スマホの価格上昇が続くなか始まった「割引規制」。今後は「1円スマホ」はなくなってしまうの?
配信日: 2025.04.14

しかし総務省による「割引規制」によって、現在ではかつてのような格安スマホキャンペーンは見かけなくなりました。
本記事では、スマホの割引規制の概要について解説するとともに、格安スマホに乗り換える経済的影響について取り上げます。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「1円スマホ」など格安販売の問題点
スマホを非常に安い価格で入手できると、ユーザー側にはたしかに恩恵があります。しかしこの販売手法は問題点が指摘されているようです。
新品スマホが安く売られていれば、そこに飛びつくユーザーが相当数出てくるでしょう。そうなると特定のキャリアでユーザーが長期間囲い込まれる状況につながりやすく、公正な競争という観点から好ましくないと考えられています。
また新品スマホがタダ同然で販売されると、中古端末を高い額で買いたいユーザーが減り、結果として中古端末市場の成長が阻害される可能性も懸念されます。
さらに端末を非常に安く販売する分、キャリアは回線利用料金で元を取ろうと考えかねません。この状態は通信料金の引き下げに寄与せず、むしろ引き上げにつながる可能性も推測されます。このような背景もあって、キャリアによる極端な販売競争を抑制する動きが近年生じています。
2024年12月26日に規制が強化された
2024年12月26日に「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」改正が適用され、施策の一つとして過剰値引きの規制が定められました。
改正前、極端な割引キャンペーンを実施していた携帯キャリア会社もありました。例えば「購入したスマホを1年後にキャリアへ返却することを条件に、最初の1年の支払額を数十円など極端に低い額にする手法」があります。
この手法では、ユーザーが短期間でスマホを返却することで、キャリアは本来ユーザーが支払うはずだった端末価格の残債を免除します。言い換えれば、キャリアがユーザーから端末を買い取っている状態です。
問題にされたのは、この支払い免除される額(買取額)が、一般的な中古端末市場とはかけ離れていたことでした。キャリアが極端に高い額を支払い免除(買取)すると、そちらにユーザーが集まってしまい、中古端末市場の成長を期待できないでしょう。
今回の改正では、この実質的な買取額をキャリアが勝手に設定できないようにしました。各キャリアの裁量ではなく「一般社団法人リユースモバイル・ジャパン(RMJ)」の公表する平均値を基準にすることが盛り込まれています。
これにより、キャリアが支払い免除(買取)できる額が極端に高くならないよう下地が整えられました。今後どのような割引キャンペーンが実施されるかは分かりませんが、端末によっては以前ほど安価に購入できない可能性が高くなったといえるでしょう。
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今後はスマホが高級品になる?
今回の改正によって、従来広く取られてきた手法による割引は影をひそめるかもしれません。しかしスマホ価格が軒並み何万円も高くなるというわけではないでしょう。
総務省はスマホ割引を一切認めないわけではなく、一定額の割引を認めています。具体的には、端末価格4万円以下は2万円を上限として、端末価格が4~8万円の場合はその価格の50%を超えない範囲において4万円を上限として、それぞれ割引が可能です(ミリ波対応端末は5万5000円)。
そのため端末価格がもともと安いスマホについては、今後も比較的安価で入手できる可能性はあります。またキャリアが打ち出す別の手法やキャンペーンを利用できるかもしれません。
ガイドライン改正でスマホ割引が規制強化された
2024年12月26日の「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」改正適用により、従来のようなスマホ端末の大幅な割引は規制されました。
今後スマホ端末の販売価格がどのような変遷をするのか定かなことはいえません。キャリアの打ち出す施策や総務省の規制、中古市場の動向など、スマホ価格に影響がありそうな要素は数多くあります。
出典
総務省総合通信基盤局 電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン(23、81ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー