実家と同じ感覚で毎日「湯船」につかっていたら、水道代に驚き! 1人暮らしなら「シャワーだけ」にすべき? 水道光熱費を検証

配信日: 2025.04.05

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実家と同じ感覚で毎日「湯船」につかっていたら、水道代に驚き! 1人暮らしなら「シャワーだけ」にすべき? 水道光熱費を検証
現在は一人暮らしをしている人で、実家で暮らしていたときには毎日湯船にお湯をはっていたという人は多いのではないでしょうか。家族がいる場合、まとめて入浴すれば効率的なので、それほど水道代やガス代を意識しないこともあるでしょう。
 
しかし、一人暮らしを始めてからも「毎日湯船につかるのが当たり前」と思って続けていると、意外とコストがかさんでいるかもしれません。本記事では、シャワーだけで済ませた場合と、毎日湯船をためる場合で、どのくらい差があるのか検証します。
浜崎遥翔

執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

一人暮らしで毎日湯船につかったときのコストは?

今回は、20分のシャワーだけにした場合と20分のシャワーに加えて湯船にお湯を張った場合を比較します。使うデータは以下の通りです。
 

・シャワーで使うお湯の量は1分で約12リットル(20分で240リットル)
・浴槽にためるお湯の量は180リットル
・上水道代は1立方メートルあたり22円(東京都の調査によると一人暮らしの平均的な1ヶ月の水道使用量は8.1立方メートルであるため6~10立方メートルの料金を参照)
・下水道代は考慮しない(東京都の調査によると一人暮らしの平均的な1ヶ月の水道使用量は8.1立方メートルであるが、下水道代は8立方メートルまでは一律なのでほとんど影響がないと考えます)
・東京都の平均水温16.8度(東京都2020年のデータより)
・シャワーおよび湯船に使うお湯の温度:40度
・都市ガス代:1立方メートルあたり:168.09円(東京ガスの一般契約料金A表3月検針分)
・都市ガスの発熱量:1立方メートルあたり:1万750キロカロリーと仮定
・発熱効率:80%と仮定

 

40度のお湯1リットルあたりのコストは?

まずは40度のお湯1リットルあたりのコストを考えましょう。水道代は1立方メートルあたり22円ですが、1立方メートルは1000リットルです。つまり1リットルあたりの水道代は0.022円となります。
 
次にガス代です。ガス代は以下の計算式で求めます。
 
上昇温度×水量÷(発熱量×発熱効率)×ガス代単価
 
16.8度を40度にするには、23.2度上昇させる必要があります。これを上記の式に当てはめると1リットルの水を40度にするためのガス代は以下の通りです。
 
23.2度×1リットル÷(1万750キロカロリー×80%)×168.09円=0.453円
 
つまり40度のお湯1リットルにかかるコストは水道代とガス代を合わせて0.475円となります。
 

1ヶ月のコスト差は?

シャワー20分だけの場合は240リットル、シャワー20分+湯船にお湯をためる場合はさらに180リットルを加えた420リットルのお湯を使います。先ほど1リットルあたりのお湯には0.475円かかることが分かったので、それを元にそれぞれのコストを計算すると以下の通りです。
 

・シャワーだけ:1日あたり114円、1ヶ月(30日間)あたり3420円
・シャワー+浴槽:1日あたり199.5円、1ヶ月(30日間)あたり5985円

 
1ヶ月間の差額は2565円です。1年で約3万円になるため、その差は決して小さくないでしょう。
 

「湯船につかったほうがいい」は本当?

年間で3万円近く差がつくなら、シャワーだけで済ませようと考える人もいるでしょう。ただし、湯船につかって身体を温めるメリットは無視できません。入浴をすることで主に以下の3つの効果が期待できます。
 

・血行促進、疲労回復:体が温まることで血流が良くなり、疲労物質が排出されやすくなる
・むくみ解消:水圧が体を刺激することで血流が促され、余分な水分や老廃物が排出されやすくなる
・リラックス効果:副交感神経が働いて気持ちが落ち着き、ストレスが和らぐ

 
コストだけではなく、こういった効果も考えることが大切です。特に新社会人など、一人暮らしを始めたばかりのときは、慣れない仕事による疲れやストレスがたまることも多いため、たまには湯船につかることが必要かもしれません。
 

コストと効果のバランスをとった選択を

湯船につかるコストは決して小さくありません。シャワーだけの場合と比べて、1ヶ月で2565円、1年で約3万円の差が出る可能性があります。
 
ただし、湯船につかることで血行促進や疲労回復、リラックス効果などが期待できるため、特に新社会人や慣れない仕事で疲れやストレスが溜まっている時期には、コストだけで判断せずに湯船につかることを選ぶ価値はありそうです。
 
また、「シャワー+湯船」という形にこだわらず、湯船のお湯を使ってシャンプーや体を洗う方法を取り入れれば、1日に使うお湯の量を減らせます。シャワーをこまめに止めるなどシャワーの時間を短くすることも有効です。
 
コストを抑えながらも湯船のメリットを享受できるため、うまく取り入れてみるのも良いでしょう。
 

出典

東京都水道局 水道料金・下水道料金の計算方法(23区)
東京都水道局 水道水の水温
東京ガス株式会社 ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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