「炊飯器で保温」vs「レンジで温め直し」夕食後にご飯が残った場合、どちらがお得? 1ヶ月の“電気代の差”を比較
配信日: 2025.07.06 更新日: 2025.07.07

本記事では具体的なシミュレーションをもとに、保温派と冷凍&レンジ派を電気代・味・手間の三方向で比較していきます。

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目次
1ヶ月の電気代シミュレーション―保温は約150円の隠れ固定費
家電製品にかかる電気代は、炊飯器の消費電力(ワット)÷1000×使用時間(アワー)×電気料金単価(円/キロワットアワー)で算出できます。今回はパナソニックのIH炊飯器を例に、電気料金は全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/キロワットアワーでシミュレーションしてみます。
パナソニックIH炊飯器では、保温中の消費電力は1時間あたり13.7ワットアワーです。12時間続けると0.164キロワットアワーになり、電気代は1日約5円、30日で約152円になります。
次に、電子レンジにかかる電気代をパナソニックの製品(消費電力1.40キロワット)をもとに計算すると、500~600ワットを3分使った場合の消費電力量は約0.07キロワットアワー。電気料金単価31円で計算すると1回あたり約2.1円。毎日温めても月々の電気代は約65円です。電子レンジの方が、保温と比べて月87円ほど節約できます。
味と食感にも差が出る。長時間保温は乾燥に注意
保温は時間がたつほど水分が抜け、黄ばみやパサつきが目立ちます。メーカーも、保温時間の目安は一般的に5~6時間程度と案内しています。一方、冷凍ご飯は、急速冷凍しておけばデンプンの老化を遅らせられ、レンジでの解凍後に粒立ちが戻りやすいのが利点です。
家庭用冷蔵庫の冷凍室であれば、追加コストはほぼ無視できるレベルですが、ラップや冷凍用保存容器が必要になる点は留意しましょう。
タイパの観点でみるとどちらが優位か
保温は、食べたいときにすぐよそえるのが最大のメリットです。対して冷凍保存は、ラップで小分け→冷凍→食前に取り出し→加熱という工程が増えます。忙しい朝食時や子どもの塾前などすぐに出したいシーンでは保温が勝るものの、レンジ加熱の手間も数分程度で済むため、優位といえるほどの差にはならないのではないでしょうか。
食中毒リスクとフードロス―冷凍派は“作り置き”にも強い
多くの炊飯器では、保温機能の温度は60℃以上に設定されています。これは、雑菌の繁殖を防ぐためです。一方、連続保温時間に限度を設けている炊飯器も多く、万一、保温が切れていることを忘れ放置してしまうと、炊飯器内の温度が60℃を下回って雑菌が繁殖するリスクを伴います。せっかく炊いたお米を無駄にすることにもなってしまいます。
対して、冷凍環境なら菌の活動が止まり、作り置きカレーやまぜご飯も保存しやすく、安全面だけでなくフードロス削減に貢献します。保温派は炊飯後5~6時間を目安に食べ切るなど、衛生面の工夫が必要です。
わずか87円、されど87円。賢いご飯生活で家計と安全を守る
保温12時間は電気代だけで月約152円、対する冷凍+レンジは最大でも月65円程度。差額はおよそ月87円で、年間でみると約1000円です。
小さな数字に見えても、味の劣化や食中毒リスクをどう見るかで最適解は変わります。平日はコスト優先で冷凍、休日は保温で手間を減らすなどのハイブリッド運用もおすすめです。家計とライフスタイルに合わせて、安全でおいしくタイパのよいご飯生活を目指してみてはいかがでしょうか。
出典
パナソニック株式会社可変圧力IHジャー炊飯器 SR-V10BA 仕様
パナソニック株式会社 単機能レンジ NE-FL1A 仕様
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー