「国民健康保険」と「社会保険」の違いは何?保険料や加入条件、扶養などはどう違うの?
配信日: 2025.04.05

そこで本記事では、国民健康保険と社会保険の健康保険の違いを解説します。保険料や加入条件、扶養などさまざまなポイントで解説しますので、ぜひ参考にしてください。
なお、「社会保険」のなかには、健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険のおもに5つが含まれていますが、本記事では国民健康保険と区別するために「社会保険(健康保険)」として解説していきます。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次 [非表示]
国民健康保険について
国民健康保険は、他の医療保険制度に加入していないすべての住民を対象とした医療保険制度です。おもに、自営業やフリーランス、無職の人など社会保険に加入していない人が加入します。
運営は各自治体で、住んでいる自治体の窓口で申請します。
対象の被保険者
厚生労働省によると、国民健康保険の被保険者は、日本国内に住所がある方で、以下のいずれにも当てはまらない方です。
●ほかの医療保険(健康保険)に加入している方とその被扶養者
●生活保護を受けている方
●後期高齢者医療制度に加入している方
●短期滞在在留外国人の方 など
国民健康保険の被保険者になった際、または対象から外れる場合は、14日以内に住んでいる自治体の国民健康保険の窓口まで、関係書類を提出しなければなりません。詳しい申請方法や提出書類などは、各自治体のホームページを確認してください。
保険料
厚生労働省によれば、国民健康保険の保険料は世帯単位で算定し、世帯の被保険者ごとに応益分・応能分のそれぞれの種類を計算して、それらを合計したものとなります。
受益に応じた応益割には均等割と平等割、負担能力に応じた応能割には所得割と資産割があり、実際の賦課においては各自治体の判断によって2方式(所得割・均等割)や3方式(所得割・均等割・平等割)、4方式(所得割・資産割・均等割・平等割)のいずれかが採用されます。
詳しい算出方法や徴収期限、徴収方法については、各自治体の条例で定められています。不明点は、住んでいる地域の国民健康保険の窓口まで問い合わせましょう。
社会保険(健康保険)について
社会保険(健康保険)は、勤務先の会社を通じて全国健康保険協会や各健康保険組合に加入します。
対象の被保険者
厚生労働省によると、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の対象となる被保険者は以下の通りです。
●週の勤務時間が20時間以上
●給与が月額8万8000円以上
●2ヶ月を超えて働く予定がある
●学生ではない
従業員数(厚生年金保険の被保険者数)が51人以上の企業で働き、さらに上記4つのすべてに当てはまる方は、社会保険の加入が必須となります。
保険料
社会保険(健康保険)の保険料は、標準報酬月額(従業員が受け取る給与などの報酬月額を等級に当てはめたもの)が用いられます。標準報酬月額と標準賞与額を設定し、保険料の額や保険給付額などが決められています。
保険料は基本的に毎月の給与から天引きされますが、企業と折半して納付する点は社会保険(健康保険)の特徴のひとつです。
国民健康保険と社会保険(健康保険)の違い
国民健康保険と社会保険(健康保険)の大きな違いを3つのポイントで解説します。
保障内容
国民健康保険では、出産手当金や傷病手当金がほとんどの自治体で支給されないようです。この点が、社会保険(健康保険)との違いといえるでしょう。社会保険(健康保険)の場合には、要件を満たせば給付されます。
扶養制度
国民健康保険には「扶養」という考え方がないため、保険の加入者全員に保険料がかかります。一方、社会保険(健康保険)は一定の条件を満たしていれば、被保険者の扶養対象になります。
社会保険(健康保険)の扶養対象になれば、保険料の負担をせずとも医療や保障を受けることが可能になるため、家計の負担減につながるでしょう。
保険料
社会保険(健康保険)の場合は、毎月の給与を基に保険料が算出されます。例えば夫が会社勤めで、妻は専業主婦である場合、妻や子どもは夫の扶養となるため保険料の負担をすることなく社会保険(健康保険)の対象となります。
一方、国民健康保険は前年の所得を基に保険料が算出されます。そのため、会社を退職し、社会保険(健康保険)から国民健康保険に切り替えた方は、保険料が大きな負担になるケースもあるでしょう。
国民健康保険と社会保険(健康保険)の違いは、保障内容や保険料などにある。しっかり把握しておこう
国民健康保険と社会保険(健康保険)、2つの医療保険では、加入できる対象者や保険料の算出方法など、異なる点が多くあります。
それぞれの制度の違いを理解して、自分や家族にとってよりよい選択ができるようにしておきましょう。
出典
厚生労働省 国民健康保険の加入・脱退について
厚生労働省 国民健康保険の保険料・保険税について
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 社会保険加入の対象者
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー