定年後の生活費が足りない場合に備えて貯金をしようと思っています。あと10年で「1000万円」を貯めることは可能でしょうか? 子どもはもう独立しています。
本記事では、老後の資金計画を立てる際の重要なポイントを解説し、効率的に貯蓄を進める方法を紹介します。
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10年で1000万円貯めるための毎月の貯金額
定年後の生活に備えて、10年間で1000万円を貯めるためには、年間で100万円ずつ貯金する必要があります。単純に計算すると、1ヶ月あたりの貯金額は約8万4000円です。毎月確実に貯めるには、現在の収入や支出を見直し、効率的に資金を管理することが重要です。
例えば、ボーナスがある場合は、ボーナスの一部を貯金に回すことで毎月の負担を軽減できます。また、生活費を抑えるための工夫も大切です。固定費の見直しや無駄な支出の削減を行い、計画的に貯蓄を進めていきましょう。
2人以上世帯の生活費はどのくらい?
総務省の「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)」によると、2人以上の世帯では、世帯主の年齢によって生活費の平均額が異なります。例えば、勤労者世帯の40代では月に32万6535円、50代では35万3248円の生活費がかかっています。全世代の平均支出額は31万8755円です。
このような支出の中で、毎月8万4000円を貯金するためには、ある程度の収入が必要です。目安として、手取りで月40万~50万円ほどの収入があれば、生活費を確保しつつ貯金もできるでしょう。
老後資金を準備する際のポイント
ここでは、老後の貯蓄を効率的に進めるための具体的なポイントについて解説します。
目標金額を設定する
まずは、老後に必要な資金を試算し、どのくらいの貯蓄が必要なのかを明確にしましょう。理想の生活を維持するためには、日常の生活費だけでなく、医療費やレジャー費なども考慮する必要があります。目標金額を具体的に設定することで、貯金の計画が立てやすくなります。
退職後にかかる支出額を予測する
老後の支出は、日常の生活費だけではありません。退職後でも大きな支出が発生する可能性があるため、それらを事前に見積もっておくことが大切です。自宅のリフォーム費用や、子どもや孫への資金援助、旅行や趣味にかかる費用など、ライフイベントによってさまざまな出費が考えられます。
退職後の収入額を算出する
老後の資金をすべて自己負担で用意する必要はありません。退職後には、年金や退職金といった収入もあるため、それらを差し引いた不足分を貯蓄で補うのが理想的です。まずは、年金受給額を確認し、退職金の支給額も把握しておきましょう。
年金の受給額は、加入している年金制度や支払った保険料によって異なります。早めに確認しておくことで、老後の生活費にどれくらいの資金が必要なのか、具体的な計画を立てやすくなります。
保険を活用する
老後資金を準備する方法の一つとして、貯蓄型の保険を活用するのも有効です。例えば、個人年金保険は、一定期間保険料を支払った後に、年金として受け取れる仕組みで、計画的に老後資金を準備するのに適しています。
また、会社勤めをしている方であれば、会社の財形貯蓄制度を活用するのも一つの手です。給与から天引きされるため、無理なく積み立てを続けられ、貯金が苦手な方でも資産を増やしやすくなります。
長く働き続ける
目標金額を設定しても、貯蓄だけでは達成が難しい場合は、定年後も働くことを検討してみましょう。定年後の就業を支援する「継続雇用制度」があるので、希望すれば雇用を延長できる場合があります。
毎月約8万4000円貯められれば、10年で1000万円に到達する
10年で1000万円を貯めるためには、毎月約8万4000円の貯蓄が必要です。収入と支出のバランスを見直し、ボーナスや財形貯蓄、貯蓄型の保険などを活用することで、無理なく目標に近づけます。
老後資金を準備する際は、退職後の支出と収入をしっかりと把握し、不足分を補うための計画を立てることが重要です。必要に応じて継続雇用制度を活用するなど、長く働く選択肢も視野に入れると安心感が増します。今からできることを一つずつ実践し、将来に向けた準備を進めていきましょう。
出典
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)家計の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
