませんが、目安とするには適切です。
また、平均値と中央値を確認することで、家計リスクに対する備えもできます。特に片働き世帯は、支出が多ければ収入が減少した際に家計が圧迫されるリスクがあるため、中央値を基準に生活費を考える習慣をつけることが大切です。
暮らし方で数値は大きく変化する
30代2人暮らし世帯の生活費は、どのような生活スタイルかで異なります。平均的な生活費は約26万7000円ですが、共働きの場合は収入の合計額がさらに大きくなるため、将来のための貯蓄をしやすい環境であるといえます。
共働きかどうかだけでなく、住む地域やライフスタイルによって生活費は大きく異なるため、平均値と中央値を両方とも確認することがポイントです。それぞれのデータを参考にして、自分たちの家計を見直し、将来に向けた計画を立てましょう。
出典
総務省統計局 2023(令和5年)家計の概要
総務省統計局 2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー