上京し「手取り20万円」だけど、東京の生活は「初月30万円」もかかる!? 上京したてのお金事情について、「見落としがちなコスト」もあわせて解説

配信日: 2025.04.10

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上京し「手取り20万円」だけど、東京の生活は「初月30万円」もかかる!? 上京したてのお金事情について、「見落としがちなコスト」もあわせて解説
「手取りが20万円なのに、東京での一人暮らしってそれ以上にお金がかかるの?」春から新社会人として上京を控えている人なら、一度はそう不安に思ったことがあるのではないでしょうか。
 
特に、初任給がまだ入っていない3月、4月は、家賃や引っ越し代、生活用品の購入など、想像以上に出費がかさむ時期です。「初月で30万円が飛んだ」「貯金が一瞬で消えた」という声を聞いたことがある人も少なくないでしょう。
 
本記事では「上京初月のお金事情」を具体的な内訳とともに紹介しつつ、見落としやすい出費や節約のコツまで解説します。

「初月30万円」って本当? 新卒上京者が直面するリアルな生活費とは

上京して新生活を始める人の多くが、「家賃以外にも意外とお金がかかる」という事実に驚きます。
 
あらかじめ新居が決まっていた場合、4月時点で賃貸契約時に必要な敷金・礼金・仲介手数料の支払いは済んでいるかもしれませんが、家具や家電、生活用品の購入はまだということも多いでしょう。さらに、定期券を含めた交通費や食費、交際費なども初月はまとまって発生します。
 
新卒で初任給がまだ入っていない3、4月には、貯金を取り崩す場面も多く、出費が痛手になるケースも珍しくありません。では、実際にはどんな費目に、どれくらいのお金がかかるのでしょうか。
 

東京で一人暮らしを始めると初月にかかる主な費用内訳

東京での一人暮らし初月は、予想以上の出費が必要になります。総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2024年 」によると、単身世帯の月間の消費支出は約16万9000円です。さまざまな初期費用が発生するため、初月の総額が約30万円に達するケースも珍しくありません。
 
最大の出費は家賃です。東京23区の1Kアパートの家賃は、地域によって8万円から15万円と差があります。敷金・礼金・仲介手数料などを加えると、さらに費用がかかります。
 
総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2024年」によると、単身世帯の食費は約4万4000円、光熱・水道費は約1万3000円、交通・通信費は約2万円が毎月の基本支出です。初月は引っ越し費用、家具・家電、インターネット工事費などの追加費用も発生します。
 
引っ越しに関しては、繁忙期(2~4月)の500キロメートル以上の距離の引っ越しの場合(単身)、荷物量が多いと平均約14万円が相場です。このことから、3、4月にかけ、引っ越し代などを含めると考えれば東京の生活は初月30万円かかると分かるでしょう。
 

「思わぬ落とし穴も……」見落としがちな隠れコスト

東京での新生活開始時には、主要な費用以外にも見落としがちな「隠れコスト」が存在します。まず、火災保険料は契約時に1~2年分をまとめて支払うほか、物件の条件や保険内容によって金額も変わります。
 
次に、保証会社への加入は、ほとんどの物件で必須となっています。また、鍵の交換代は安全上の理由から多くの物件で義務付けられており、別途請求されることがほとんどです。
 
引っ越しでは、基本料金以外に、エレベーターなしの物件への搬入、時間指定、繁忙期料金などで予想外の追加費用が発生することがあります。さらに、住民票を移動する際の手数料、新しい生活環境での初期購入品など、細かな出費が積み重なります。
 
これらの隠れコストは、個々で見れば安価かもしれませんが、合計するとかなりの金額になることがあるため注意が必要です。
 

上京後に後悔しないために! 初月の出費を抑える節約のコツ

初月の出費を抑えることで、余裕ある新生活をスタートできます。賃貸物件選びでは、敷金・礼金なしの物件や、短期的には家賃が少し高くても初期費用が抑えられる物件を検討すると良いでしょう。エリアも少し駅から離れるだけで家賃が下がるケースも多いです。
 
家具・家電は、必要最低限だけを購入し、中古品やリサイクルショップの活用も検討しましょう。最近は、サブスクリプションサービスで、家具や家電をレンタルで使う選択肢もあります。
 
日常生活での節約も重要です。経済産業省の省エネポータルサイト「無理のない省エネ節約」によると、シャワーの使用時間を1分間短縮するだけで年間約3210円節約できます。
 
引っ越しは、可能であれば繁忙期を避け、複数社から見積もりを取って比較することが大切です。生活費では、最初の1ヶ月は特に外食を控え自炊を心がけることで、食費を抑えられます。
 
「取りあえず全部そろえなければ」と焦らず、実際に生活してから必要なものを見極める、という姿勢も重要です。
 

余裕のある新生活をスタートするために

東京で新生活を始める際には、予想以上の出費が待ち受けています。特に、東京の家賃相場は地域によって大きく差があるため、予算に合った地域選びが重要です。
 
また、引っ越しの時期をずらす、中古家具・家電を活用する、節水・節電を意識するなど、できる限りの節約を実施することで、初期費用の負担を軽減できます。
 
引っ越し前に必要な費用を把握し、余裕を持った資金計画を立てておけば、経済的な不安に悩まされることなく新生活をスタートできるでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査(家計収支編)単身世帯 詳細結果表 2024年
 
執筆者:吉田楓
FP2級

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