東京一人暮らしの大卒初任給が「12万円」で絶望…。貯金と投資以外の「遊ぶお金」をせめて3万円確保したいのですが不可能でしょうか?
配信日: 2025.04.09

東京一人暮らしで出費も多いなか、貯蓄や投資もしつつ遊びも楽しみたいでしょう。そこで本記事では手取り12万円の実態と、遊ぶお金を3万円確保するための生活水準を解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
手取り12万円は平均より低い
東京都の大卒初任給で手取り12万円は、平均より低いといえます。東京都労働局の「令和6年3月新規学校卒業者 の求人初任給調査結果」によると、令和6年3月の大卒初任給平均は額面で21万6500円です。
初任給から引かれるのは雇用保険料と所得税のみであるため、手取り12万円の額面は12万5000円程度。前述の調査結果と比較すると、手取り12万円は約9万円低いことが分かります。
同調査によると、令和6年3月の大卒初任給平均は前年より2.4%増加していますが、そのなかでも手取り12万円であることは、かなり低い水準であるといわざるを得ないでしょう。
手取り12万円は工夫した生活が必須
手取り12万円で遊ぶお金を3万円確保するには、大きな努力と工夫が必要です。以下で解説する、一人暮らしに必要な費用の内訳のような生活を送れば、遊ぶお金を3万円確保できる計算になるので、意識してみてください。
家賃は3万5000円程度に抑える
家賃は、3万5000円程度に抑えられるといいでしょう。一般的に、家賃は手取りの30%程度が理想といわれています。
とはいえ、都心で3万5000円の物件を見つけるのは難しいと感じる人がほとんどでしょう。会社から家賃手当が出る場合は、その範囲内で探せると手出しをゼロにできる可能性もあります。通勤手当が出るのであれば、郊外まで視野に入れて安い物件を探してみてください。
食費・日用品費は合わせて3万円程度
生活するうえで必要な食料と日用品は、合わせて3万円程度に抑えましょう。総務省統計局の2024年家計調査報告によれば、単身世帯の食費の月平均は4万8204円となっています。
とはいえ、自炊を中心に節約意識を持って生活すれば、食費を2万円程度に抑えることも可能です。外食はできないと考えておいたほうがいいでしょう。また、日用品はスーパーやドラッグストアの特売日をチェックしましょう。単品買いよりまとめ買いのほうが、単価を安く抑えられます。
水道光熱費は平均1万円程度を目指す
水道光熱費は、1年の平均で1万円程度を目指しましょう。夏と冬は冷暖房を使うため、高くなりがちです。高くなりやすい時期を想定して、日頃から服装で調整するなどの工夫が大切です。1年を通して12万円に抑えられるよう、家計簿などで見える化しておきましょう。
通信費は5000円以内に抑える
通信費は、5000円以内に抑えられるよう工夫してください。スマートフォンは格安SIMを利用すれば、3000~5000円程度に抑えられます。テレビも必須ではないため、必要なければ置かなくていいでしょう。
貯金や投資に回せるのは1万円程度
上記のような生活を送ると、遊ぶお金の3万円以外で貯金や投資に1万円程度回せます。一般的な20代単身者の貯蓄額は、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」(令和3年)によると、平均で179万円、実態に近いといわれている中央値は20万円です。
20代は収入が少ないうえに娯楽にかけるお金が多いため、そもそもの貯蓄額が少ない傾向があります。貯金や投資に回すお金は後回しにしがちですが、同年代に貯蓄額が劣らないよう工夫しましょう。給料が入ったら、最初に別口座に入れるなど先取貯蓄の意識が大切です。
まとめ
手取り12万円では決してぜいたくはできませんが、工夫次第である程度の遊ぶお金を確保できます。日頃から節約意識を持ち続けて、無駄遣いせず自分でできることをコツコツとこなしていきましょう。
ボーナスや、職種によってはインセンティブがどれくらいもらえるかによっても年収は変わってきます。周りの先輩に相談して、これから先の収入や生活のアドバイスをもらうのもいいでしょう。
出典
東京都労働局 令和6年3月新規学校卒業者の求人初任給調査結果
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー